じゃがいもやお米、小麦粉など、一般的に常温で保存されている食材たち。それらの多くが、これからの季節、常温保存が適さないことをご存知ですか? 今回はそんな常温保存に注意したい食材6タイプと、それぞれの正しい保存方法を紹介。梅雨に入る前にチェックして保存場所を切り替えましょう。
常温注意① 野菜…じゃがいも、玉ねぎ
常温注意② 米、乾麺…米、そば・うどん・そうめんなどの乾麺
常温注意③ 粉類…小麦粉、片栗粉、乾燥パン粉、生パン粉
常温注意④ 調味料…醤油、味噌、マヨネーズ
常温注意⑤ 乾物…かつお節、のり、昆布
常温注意⑥ 乾燥スパイス…バジル・シナモン・オレガノなど
「気温20℃以上」が切り替えの目安
食材の多くは、気温や湿度が上がると傷みやすくなり、同時に「虫」の心配もでてきます。目安は気温20℃、湿度70%程度の梅雨入り前のあたり。室内にいても半袖で過ごすくらいの時季が切り替えの目安と考えましょう。
【常温注意な食材①】野菜
じゃがいも
気温上昇とともに発芽して、しわしわになりやすくなります。同時に腐敗の心配も。
【保存方法】紙袋とポリ袋に入れて野菜室へ
冷蔵庫の野菜室で2週間程度保存可能。じゃがいもは暑さだけでなく低温にも弱いので、紙袋に入れて口をしっかり閉じます。このとき、ペーパータオルを緩衝材代わりに使うと傷みにくくなるのでおすすめ。適度な湿度をキープするためポリ袋に入れ、口をゆるく結ぶのがポイントです。
玉ねぎ
温度が高いと根や芽が出てきます。また、湿気にも弱いため腐敗しやすくなります。
【保存方法】紙袋とポリ袋に入れて野菜室へ
冷蔵庫の野菜室で2週間程度保存可能。紙袋にまとめて入れて口をしっかりと閉じます。さらにポリ袋に入れ、口をゆるく結ぶことで、ほどよい湿度を保ちましょう。
【常温注意な食材②】米、乾麺
米
一度開封したお米はカビが生えやすくなります。また、20℃以上の環境で保存していると虫が発生しやすくなります。
【保存方法】小分けにして保存袋に入れ、野菜室へ
冷蔵庫の野菜室で2~3ヵ月程度保存可能。2~3合ずつ小分けにして保存袋に入れ、さらにひと回り大きい保存袋にまとめて入れて保存します。未開封の場合は、風通しのよい涼しい場所で保存しましょう。
そば・うどん・そうめんなどの乾麺
麺が水分を吸い、カビが生えやすくなります。また、20℃を超えると虫が発生しやすくなります。
【保存方法】袋ごと保存袋に入れて冷蔵室へ
冷蔵庫の冷蔵室で、未開封なら賞味期限を目安に、開封後は2~3ヵ月を目安に使い切りましょう。未開封の場合は、そのまま保存袋に入れて口を閉じます。開封後の場合は、開け口をラップでしっかり包んでから保存袋に入れて保存しましょう。
【常温注意な食材③】粉類
小麦粉
湿気が高くなるとダニなどの虫が発生しやすくなります。
【保存方法】袋ごと保存袋に入れて冷蔵室へ
冷蔵庫の冷蔵室で、未開封なら賞味期限を目安に、開封後は2ヵ月を目安に使い切りましょう。未開封、開封後ともに袋ごと保存袋に入れてぴったり口を閉じて保存しましょう。食材のにおいを吸収しやすいので、開封後はしっかり密封するのがコツ。使用時は冷蔵庫内と外との温度差で湿気ないよう、速やかに冷蔵室へ戻しましょう。
乾燥パン粉
湿気が高くなるとカビが発生しやすくなります。
【保存方法】袋ごと保存袋に入れて冷蔵室へ
冷蔵庫の冷蔵室で、未開封なら賞味期限を目安に、開封後は3ヵ月程度を目安に使い切りましょう。未開封、開封後ともに袋ごと保存袋に入れて保存します。小麦粉の場合と同様、食材のにおいを吸収しやすいので、開封後はしっかり密封。使用時は冷蔵庫内と外との温度差で湿気ないよう、速やかに冷蔵室へ戻しましょう。
■ 冷凍保存もおすすめ
未開封なら賞味期限を目安に、開封後は半年程度を目安に使い切りましょう。袋ごと冷凍用保存袋に入れて口を閉じて保存します。冷凍してもパラパラした状態なので、解凍不要ですぐに使えて便利。使用時は冷蔵庫内と外との温度差で湿気ないよう、速やかに冷凍室へ戻しましょう。
生パン粉
乾燥パン粉に比べて水分が多いため、保存期間は短めです。
【保存方法】袋ごと冷凍用保存袋に入れて冷凍室へ
冷凍庫で、未開封なら賞味期限を目安に、開封後は1ヵ月程度を目安に使い切りましょう。未開封、開封後ともに袋ごと冷凍用保存袋に入れて口を閉じて保存します。凍っても簡単にほぐれるため、使う分だけ袋から取り出すことができます。常温で3〜5分戻してから料理に使いましょう。
【常温注意な食材④】調味料
醤油
開栓した醤油は、気温・湿度が上がるとカビが繁殖しやすくなります。また、空気に触れることで酸化が進み、色が濃くなり風味も落ちます。たとえ未開栓でも、気温が上がると劣化することがあるため常温保存には適しません。
【保存方法】冷蔵室で立てて保存
冷蔵庫の冷蔵室で、未開栓なら賞味期限を目安に、開栓後は1ヵ月程度を目安に使い切りましょう。開栓後はしっかりふたを閉めること。横に倒して置くとこぼれる可能性があるので、冷蔵室のポケットに立てて入れるのがおすすめです。ペットボトル、瓶ともに保存方法は同じ。
味噌
20℃を超えると未開封でも変色して濃くなり、風味が落ちる原因となります。
【保存方法】ラップで覆い、ふたをしてチルド室へ
冷蔵庫のチルド室で、未開封なら賞味期限を目安に、開封後は半年~1年程度を目安に使い切りましょう。開封後は、味噌の表面を平らにならしてラップでぴったりと覆い、さらにふたをして保存します。酸化や乾燥を防ぐシートがある場合は、裏についた味噌を落としてから味噌の上にシートをのせ、さらにラップ、ふたをしましょう。
■ 冷凍保存もおすすめ
味噌は冷凍すると少しかたくなりますが、冷蔵時と同じようにすぐ使えます。
【納豆・油揚げ・豆腐・味噌】賞味期限を延ばす冷凍保存
マヨネーズ
開栓前は常温で保存されることの多いマヨネーズですが、暑い時期に常温に置いておくと、未開栓でも油が分離して変色する恐れがあります。
【保存方法】冷蔵庫のドアポケットへ
冷蔵庫の冷蔵室で、未開栓なら賞味期限を目安に、開栓後は1ヵ月程度を目安に使い切りましょう。開栓後はしっかりふたを閉めること。冷えすぎると油が分離することもあるので、比較的温度が高めのドアポケットでの保存がおすすめです。
【常温注意な食材⑤】乾物
かつお節
湿気やすく、酸化しやすい食材です。小分けにされた未開封のものでも、暑さで風味が劣化してしまいます。
【保存方法】袋ごと保存袋に入れて冷蔵室へ
冷蔵庫の冷蔵室で、未開封なら賞味期限を目安に、開封後は1ヵ月程度を目安に使い切りましょう。未開封、開封後ともに袋ごと保存袋に入れて口を閉じて保存します。食材のにおいを吸収しやすいので、開封後は特にしっかり密封すること。使用時は冷蔵庫内と外との温度差で湿気ないよう、速やかに冷蔵室へ戻しましょう。
■ 冷凍保存もおすすめ
冷凍庫で、未開封なら賞味期限を目安に、開封後は2~3カ月程度を目安に使い切りましょう。未開封、開封後ともに袋ごと冷凍用保存袋に入れて口を閉じて保存します。解凍いらずでそのまま使えるので便利です。使用時は冷凍庫内と外との温度差で湿気ないよう、速やかに冷凍室へ戻しましょう。
のり
湿度や温度により、味や風味が落ちやすくなります。
【保存方法】袋ごと保存袋に入れて冷蔵室へ
冷蔵庫の冷蔵室で、未開封なら賞味期限を目安に、開封後は1~2ヵ月程度を目安に使い切りましょう。未開封、開封後ともに袋ごと保存袋に入れて口を閉じます。乾燥剤があれば一緒に保存しましょう。使う時に湿気が気になる場合は、直火で表面をあぶったり、予熱したトースターで30秒ほど温めたりするとパリッとした食感になります。冷蔵室内と外との温度差で湿気ないよう、速やかに冷凍室へ戻しましょう。
■ 冷凍保存もおすすめ
冷凍庫で、未開封なら賞味期限を目安に、開封後は2~3ヵ月程度を目安に使い切りましょう。未開封、開封後ともに袋ごと冷凍用保存袋に入れ、乾燥剤があれば一緒に入れて、口を閉じて保存します。解凍いらずでそのまま使用可能。使用時は冷蔵室内と外との温度差で湿気ないよう、速やかに冷凍室へ戻しましょう。
昆布
湿度が高くなるとカビ(白い斑点)が生えやすくなります。
【保存方法】小分けにしてラップで包み、保存袋に入れて冷蔵室へ
冷蔵庫の冷蔵室で1年程度を目安に使い切りましょう。5cmほどの長さに切ってそれぞれラップで包み、まとめて保存袋に入れて口を閉じて保存します。長いままだとかさばるので、未開封の昆布も小分けにして冷蔵保存するとよいでしょう。
【常温注意な食材⑥】乾燥スパイス
バジル、シナモン、オレガノなど
開封後は香りが飛びやすい食材。光、熱、湿気によってさらに風味が落ちます。
【保存方法】袋や瓶ごと冷凍用保存袋に入れて冷凍室へ
冷凍庫で、未開封なら賞味期限を目安に、開封後は半年程度を目安に使い切りましょう。未開封、開封後ともに袋や瓶ごと冷凍用保存袋に入れて口を閉じて保存します。香りが強いものが多いので、しっかりと密封するのがポイント。こうすることで香りも乾燥状態も保つことができます。使用時は冷蔵室内と外との温度差で湿気ないよう、速やかに冷凍室へ戻しましょう。
むしろ冷蔵・冷凍はダメ! 常温保存すべき食材
砂糖、油は常温保存のままでOK。冷蔵や冷凍をしてしまうと固まったり、味が変わったりするので注意しましょう。