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全国で十数名しかいないお茶のプロ“茶師10段”監修!新茶をもっと美味しく飲むための淹れ方・選び方

  • 2017.05.16
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“夏も近づく八十八夜”と「茶摘」の歌にも登場する「八十八夜」は、「節分」や「土用」と同じ日本の雑節(ざっせつ)のひとつ。現在の暦で5月2日前後を指し、昔からこの時期に摘んだ新茶は栄養価の高いものとして珍重されてきました。

今回は5月に旬を迎えるこの“新茶”がテーマ。全国でも十数名しかいない「茶師10段」の資格を持つ、日本茶の専門店「しもきた茶苑大山」の大山泰成さんに、新茶の香りを引き立たせる淹れ方や美味しい新茶の選び方を聞きました。

※「茶師10段」とは、全国茶業連合青年団が主宰する「全国茶審査技術競技大会」でお茶を鑑識する技量を示す資格。

茶師直伝、新茶の「香り」を引き出す淹れ方

新茶とは、その年に初めて生産された柔らかい新芽だけを摘みとって作ったお茶のこと。豊かな香りが特徴で、より美味しく飲むためにはこの「香り」を引き出す淹れ方がポイントになります。

<淹れ方のポイント>
・香りを引き出すために、熱めのお湯を使って茶葉を浸す時間は短めに
適温は80℃くらいが目安。茶葉を浸す時間はおよそ30秒ほどに抑え、飲める温度になったらできるだけ冷めないうちに飲みましょう。

・渋みを抑えるために、沸騰したお湯は使わないこと
沸騰したお湯で淹れてしまうと苦味成分が溶け出し、渋みが強くなります。渋みはせっかくの香りを邪魔してしまうので注意しましょう。

キーワードは「味」と「香り」、茶師がおすすめする新茶の選び方

新茶を選ぶ決め手は「味」と「香り」。大きく分けて、味は「甘みが強いもの」と「渋みが強いもの」に、香りは「さわやかなもの」と「香ばしいもの」に分けることができます。

この「味」と「香り」を組み合わせながら、予算に合わせて好みの風味を選ぶのが美味しい新茶と出会うポイントです。

たとえば、主要なお茶の産地「静岡茶」「鹿児島茶」「京都茶」は、それぞれ以下のような特徴を持っています。

◎静岡茶:さわやかな香りとすっきりとした渋味
◎鹿児島茶:香ばしい香りと、しっかりとした甘みを持つ
◎京都茶:甘く深みのある香りと、おだやかな甘みが感じられる

新茶の季節は、生産量が少ない品種や、希少なお茶が販売されることも多く、さまざまなお茶を試す絶好の機会!特に新茶は産地によって風味に大きな違いが出るため、いろいろな銘柄を少量ずつ買って、全国各地の旬の風味を試してみてください♪

新茶と相性のよい食べ物とは

最後に、新茶の風味をより引き立たせる、新茶と相性のよい食材をご紹介しましょう。

◎釜炒り(かまいり)の新茶とフルーツ
日本茶は保存しやすくするために、蒸したり炒ったりと熱を加えて作られます。このうち釜で炒ったものを「釜炒り茶(かまいりちゃ)」と呼びます。釜炒り茶は、花や果実のような香りのものが多く、香りが似ているフルーツとよく合うのです。

なかでも、清涼感がある風味の柑橘類がおすすめ。釜炒り茶のおだやかな渋味は、柑橘類のさわやかな甘さを引き立ててくれます。カットしたオレンジやみかんと一緒に食べるのはもちろん、マーマレードジャムをつけたトーストと食べるのも美味しいのでおすすめです!

◎抹茶とチョコレート
食感や風味が似ている食材は各々の味の違いを引き立てることが多いのですが、抹茶とチョコレートも相性の良い組み合わせのひとつ。抹茶のとろりとした舌触りはチョコレートが口の中で溶ける舌触りと似ていますよね。

特に濃い抹茶の風味は、チョコレートのロースト香とよく馴染み、新茶の香りをより楽しむことができます。抹茶と一緒にチョコレートを食べてみてください。

〜番外編 大山さんおすすめの「新茶のおかゆ」〜
最後に、新茶を楽しめるとっておきのメニュー「新茶のおかゆ」をご紹介しましょう。

ぬるめのお湯でゆっくりと淹れたお茶は出汁のような旨味を持ち、新茶特有のさわやかな香りがお米の味を一層引き立たせてくれます。

<材料 2人分>
・お米 0.5合
・水(おかゆ用) 400ml
・水(お茶用) 100ml
・新茶 小さじ1
・醤油 小さじ2

<作り方>
① 水100mlを50℃程度に沸かし、急須を使ってお茶を淹れる(抽出時間は2分ほど)
② ①のお茶と残った茶殻をそれぞれ別の容器に移し、粗熱をとり、冷蔵庫で保管する
③ お米0.5合を洗って30分ほど水に浸した後、ザルで水を切る
④ ③を鍋に入れ、400mlの水を加えて吹きこぼれない程度の強火で17〜18分ほど炊く
⑤ 鍋の火を止め、②で冷やしたお茶と茶殻、醤油を加えて味付けする
⑥ ⑤をひと煮立ちさせて器に盛りつければ完成

<作り方のコツ>
・お茶を抽出するお湯を50℃程度にすること
⇒ ぬるめのお湯でゆっくりと抽出すると茶葉の旨み成分が溶け出しやすくなります。

・お茶はおかゆが完成してから入れること
⇒ お茶は煮込むと色が悪くなり、渋味も強くなってしまいます。鮮やかな緑色を楽しみ、美味しいおかゆを味わうためにも、入れる順番に注意をしましょう。
今回は、美味しい新茶の淹れ方や選び方、さらにお茶と相性のよい食材をご紹介しました。新茶は今だからこそ味わえる旬のもの。さまざまな食材とのマリアージュを楽しみながら、その風味を存分に味わってください。




プロフィール

大山泰成/しもきた茶苑大山 茶師
茶審査技術10段(茶師10段)取得のほかに、全国茶審査技術競技大会で優勝するなど数々の競技大会で入賞。しもきた茶苑大山を運営しながら、日本茶アドバイザー・日本茶インストラクターとしても活動している。

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