時代が早すぎた!? 美味しいのにブームにならなかったニチレイの隠れた名品

2021.2.26
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ニチレイ冷凍食品の開発秘話のイメージ

『本格炒め炒飯®』や『特から®』などのヒット商品が知られるニチレイフーズですが、歴史を振り返ると知られざる名品が多数発売されていました。約20年前には白いおにぎりなどの一風変わった商品もあったのだとか!? その開発の舞台裏をニチレイフーズ広報グループの大竹泰(おおたけやすし)さんに教えてもらいました。

―――――現在ニチレイフーズの広報として活躍中の大竹さんは、キャリアの中で商品開発もご担当された経験があるとか。どんな商品を開発されたのでしょうか?

ニチレイ大竹泰さん
 大竹さん

1990年にニチレイフーズに入社して以来、さまざまな部署を経験していますが、商品開発をしていた期間が一番長いですね。思い出深い商品といえば、2002年発売の『日本の味おむすび』シリーズ。素材から形状にまでこだわって作り、品質には自信がありました。高い評価も得られていたのですが、わずか2年ほどで店頭から姿を消してしまったんです……。

美味しいのに、”家で握るのが当たり前”に勝てなかった『日本の味おむすび』

「日本の味おむすび」シリーズのパッケージ写真

――ガーン! おむすびといえば『焼おにぎり 10個入』や『本格焼おにぎり』のイメージが強いですが、『日本の味おむすび』はどのような商品だったのでしょうか?

ニチレイ大竹泰さん
 大竹さん

白いおにぎりの冷凍食品という、とても画期的な商品でした。開発に至った背景には、コンビニさんのおにぎりのヒットがありました。最近のコンビニさんのおにぎりってとても美味しいですが、当時は型抜きしたごはんで具材を挟んだようなタイプが主流だったと記憶しています。そこで、「コンビニさんよりも“美味しくて手作り感のある”おにぎりを開発することで、忙しい朝にご家庭でおにぎりを作る手間を減らしたい」という想いで、開発に乗り出しました。

――当時のコンビニのおにぎりはごはんもかたく、具材も少量で少し寂しかったですよね。

ニチレイ大竹泰さん
 大竹さん

そうそう。今でこそ「○○産の鮭ハラス」とか具材も大きめで食べ応えがありますが、当時は鮭なら鮭フレークが当たり前。具の量も少なめで、最初のひと口で具に当たらないんですよね。そこで、『日本の味おむすび』の具はひと口目で具に当たる、大きい切り身にしました。さらに、有明産の海苔を使用するなど、素材にもこだわって作ったんです。

――パッケージの写真を見ると、おにぎりが手で握ったような丸みのある形をしていますね。

ニチレイ大竹泰さん
 大竹さん

おにぎりの美味しさのポイントのひとつが、食べた時のごはんのほぐれ感。専用の機械を開発して、「外はしっかり、中はふっくら」とした絶妙な握り加減を実現したんです。おにぎりの表面も人の手で握ったおにぎりのようにちゃんと塩味がついているんですよ。食べる時に電子レンジで温めていただいて、熱々ホカホカを召し上がれます。

――美味しそう! 実際の評判はいかがでしたか?

ニチレイ大竹泰さん
 大竹さん

「美味しい!」という嬉しいお声をいただきました。ただ……、当時はおにぎりってやっぱり家で握るものというイメージが強く、「お店で買うより家で握ったほうが安い」とお考えの方も多かったのではないかと思います。例えば、みなさんも何かを買うときに「これは自分で作ったらいくらでできるかな?」って考えますよね。当時は「ごはん自体は、いつも家にあるからコストに含めない」という感覚が強かったのではないでしょうか。

――当時の感覚だとそうなってしまうかも。

ニチレイ大竹泰さん
 大竹さん

一方、同じおにぎり商品でも「焼おにぎり」は当時すでに冷凍食品として定着していました。それはやはり、焼おにぎりが一から作るととても手間がかかるメニューだからなんですよね。何度も返しながら醤油を塗って、焼いて……って忙しい時にやってられない。でも、冷凍食品ならその手間となる部分ができあがっているんです。

しっかり焼いた醤油の香ばしさが魅力の定番商品2つもチェック!

小さめサイズが食べやすく、幅広い層に支持される一品。香ばしさを引き出すたれ、甘みUPのたれ、2種の醤油たれを使用しているのが特長。

「焼おにぎり 10個入」のパッケージ写真

『焼おにぎり 10個入』発売中

北海道産「ゆめぴりか」を100%使用して、ごはんの甘みや粘り、ふっくら感にこだわった焼おにぎり。しっかり焼くことで長期熟成醤油のたれの香ばしさUP。

「本格焼おにぎり」のパッケージ写真

『本格焼おにぎり』発売中

――自分で作るととても手間がかかるものというところがポイントですね。当時はおにぎりを握るということは手間として認識されていなかった。

ニチレイ大竹泰さん
 大竹さん

今は、ご家庭でごはんを炊く頻度が減っていますが、当時は、ごはんは炊いてあって当たり前で、「おにぎりなんてすぐ握れるでしょ」というイメージでしょうかね。実際にはごはんを炊く手間、握る手間があり、美味しく握る技術も必要なんですけどね。シンプルなメニューを店頭で手に取っていただくのはなかなか難しい。

――ごはんが常に炊いてあるというご家庭も少なくなった今なら、受け入れられそうですね。

ニチレイ大竹泰さん
 大竹さん

今思うと、個包装にしておけば、お弁当にも気軽に使ってもらえたかもしれない……など、いろいろと考えてしまいます。味は本当に美味しかったので悔しいですね。「美味しいから売れるわけではない」という、ひとつの教訓になりました。

時代を先取りしすぎたけど、すべては「みんなの食を豊かにしたい」という願いから

大竹さんがエピソードを教えてくれた『日本の味おむすび』シリーズに限らず、これまで発売されてきた冷凍食品はすべて私たち生活者のニーズを汲んで生み出されたもの。生活者は今、何を求めているのか? どうやったら、手間を減らすことができるのか? 開発の現場では常に私たちの食の課題と向き合い、解決策を探っているのです。私たちの食生活を支える心強い味方である冷凍食品が、今後もどのように進化していくのか期待したいですね。

日本の冷凍食品が事業化してから100年余り。過去を振り返れば、今回紹介したアイテム以外にも、知られざる名品がまだまだたくさんあります! ぜひこちらのページもチェックしてみてください。

冷凍食品100周年ヒストリーバナー

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