3月に入り、少しずつ暖かい日も増え、春の気配を感じられるようになってきました。
春の楽しみといえば、菜の花・たらの芽・ふきのとうなどの旬の春野菜!これらの食材を食べると、「今年も春がやってきた」と感じる人も多いのではないでしょうか。
ところで、これらの春野菜にはデトックス成分があることをご存知でしたか?
冬は気温も低く代謝も悪くなりがちで、老廃物も知らず知らず体に溜まりやすいのだそう。
「旬の食材は体に良い」と言われますが、冬から春に変わるこの時期に春野菜を食べることで、老廃物を排出しやすくなります。
今回は、菜の花などに含まれ腎臓の働きを活発にしてくれる苦味成分「植物性アルカロイド」や、たけのこなどに含まれ便の排出を助けてくれる「食物繊維」など、春野菜に含まれるデトックス効果をご紹介します。
春野菜のデトックス成分を活用して、春に元気な体を作りましょう!
冬場に感じる「なんとなくだるい……」は、老廃物が原因?
冬の体には老廃物が溜まりがちですが、それはなぜなのでしょうか?
私たちは生きていく中で代謝を行い、この時に体内に二酸化炭素や乳酸、アンモニアなどが発生します。
こうした老廃物と呼ばれるものが体内に蓄積されていくと、冷えやむくみ、肩こり、肌荒れなど体の不調が起こりやすくなるのです。
これらの老廃物は汗や尿として体外に排出されますが、冬場には以下のような理由で体外に排出されづらくなります。
・寒さによって体の代謝機能が落ちる
・寒くて家にこもりがちになるので体を動かす機会が減り、結果的に他の季節に比べて汗をかかなくなる
・夏に比べて水分をとる量が減るので、老廃物が尿として体の外に出ることが少なくなる
結果、体の中に老廃物がたまってしまい、体の不調が起こりやすくなりがちです。これらの老廃物を排出する作用があるのが、春野菜に含まれるデトックス成分なのです。
春野菜に含まれるデトックス成分とは?
春野菜に含まれるデトックス成分にはどのような種類があるのでしょうか?
デトックス成分として代表的なものは、たらの芽・ふきのとう・ウドなどに含まれる春野菜の苦味成分「植物性アルカロイド」です。
この成分は腎臓のろ過機能を高め、新陳代謝を高める働きがあります。
腎臓は体内の血液をろ過し、老廃物や余分な水分を排出してくれる臓器です。植物性アルカロイドの働きによって腎臓の機能を上げることで、体の中の老廃物やたまった水分の排出を促せる、というわけなのです。
春キャベツに含まれる、硫黄化合物である「イソチオシアネート」や「ビタミンU」もデトックス効果を持つと言われる成分で、肝臓の解毒機能を強化してくれます。
※肝臓はアルコールを分解したり、体内で生成される毒性のアンモニアなど、老廃物を解毒してくれる臓器です。
ふきのとうにはカリウムが多く、老廃物を排出してくれます。食物繊維がゴボウよりも多く、便秘の予防改善に繋がります。
他に、後ほどご説明する「食物繊維」や「カリウム」も体内に溜まった老廃物を排出する作用を持っています。
次はこれらのデトックス成分を豊富に含んだ定番の春野菜について、もう少し詳しく見ていきましょう!
たけのこ・菜の花・ふきのとう、定番春野菜3種のデトックス成分
「ほほえみごはん編集部」では2月に、「たけのこ」「菜の花」「ふきのとう」「ゼンマイ」の中で、どの春野菜が人気なのかをアンケート調査しました。
アンケートには、数多くの回答が集まり、たけのこが全体の約5割、次いで菜の花が約3割を占めました。噛むとシャキシャキとした食感が楽しめる「たけのこ」も、ほのかな苦味の「菜の花」も、どちらも今だから味わいたい春の味覚ですよね。
今回は、アンケート得票数上位の「たけのこ」「菜の花」「ふきのとう」に含まれるデトックス成分をご紹介します。
●たけのこ
春先から食卓に並ぶたけのこは、だしで煮てかつお節をかけて食べたり、天ぷらにしても美味しいですよね!
たけのこに含まれる代表的なデトックス成分は、「カリウム」と「食物繊維」のふたつ。カリウムはミネラルの一種で、体内の余分な水分やむくみの原因になるナトリウムを排出する作用があり、血圧を調整しています。
一方、食物繊維は根菜や雑穀などに豊富に含まれる成分で、腸内の老廃物を吸着して体内に排出する効果があります。
たけのこに含まれるカリウムはゆでても減りにくいのが特徴。ゆでて柔らかくした後にお好みの調理方法で召し上がってください!
●菜の花
菜の花はほんのりとした苦味が特徴。子どもの頃は苦手だったけれど、大人になって好物になった人も多いのでは?
菜の花に含まれるデトックス成分は、肝臓の解毒作用を高めてくれる「硫黄化合物イソチオシアネート」と、腸内の老廃物を排出する作用がある「食物繊維」。また、体内の余分な水分を排出する作用がある「カリウム」も豊富に含まれています。
特に、先端のつぼみ部分には「硫黄化合物イソチオシアネート」のもととなる「グルコシノレート」が多く含まれているそうです。
菜の花を食べるなら、さっとゆでて、すりゴマで和えると良いでしょう。菜の花とゴマに含まれるカリウムをダブルで摂取することで、むくみの原因になる体内のナトリウムの排出を助けてくれるでしょう。
●ふきのとう
爽やかな香りと苦味が特徴のふきのとうは、おひたしや天ぷらの他に、細かく刻んで味噌に混ぜ込んだ「ふきのとう味噌(ふき味噌)」として食べることもありますね。編集部員の中にもあの独特の苦味がたまらない!というメンバーがいます。
この苦味を作るのが、先ほどご紹介した「植物性アルカロイド」。その他にも、体内の余分な水分の排出を助ける「カリウム」や、腸内の老廃物を排出する作用がある「食物繊維」が豊富に含まれています。
ふきのとうはゆでると、ビタミンやミネラルなどの栄養価が流れ出てしまいやすいので、調理は天ぷらがおすすめ。天ぷらにすると苦味を抑えられるので食べやすく、栄養を効率よく摂ることができます。
最も身近な食物繊維!腸内の老廃物を排出を助ける2つの春野菜
「デトックス」と聞いて多くの人が想像するのは食物繊維ではないでしょうか。次は腸内の老廃物を排出するために必要な、食物繊維を豊富に含んだ春野菜をご紹介します!
●さやえんどう
シャキシャキとした食感が美味しい「さやえんどう」。この野菜に含まれる食物繊維量は100gあたり3.0gで、食物繊維量はレタスを上回っているのをご存知でしたか?(レタスは100gあたり1.9gの食物繊維が含まれています)
さやえんどうには、食物繊維のほかに、ビタミンCも比較的多く含まれています(生のさやえんどうのビタミンC含有量は、100gあたり44mg)。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より
ビタミンCはゆでるとお湯の中に流れてしまうので、調理の最後に加えたり、ゆで時間を短く工夫すると彩りもよくなるのでおすすめです。
●セロリ
独特の香りから苦手な人も多いセロリですが、実は栄養豊富な野菜です。食物繊維量は100gあたり1.5g。その香り成分には精神安定の働きがあると言われています。
カリウムは100gあたり410mg含まれており、むくみ防止や血圧低下作用も期待できます。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より
カリウムもビタミンC同様、ゆでてしまうとお湯の中に流れてしまいやすいので、野菜スティックのように生で食べるか、油などで炒めて食べるのがおすすめです。
旬の野菜は体にいい?春野菜を食べて元気な体をつくりましょう!
5つの春野菜のデトックス成分をご紹介しましたが、意外な効能に驚いた方も多いはず。それぞれに老廃物を排出する作用があり、冒頭でご紹介した「旬の野菜は体にいい」という言葉を生んだ先人の知恵に驚くばかりです。
ほほえみごはんでは、過去に野菜に関する記事を公開しています。野菜をたっぷり食べるテクニックや、栄養価の高い野菜など、さまざまな記事を公開していますので、こちらも併せてご覧ください!
⇒ ほほえみごはんの「野菜」記事
春先に「体がだるいな……」と思ったら、この記事でご紹介した野菜を食べて、元気な体を取り戻しましょう!