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今日から使える!冷凍のプロが教える、野菜を上手に冷凍保存する方法

  • 2016.08.23
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バランスのよい食生活に欠かせない野菜、どのように保存していますか?ラップをして冷蔵庫に入れたり、乾燥させたりと様々な保存方法がありますが、冷凍される方も多いはず。

食材の保存方法としてすっかり当たり前になった冷凍保存ですが、解凍してみると、味や食感が変わってしまった経験は、ありませんか?
しかし、コツさえ覚えれば、上手に冷凍保存できる野菜もあるのです。

今回も、ニチレイフーズに入社して14年。冷凍チャーハンや春巻きなどの商品開発に関わる庄司有希さんから、今日から使える冷凍保存のコツを伺いました。

「凍らせた野菜はそのまま調理した方が美味しい」「冷凍した野菜は1週間を目安に使い切る」など、庄司さんから、すぐに使える冷凍テクニックを教えてもらうことができました。

野菜を美味しく冷凍するなら、すばやく凍らせるのがコツ

野菜を冷凍保存すると、解凍した時に中身がスカスカになったり、水っぽくなったりするなど、野菜の食感が大きく変わってしまった経験はありませんか?

その原因は家庭の冷凍庫にあります。
冷凍食品工場にあるような業務用の冷凍庫が、マイナス30~40度という低い温度で一気に「急速凍結」するのに比べて、家庭用の冷凍庫は庫内の温度が高く、「緩慢凍結」と言われるように食材をゆっくり冷やします。

そもそも「冷凍」は食品中の水分が冷やされて、食材が凍る現象ですが、その過程で発生する氷結晶が食品の組織や細胞を壊してしまいます。また、氷が溶けた時にできる空洞が原因で、スカスカしたり、ぐしゃっとした食感に変わってしまうのです。

急速凍結は、この氷結晶が大きくなる前に凍結させることができるため、味や食感の変化を抑えられます。それを応用して、家庭で上手に野菜を冷凍するためには、できるだけすばやく凍らせる工夫が必要です。

例えば、以下のようなことに気を付けてください。

①食品についた水分はしっかり拭き取る
②冷却効率を上げるため、平たくする
③下茹でや下調理の後は粗熱を取る
④熱伝導の良いアルミのバットなどに食品を並べる。ない場合は、ラップの上からアルミホイルで包んで冷凍する

これらのコツを覚えておけば、家庭用の冷凍庫でも、上手に野菜を冷凍できるでしょう。

水分と繊維の多い野菜は冷凍に向いていない?

先ほどご紹介した「急速凍結」と「緩慢凍結」のことを考えると、水分や繊維質の多い野菜は、あまり冷凍に向いていない野菜です。

水分が多い野菜は、凍結させた時に、食材の味や食感を変える氷結晶が大きくなってしまいます。一方、繊維質の多い野菜は、解凍した時に繊維の周りの組織が空洞化し、筋っぽい感じが強くなってしまうのです。

具体的には、水分の多いレタスやトマト、人参や大根、ゴボウなどの根菜類は冷凍に適さない野菜です。
逆に冷凍に適した野菜は、ほうれん草や小松菜などの葉物野菜、ブロッコリーなどです。これらの野菜はなるべく新鮮なうちに下茹でし、小分けにして冷凍しておくと、色や食感を保ったまま保存できます。

綺麗にみずみずしく冷凍するコツと、冷凍の小ワザ

話は変わりますが、冷凍後の野菜が色あせてしまったことって、ありますよね?野菜はできるだけ、みずみずしく綺麗な色のまま食卓に並べたいものです。野菜の色あせを防いで冷凍するにはどのようにすれば良いのでしょうか?

野菜は冷凍前に下茹ですると酵素の働きを止めることができるので、変色を防いで冷凍することが可能です。当社で販売している冷凍のいんげんやオクラなども「ブランチング」と言って、下ゆでをすることにより、酵素の働きを抑制して製品にしています。

また、解凍した後のことを考えて下処理しておくのもポイントです。例えば玉ねぎは、みじん切りにしたら、ラップに包んで小分けにしたり、冷凍保存袋に平たくして入れておくと使いやすいと思います。

冷凍した野菜は離乳食にも活用できることもしっていましたか?私の場合、子どもが小さい時には、ミニトマトをそのまま冷凍していました。解凍時には皮が水でするっと剥けるんですよ。そのまま食べるには、少し水気が多いですが、つぶして煮たりして活用するには便利なんです。また、茹でて裏ごししたさつまいもを冷凍しておき、解凍後にミルクと混ぜて加熱して子どもに与えていました。

この他にもいくつかの小ワザをご紹介します。これを覚えておくと、効率よく調理ができると思います。

①スライスして冷凍した椎茸は、そのまま味噌汁などに入れると手早く調理ができる
②長ネギなどの香味野菜は、刻んでタッパーに入れて冷凍しておくと、そのまま調理に使える
③缶詰のコーンなど少量しか使わないものは、製氷機に入れてブロック状態で冷凍しておくと使い残しがなくなる

この3つの方法は、私も日々使っている小ワザです。いずれも便利なテクニックなので、ぜひ活用してみてください。

野菜別、おすすめの冷凍方法

ここからは代表的な野菜を例に、それぞれおすすめの冷凍方法をお伝えします。

①<キャベツ>
キャベツは冷凍すると繊維感が目立つので、食感が気にならないよう細かく刻んだ状態や、ミネストローネ等に調理してから冷凍してみましょう。

②<玉ねぎ>
刻んで保存用パックなどにストックしておいてもいいですし、ソテーしたものを一度にたくさん作っておき、一回使い切りの量で冷凍しておくと、ハンバーグを作るときなどに便利です。

③<トマト>
加熱してソースの状態にするのがおすすめです。煮込み料理など加熱調理前提であれば、湯剥きして、サイコロ状にカットして、冷凍しておいてもいいでしょう。

④<アスパラ>
そのまま茹でてカットした状態で冷凍してもよいですが、さらにベーコンを巻いた状態で冷凍しておけば、お弁当のおかずやおつまみなどに便利です。

⑤<さつまいも>
さつまいもは丸ごと冷凍すると筋っぽくなってしまいます。冷凍に向いているのは、加熱して皮をむいた後にすり潰した状態です。また、焼き芋にして、一度水分が抜けた状態にしておくと冷凍に適した状態になります。

⑥<大根>
大根は繊維質で水分も多い野菜ですが、すりおろすと食感が目立たなくなるので、ある程度水分を絞った状態にして、一回使い切りの量で冷凍すると良いでしょう。

⑦<人参>
人参は冷凍すると大根より筋っぽくなるので、3〜5mm角程度のブロック状や千切りにするなどして、食感が気にならない形にしてから冷凍するのがおすすめです。

⑧<きのこ類>
きのこは、しめじや、シイタケなど複数のきのこをカットしてミックスしたものを冷凍しておくと、そのまま炒め物などの料理に使えます。

解凍時に気を付けるべきポイント

冷凍した野菜は使う時に解凍する必要がありますが、その時、どのように解凍すればいいかご存知ですか?
実は、レンジや流水で解凍する以外に、「凍ったまま使う」という方法がおすすめです。

素材に余計なダメージを与えずに調理が出来て、美味しく仕上がるからです。そのまま鍋に入れて煮込んだり、フライパンで炒めたりして使ってみましょう。

また解凍方法だけでなく、覚えておきたいのが保存期間です。ご家庭で冷凍した食品は、1週間を目安にできるだけ早く使い切るのがベストです。

その理由は、まな板や包丁などの調理器具の衛生状態と冷凍庫の開け閉めにあります。 特に冷凍庫の扉を開け閉めすると、庫内の温度が上がることよって、冷凍した食品に霜がついたり食品自体の温度が上がったりして劣化しやすくなります。冷凍野菜の品質を保つためにも、扉は長く開けず、庫内の温度が上がらないようにしましょう。

特に気温の高い夏は、野菜の傷みも早くなりがちです。ご紹介した冷凍テクニックを使って、無駄なく賢く野菜を使い切ってみましょう。


プロフィール

庄司有希/研究開発部研究開発技術グループ
大学の農学部で食品科学の研究を修めたのち、2002年に株式会社ニチレイ(当時)に入社。以後、冷凍食品の開発に携わる。プライベートでは男の子、女の子の2児の母。趣味は登山、洋裁。モットーは「前向き」。皆さんの笑顔の源になるような商品を開発するのが夢。

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