• TOP
  • 大人の食活
  • 実は冬こそ気をつけたい!”冬のにおい”を抑える食べ物の基礎知識
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

実は冬こそ気をつけたい!”冬のにおい”を抑える食べ物の基礎知識

  • 2017.02.28
  • 大人の食活

ご自宅で掃除や洗濯をしているとき、ご家族が使った服や枕カバーを「……くさい!」と思ったことはありませんか?

服や枕カバーから出るにおいの正体は体臭です。体臭といえば、一般的なイメージとして夏場に強くなる印象ですが、実は気をつけたいのが冬場の体臭。

汗をかきづらく、代謝が低くなる冬こそ体臭がきつくなる時期なのです!

今回のテーマは、体臭対策。ワキガ・体臭・多汗を専門とし、数多くの著書もある、五味クリニックの院長・五味常明さんに、体臭を抑えるためにおすすめの食習慣について、伺いました。

冬はにおい成分が濃くなる!?汗の量が少ないのに、体臭がきつくなる理由

なぜ冬にかく汗は、ほかの季節と比べてにおうのでしょうか。その問いを解くカギになるのは、「汗に含まれる、におい成分の濃さ」です。

私たちは汗腺(かんせん)から汗をかきますが、冬は気温が低くなるため、汗腺の機能が弱まり汗をかきづらくなります。

汗腺から出る汗の中には、体臭の原因成分が含まれています。その成分は、体内でたんぱく質が分解されることで生まれる「アンモニア」、主に腸内で生まれ、特有の糞臭がする「インドール」や「スカトール」、腐った卵に似たにおいの「硫化水素」など。

汗をかきづらい冬はこれらの体臭の原因成分が体内に蓄積されてしまいます。

そのため、汗をかくと体内に溜め込んだにおい成分が汗とともに一気に外に出てしまいます。冬にかく汗が臭うのは、これが原因なのです。

冬は汗をかきにくいため、におい対策をしなくてもいいと思われがち。しかし実は、汗の量が減る冬こそ汗に含まれるにおい成分の割合が多くなるため、においには気を遣うべきなのです。

原因別!体臭を和らげるために心がけたい食習慣とは

前の章では、冬に体臭がきつくなる原因について説明しました。ここまで読んで、「体臭を和らげる方法はないの?」と、心配になった方もいるでしょう。

体臭対策にはいくつか方法がありますが、実は食習慣を改善することで体臭を緩和することができます!ここからは、体臭を原因別に学んでいきましょう。

原因①:疲労臭

「肉ばかり食べていると、体臭がきつくなる」と聞いたことがありませんか?その原因は肉が動物性たんぱく質を多く含んでおり、腸で分解されたときに、体臭の原因になるアンモニア、インドール、スカトール、硫化水素が発生するからです。

普段は動物性たんぱく質を多く含む肉や魚を食べても、肝臓が体臭の原因になる物質を分解して体外に出ることを抑えています。

しかし、体臭の原因になる物質が多すぎたり、肝臓の機能が弱まっていたりすると、肝臓で分解できなくなることがあります。肝臓の機能が弱まっていることが原因となって発生する体臭が「疲労臭」です。

肝臓は、食べ過ぎやお酒の飲み過ぎ、運動不足や睡眠不足で弱ってしまうので、食べ過ぎ飲み過ぎなどの自覚があるときには肉や魚は食べすぎないようにしましょう。

とはいえ、たんぱく質は、からだをつくる上でも大事な栄養素。食べないのではなく、食べ過ぎに注意することが大切です。

体臭を抑えるために、肉や魚は少量に抑え、臭いの原因物質、アンモニア、インドール、硫化水素になりづらい植物性たんぱく質を豊富に含んだ豆腐や納豆、きな粉、ごまなどを上手に活用するとよいでしょう。

原因②:体の酸化

体臭の原因は汗腺だけではありません。私たちの体には皮脂線(ひしせん)と呼ばれるものがあり、体の表面を守るために皮脂が出ています。この皮脂は、酸化することで脂肪酸になって「加齢臭」の原因になったり、毛穴の中で細菌が繁殖する温床になってしまうもの。

呼吸で取り入れた酸素は、体の中の物質と結びつき活性酸素になります。この活性酸素が体に増えた状態が、「体の酸化」です。体は、飲酒・喫煙・睡眠不足などで酸化が進んでしまいます。体の酸化は下に挙げた栄養素を摂ることで抑えましょう。

ビタミンCは、熱で壊れやすく水溶性なので、加熱せずに生で食べるなどのほうが効率的に摂取できます!

ビタミンEは玄米のほか、アーモンドなどのナッツ類や、アボカドなどに豊富に含まれますが、過剰摂取すると血液の凝固作用を低下させ、血が固まりづらくなってしまうこともあるので、注意が必要です。

ポリフェノールはご紹介した食品のほか、緑茶や大豆加工製品に含まれています。緑茶やコーヒーは手軽に摂れるので、1日コップ2杯を目安に飲んでいきましょう。

これらが含まれた食べ物・飲み物を意識して食事をすると、皮脂からのにおいを和らげることができるでしょう。また、これらの栄養素には、においの原因物質を分解する「肝臓」の働きを整える効果もあるので、一石二鳥です。

原因③:悪玉菌

においの原因になるアンモニア、インドール、スカトール、硫化水素は、腸内に悪玉菌(あくだまきん)と呼ばれる菌が増えることによって多く発生してしまいます。

汗腺から出るにおいを抑えるには、腸内環境を整えることが大切。これを防ぐために、善玉菌(ぜんだまきん)と呼ばれる菌を腸内に増やすことを心がけましょう!

善玉菌を増やす栄養素と食べ物はこちら!これらの食べ物を取り入れることで、汗腺からのにおいを和らげることができます。

食物繊維は善玉菌のエサになり、上記の食材のほか、レタスや納豆、玄米などの穀物にも豊富に含まれています。お味噌汁にわかめを入れたり、主食を白米から玄米に変えたりすると、食物繊維を効率よく摂ることができます。

乳酸菌は善玉菌のひとつで、ヨーグルトや味噌だけでなく、キムチやぬか漬けなどにも豊富に含まれています。最近では乳酸菌が含まれたサプリメントなども出ていますので、それらを上手に活用してもよいでしょう。

オリゴ糖は腸内の善玉菌のエサになり、善玉菌を増やす作用があります。大豆やきな粉のほか、リンゴやゴボウ、タマネギなどにも含まれています。これらを意識的に食生活に取り入れることで腸内環境を整えましょう!

ほほえみごはんでは、サイエンスライターの長沼敬憲さんに腸内環境を整えるための食事についてインタビューを行い、「健康な体は『腸』からつくろう!サイエンスライター長沼敬憲さんに聞く。腸も体も元気になる食事のとり方」という記事を公開しています。腸内環境を整える方法は、こちらも併せて参考にしてください!

皆さんのご家庭でも、この章で紹介した食べ物をうまく取り入れて献立を組み立ててみましょう!

【番外編】ウォーキングや入浴。食生活以外にも手軽にできる、体臭を抑える習慣づくり

最後は番外編!

食生活以外にも、普段の生活習慣を変えることで、冬の体臭を改善させることができます。
たとえば、ウォーキングやスイミングなどの有酸素運動。汗腺の動きを高めることによって、冬でも汗をかきやすいように体を調整することができます。

入浴も効果的で、ゆったりと入浴することで汗がよく出て体内のにおい成分を排出できるほか、汗腺の働きも良くなります。

また、体が疲れたときに出る乳酸は、酸性の物質なので皮脂の臭いの原因になるそう。こちらも時間を取って入浴することによって、しっかりと排出することを心がけてみましょう。

最後は食事の方法。子どものころから「よく噛んで食べよう」と言われてきたと思いますが、この習慣は実は、におい対策にもなります。よく噛んで食べると消化が良くなりアンモニア、インドール、スカトール、硫化水素などが出づらくなるのです。

こうした日々のちょっとした心がけで、体臭は改善できるもの。ご自身やご家族の体臭で悩んでいる方は、ぜひ今回ご紹介した方法を試してみてください!


プロフィール

五味常明/医学博士
1949年、長野県生まれ。一ツ橋大学商学部、昭和大学医学部卒業。 五味クリニックの院長として、ワキガ・体臭・多汗治療を現場で従事。また、精神医学も専攻していることから患者の心のケアも考えての診療を心がけている。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック