秋がはじめどき!定番ハーブを育てて料理のレベルアップを目指そう

2017.9.26
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食材の臭みを和らげたり、料理の風味を豊かにするハーブ。「使ってみたいけれど難しそう」「使い方がよくわからない」「使ってみたいけど、近所のスーパーでは欲しい種類が売っていない」という方も多いのではないでしょうか。

実は、ハーブは初心者でも比較的簡単に育てることができ、室内やベランダなどでも栽培しやすい植物。家庭で作って手軽に使えるようになれば、お料理の幅も広がるはず。

春や夏に育てると、青虫やアブラムシなどが発生しがちですが、夏の暑い時期を過ぎて穏やかな気候になると虫の発生も少なくなり、初心者でも育てやすい環境になります。家庭菜園において、虫や病気は大敵。梅雨や猛暑は病気にもかかりやすくなりますが、その心配が少ないため秋に育て始める大きなメリットです。

そこで今回は、料理に使いやすい5種類のハーブと、それぞれのおすすめの使用方法をハーブ研究家の狩野亜砂乃さんにお聞きしました。

ハーブは小さいほうが、香りがいい!?

 

ハーブには、私たちの心を癒してくれたり、心地よく感じさせてくれるものが多くあります。バジルやイタリアンパセリなどは「香草」と呼ばれていたり、漢方薬にもたくさんのハーブが含まれています。またハーブの香りは、もともとハーブ自体が成長するうえで外敵となる虫などから身を守るための成分や、周りの植物の繁殖を防ぐためのものであり、私たち人間はその特性を利用しているのです。

ハーブは、種から育てる方法と、苗から育てる方法があります。種から育てると、柔らかく、香りが豊かな小さい段階で収穫できるのでおすすめですよ。

料理用に育てるなら浅めの鉢でもOK

まずはホームセンターなどでハーブの種と土を購入しましょう。ベビーリーフとして小さなうちに収穫する場合、5センチくらいの深さの土でも十分育てられます。種まきをする際の土の深さ、土を被せるのか被せないのかは育てるハーブの種類によって異なるため、種の袋の指示を必ず読みましょう。

その後、芽が出るまで、土を乾かさないように水をあげます。芽が出て葉が4枚ほど生えたら、専用の肥料を与えるとさらに元気に成長します。(水で薄める液体のタイプは、使用方法の通り希釈をしてください。)

ハーブを大きな苗に育てたいときは、育てている中から成長の良いものを選び、別の大きい鉢に植え替えるとよいでしょう。

知っておきたい、栽培中の注意点

 

ハーブを庭やベランダで栽培する場合は、強い西日や強風を避けることがポイントです。強い日光に当たりすぎると、葉が硬くなり、苦味が出やすくなります。

逆に室内で栽培する場合は、できるだけ日当たりの良い場所に。室内は戸外に比べて風通しがよくないので、ハーブに病気が発生することもあります。また、虫が付いていないかこまめに観察しましょう。

もしもハーブにアブラムシがいたら、水50mlと牛乳5ml、数滴の食器用洗剤を混ぜ合わせたものをスプレー容器に入れて葉の両面に吹きかけましょう。牛乳によってできた油分の膜がアブラムシを窒息させることで、アブラムシの対策になります。その後、料理などで使用する際には、よく洗って使えばOKです。

また、葉や茎に白い粉がかかったような状態になる“うどん粉病”は、放っておくと枯れる原因になります。タイムやバジルを煮出しした液をスプレーする方法もありますが、園芸店に相談して適切な有機害虫回避剤(原料が天然素材のもの)を使うのもよいでしょう。

そのほか、「ハーブの葉が小さくなってきた」、「成長が遅い」といった症状に気づいたら、肥料を与えます。どんな肥料が良いか、どれくらいの頻度で与えたらいいのかは園芸店で相談してみましょう。

初心者でも育てやすいおすすめハーブ

 

◎バジル

ピザなどでもよく使われているので、食べたことがある人も多いはず。バジルは、他の植物の近くに植えることで成長を促す効果を持つ“コンパニオンプランツ”としても知られています。特にトマトとの相性が良く、近くに植えるとお互いに成長を高めると言われています。

小さなうちに収穫してベビーリーフのようにサラダに使えば、大きなものよりも柔らかくて香り豊かなハーブが楽しめます。

一般的なスイートバジルのほか、シナモンに似た香りを持つシナモンバジル、タイ料理に使われることが多いタイバジル、濃い紫色のパープルバジル、ガパオなどのタイ料理からハーブティーまで幅広く使われるホーリーバジルなどがあります。香りや形もそれぞれ違うので寄せ植え、数種類育てて食べ比べてみるのもおもしろいですね。

◎イタリアンパセリ

パセリと聞いてイメージするものよりも葉が平たいイタリアンパセリ。こちらもバジルと同様に種蒔きをした後、小さいうちに収穫することができます。

細かくちぎってサラダに加えることもできますが、茎の部分はスープの出汁に利用するのもおすすめです。また、浅漬けを作る際にイタリアンパセリを一緒に入れると、さわやかな風味が移り、いつもとはひと味違うお漬物が味わえるのでぜひ試してみてください。

◎コリアンダー(パクチー)

パクチーはクセが強く、人によって好き嫌いが分かれますが、日本でも人気の高いハーブのひとつ。葉や茎の部分は炒めものなどに、種はカレーの香辛料などに使われています。

パクチーを育てる際に注意してほしいのは、葉や茎が柔らかく倒れてしまいやすいこと。室内で栽培するときは、大きくなるまで育てるよりも種をたくさん蒔いて小さなうちにお料理に使う方法がおすすめです。

おすすめの使用方法は、スープやフォー、春雨のサラダ。少量添えるだけで、香り高い風味が味わえますよ。

苗から育てるのがおすすめのハーブ

 

バジルやイタリアンパセリに比べて成長に時間がかかるローズマリーやレモンバーベナは、苗から育ててみるとよいでしょう。

ハーブを苗で購入した場合は、もともと植えられていたビニールポットから別の鉢へ植え替えましょう。鉢の底に底石(カットした発泡スチロールでもOK)を敷き、園芸培養土や肥料を入れたものを準備すれば大丈夫。はじめからしっかりとした鉢に植えられている場合は、そのまま育てることができます。

◎ローズマリー

スッキリとした強い香りを持つローズマリーは、乾燥を好むハーブ。花が咲き終わったローズマリーは、木質化(もくしつか)といって、葉や枝が硬くなってしまいます。

しかし、枝をカットして葉を数枚取った後、水に挿しておくと新しい根が出てきます。このとき、水は毎日取り替えてください。

ローズマリーは香りが強いので、料理に使う際は他のハーブよりも少なめにするのがポイントです。お肉を炒めるときはニンニクとローズマリーの枝をひとつ加えるだけで、肉の臭み消しだけでなく風味も良くなります。

また細かく刻んだローズマリーを混ぜたマヨネーズは、さわやかな清涼感が加わり、ポテトサラダやサンドイッチとよく合います。

◎レモンバーベナ

心地よいレモンの香りがするレモンバーベナは、外国でも人気が高いハーブ。ティーポットにレモンバーベナを入れ、沸騰したお湯を入れて蒸らせばハーブティーとして楽しむことができます。

また、このレモンの香りはハーブティー以外にも活用できます。たとえば、ホイル焼きや蒸し物などの香りを閉じ込める料理。さわやかな風味が加わることで、より味わい深くなるので、試してみてくださいね。

ハーブで調理のステップアップを目指そう!

 

ハーブは1種類ではなく、複数のものをブレンドすることで風味に奥行きが出ます。たとえば塩にフレッシュハーブを数種類ちぎって混ぜれば、香り豊かなフレッシュハーブ塩のできあがり!肉や魚のグリル、ポテトフライ、おにぎりなどさまざまなお料理に使えて便利ですが、フレッシュハーブ塩は傷みやすいため、都度使うだけの量をちぎって作りましょう。

使うだけで料理がワンランクアップするハーブを育てて、料理の幅を広げてみてはいかがでしょうか?

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