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冷めてからラップするのはNG!? プロが教える、冷凍ごはんのテクニック

  • 2018.03.13
  • 食の発見

冷めてからラップするのはNG!? プロが教える、冷凍ごはんのテクニック

普段ごはんを冷凍するとき、どんな方法で保存していますか?

「冷ましてからラップに包む」または「余った冷やごはんを冷凍している」という方、少なくないはずです。でも実は美味しさの面から言うと、これらの方法はNG! せっかく美味しく炊けたごはんも冷凍方法を間違うと、解凍後にパサついたり、かたくなったりする原因になるんです。

そこで今回は、冷凍ごはんを美味しくするテクニックを、食のプロに教えてもらいました。

間違った方法だと、ごはんが「老化」してしまう!?

お話を伺ったのは、月刊誌「栄養と料理」の前編集長であり「食生活ジャーナリストの会」幹事をつとめる食のプロ、監物南美さん。

「炊きたてのごはんの醍醐味は、やわらかくて、少し粘りのある食感にありますね。でも、炊いてから時間が経つにつれ、その美味しさはどんどん損なわれていきます(=老化する)。その状態で冷凍してしまうと、解凍後も炊きたての美味しさは取り戻せないのです」

ごはんは冷める過程で、どんどん「老化」する

ごはんが老化するしくみについてのイメージ

炊きたてのごはんがやわらかくて、ふっくらしているのは、生米の中のデンプンが水を吸って膨らみ、糊のような状態になるから。これをデンプンの糊化(=こか)、別の呼び方では(α化=あるふぁか)といいます。その後、ごはんは冷めるにつれどんどん水分が抜けていくため、パサパサになったり、かたくなったりしていきます。これをデンプンの老化(β化=べーたか)といいます。

ごはんは一度老化してしまうと、炊きたての美味しさを取り戻すことができません。そのため、ごはんを美味しく冷凍したいなら、ごはんが老化する前に凍らせ、ごはんに水分を残した状態をキープすることが大切なんです。つまり、炊き上がってすぐに急速に冷凍するのがベスト。冷凍庫に急速冷凍機能がある場合は活用するといいでしょう。 急速冷凍機能がない! という方でも大丈夫。おうちでトライしやすい冷凍のテクニックを監物さんに教えてもらいました。

冷凍ごはんを美味しくする、3つのテクニック

鉄則1 炊きたてアツアツを包み、水分を閉じ込める

炊きたてのごはんのイメージ

炊き上がったらできるだけ早く、「湯気ごと」ラップで包むことが大事。ごはんに含まれる水分は湯気となって蒸発していきますが、炊き上がりをすぐに包めば、蒸発しようとした水分をラップの内側に留めることができて、解凍後のごはんがふっくら、やわらかくなります。保存容器を使う場合も同様です。

「冷凍庫に入れるのは、冷凍ごはんの美味しさだけを考えると『すぐ』が望ましいですが、熱いまま入れると霜の原因となったり、冷凍庫内の温度が上がり、すでに入っている食材の劣化につながったりするため、粗熱を取ってからがいいでしょう」

もっと急速に冷凍させたい場合は、熱伝導率の高い金属製のバット(100円均一のショップなどで手軽に入手できます)にのせて冷凍するという手もあります。

鉄則2 包むのは少量ずつ。大きなかたまりでの保存はNG!

ごはんをラップで包んでいるイメージ

ごはんをラップに包むときは、ごはん茶碗1杯分(約150g)ずつの小分けにしましょう。美味しく炊けても、大きなかたまりで冷凍すると電子レンジで加熱したときの温まり方にムラが生じて美味しさが損なわれる原因になるんだそう。

「冷凍ごはんを電子レンジで再加熱すると、角の部分が先に温まり(100℃に達し)、次に中央が温まります。例えば冷凍ごはん150gの場合でその差が約10秒とすると、300gではその差が1分にもなったという実験結果もあります。中央と角の温度差があるほど角の部分は必要以上に加熱されてしまうので、150gくらいの方が美味しく再加熱できるんです」

包む際は、できるだけ急速に冷凍し、かつ解凍するときも均一に温まるよう、できるだけ平たく均一の厚さにするのもポイントです。

鉄則3 美味しく食べるなら、1ヵ月が目安

炊きたてごはんの入ったお茶碗のイメージ

保存の目安は約1ヵ月。意外に長く感じますが、監物さんによれば「1ヵ月くらいまでは水分量はほぼ保たれるようです」とのこと。

【ここも大事!】しっかり浸水させた米を炊飯すること

洗米のイメージ

ごはんを美味しく冷凍するための大前提として、炊飯前の米に「きちんと水分を含ませること」も大切、だと監物さん。

「炊きたてのごはんではさほど影響が出なくても、冷凍ごはんを再加熱すると美味しさに差が出るんです」

米に水をしっかりと吸わせてから炊き上げることで、冷凍・解凍後も、ふっくらと美味しいごはんに蘇ります。米を洗ったあとの浸水時間の目安は30~60分。夏は30分ほど、冬は60分ほど浸すと、中心部まで水が浸透します。


【参考文献】
柴田圭子ら、冷凍飯の食味におよぼす電子レンジの加熱条件の影響、日本調理科学会誌、43、87-97、2010
冷凍米飯の品質に及ぼす炊飯後の冷まし工程と冷凍保存条件の影響、日本調理科学会誌、50、264-271、2017

プロフィール

監物南美/「食生活ジャーナリストの会」幹事
健康をはぐくむ食を提案し続ける月刊誌として、今年で創刊83年を迎える月刊誌「栄養と料理」(女子栄養大学出版部)の編集を長年務め、現在は編集委員。食、栄養、健康についての情報を、プロの栄養士だけでなく一般の方にも伝わりやすいよう、情報を発信し続けている。

「栄養と料理」ホームページ:http://www.eiyo21.com/eiyo/eiyo.shtml

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