健康効果で注目されている発酵食品をたっぷり使った「発酵鍋」。今再びブームになっています! 今回は、発酵料理家の真野遥先生が、イチオシのレシピを教えます。真野先生は全国の酒蔵・味噌蔵・醤油蔵を訪ね歩き、発酵をテーマにしたレシピ開発や料理教室も行う発酵のプロ。調理のポイントを押さえると驚くほど旨みたっぷりな鍋に仕上がります!
体にやさしいだけじゃない! 旨み豊富な「発酵鍋」
真野遥先生
「発酵鍋」とは発酵食品を豊富に使った鍋のこと。発酵食品には、食材をやわらかくしたり、だしを使わなくても旨みをしっかり引き出したりするパワーがあり、健康面だけでなく美味しさの点でもうれしいメリットがたくさんあります。
今回は発酵食品によって旨みが高まる、発酵鍋に相性抜群の食材を使った2品のレシピを紹介します。
甘酒が鮭の旨みを引き出す「麹鮭の濃厚旨み鍋」
真野遥先生
塩鮭はもともと塩で旨みを引き出した食材ですが、甘酒で漬けることで塩味がまろやかになり、本来の旨みがさらに際立ちます。ここで引き出された鮭の旨みは、昆布や野菜のエキスと合わさると、相乗効果を発揮! その結果、すべての食材の旨みが濃厚で味わい深い鍋に仕上がります。甘酒や味噌の風味を損なわないよう、加熱しすぎには気をつけて。
材料(2人分)
- 塩鮭(中辛口~辛口)…2切れ
- 白菜…4~5枚
- にんじん…1/2本
- 長ねぎ…1/2本
- 舞茸…1パック(100g)
- 豆腐…1/2丁
- 麹甘酒(割って飲むタイプの濃厚なもの)…70g
- 水…500ml
- 昆布…10cm角1枚(10g)
- 酒…大さじ2
- 味噌…大さじ1
準備
- 塩鮭は1切れを3等分にカットしてポリ袋に入れ、麹甘酒を加えて揉み込む。袋の空気を抜くようにして口を閉じ、冷蔵庫に一晩置く(時間がない場合は常温で30分置いてもよい)。
- 鍋に水を入れ、昆布を浸して約30分置く。
作り方
- 白菜はざく切りに、にんじんは2~3mm厚さの輪切りにする。長ねぎは5mm幅の斜め切りにし、豆腐は食べやすい大きさに切る。舞茸は食べやすい大きさにほぐす。
- 鍋を中火にかけ、沸騰直前に昆布を取り出す。準備しておいた塩鮭を麹甘酒ごと加え、酒をまわしかける。
- ❶の野菜類と豆腐を加え、具材に火が通るまで加熱する。仕上げに味噌を溶かし入れて味を整える(味をみながら量を調節する)。
シメはうどんに
シメは煮込みうどんがおすすめ。麹が引き出した鮭の旨みや野菜のだしをうどんが程よく吸って、シンプルなのに奥深い濃厚な味わいが楽しめます。
スパイスと酒粕がコク旨!「手羽元の酒粕カレー鍋」
真野遥先生
酒粕とカレーは実は好相性! 酒粕をたっぷり使ってもスパイスで酒粕臭さがマスキングされ、コクのある味わいになるんです。さらに仕上げにヨーグルトを加えることで、全体がまろやかにまとまります。
材料(2人分)
- 鶏手羽元…6本
- エリンギ…2~3本(100g)
- 小松菜…2~3株
- 赤玉ねぎ…1/2個
- パプリカ…1/2個
- バター…15g
- プレーンヨーグルト…大さじ3
- 酒粕(板粕・バラ粕)…70g ※注1
- 酒…大さじ1
- 水…300ml
- トマトジュース…200ml
A
- カレー粉…小さじ2と1/2
- おろしにんにく…小さじ1/2
- おろし生姜…小さじ1/2
- ウスターソース…大さじ1
- はちみつ…大さじ1
- 塩…小さじ1/2
※注1…ペーストタイプの酒粕を使用する場合は85g。酒は加えず、作り方の❷の工程を省く。
作り方
- 鶏手羽元は余分な皮を切り落とし、フォークで全体を数ヵ所刺す。Aとともにボウルに入れ、よく揉み込む。
- 耐熱ボウルに酒粕と酒を入れ、ふんわりとラップをかけて600Wの電子レンジで約30秒加熱する。
- 鍋を中火にかけてバターを熱し、❶の手羽元を焼く(漬けダレは残しておく)。両面がこんがり焼けたら手羽元を取り出し、同じ鍋に❷の酒粕を入れてさっと炒める。
- ❸にトマトジュースを少しずつ加えて酒粕を溶かし、水と手羽元、漬けダレを入れる。沸騰したらふたをし、弱火で15分煮る。
- 煮ている間に野菜類を準備する。エリンギは食べやすい大きさに裂き、小松菜は3~4cm長さにざく切り、パプリカは縦1cm幅に切る。赤たまねぎは繊維にそって薄切りにする。
- ❹にヨーグルトを溶かし入れ、❺の野菜類を加えてひと煮立ちさせ具材に火を通す。
シメはリゾット風に
酒粕とヨーグルトがごはんやチーズとよく合うので、シメはごはんを加えて軽く煮込み、リゾット風にするのがおすすめ。粉チーズやパセリなどをトッピングしても美味しい。
酒粕・ヨーグルトの保存方法はコチラ
■鍋の季節はよく使う食材を冷凍しておくと便利です
■たまにはこんな変わり種鍋もいかがですか?