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冷凍唐揚げNo.1『特から®
商品開発の技術力と情熱に迫る

冷凍唐揚げNo.1『特から®』
商品開発の技術力と情熱に迫る
冷凍唐揚げカテゴリー売上No.1(※)の『特から®』。独自の製法と味付けにこだわった特別なおいしさ、食べ応えのあるサイズ、ボリュームパックと、3つの“トク”で幅広いお客様に親しまれ愛されています。現状の品質に満足することなく、さらなるおいしさを追求し続けている商品開発の取り組みを、商品開発部の福田将大氏が紹介します。

※ インテージSRI+冷凍調理からあげ市場 (2018年6月~2023年5月)累計販売金額

おいしい冷凍唐揚げを追い求めて
お店のリサーチや試作を通じて徹底的に研究

『特から®』が誕生したのは、2017年のこと。当時、冷凍食品はまだお弁当での利用が中心でしたが、その利便性やおいしさが幅広い層に注目されるようになったタイミングでした。「みんなが大好きな唐揚げを、もっと手軽に楽しんでいただきたい。そして、家庭の食卓におかずとして堂々と並べられる品質の良い冷凍唐揚げをお届けしたい」。そのような思いのもと開発した『特から®』は、発売直後から大ヒット商品に。今では専用ラインで生産するほど多くのお客様にご利用いただき、ニチレイフーズを代表する商品の一つとなりました。

商品開発部では、プロジェクト立ち上げ時から現在に至るまで、おいしい冷凍唐揚げを追い求めてあらゆる観点で開発に取り組んでいます。

例えば「ジューシー感」ひとつとっても、科学機器や先端技術などを用いた肉汁の成分分析や、噛んだ時の食感や弾力の分析、試食しておいしさを科学的に解析する官能評価など多角的な研究を研究開発部と連携して実施。手作りの唐揚げと『特から®』のデータを比較しながら「どうすれば揚げたてのジューシー感に近づけるのか」を日々模索しています。

自分たちが作った唐揚げだけでなく、世の中で作られているおいしい唐揚げからヒントを得ることもあります。人気店や話題のお店の唐揚げを調査することはもちろん、初めて行ったお店で唐揚げがあればとりあえず注文するほど、唐揚げに対するアンテナを張り巡らせています。

そして何よりも、『特から®』をご利用いただいているお客様の声を聞くことを大切にしています。マーケティング部が実施している顧客満足度調査(※)の結果をもとに、何を変えるべきなのか、そして何を変えてはいけないのかを検討しています。これまでにも品質改良を重ねてきた『特から®』ですが、多くのお客様に愛されている商品だからこそ、常にお客様のニーズや思いに寄り添った商品開発を心がけています。

※ 毎年実施している自社調査より

「じゅわ旨っ。®︎」製法を独自開発し、
おいしさの黄金比にたどり着く

『特から®』のおいしさを支えている技術の一つが、ニチレイフーズが独自開発した「じゅわ旨っ。®」製法です。

開発当時、商品開発部のメンバーはありとあらゆる唐揚げを研究し、消費者アンケートも実施しました。その結果、「ジューシー感」と「適度な食感」、「味付け」の3点で唐揚げの“おいしさ”を判断していると導き出したのです。

特に「ジューシー感」については、二つのアプローチで検討を進めました。一つが、ジューシーさそのものを上げる工夫です。工場で商品を加熱する時にはしっかりと肉汁を保持し、お客様がレンジ調理後、噛んだ時にじゅわっと肉汁があふれでる設計を行いました。

二つ目のアプローチが、唐揚げの大きさです。当時、冷凍唐揚げは20~25gサイズが主流でしたが、専門店の唐揚げは40g以上のものが多く、それがジューシー感や食感に大きく影響していました。そこで、2g刻みで18~50gの唐揚げを作り、それに合わせて味付けや揚げ時間、温度などを何度も変えながら検討していきました。結果、食卓おかずと弁当利用を包括できる「32g」という答えに辿り着きました。

これが、揚げたてのおいしさを再現する、『特から®』の「じゅわ旨っ。®︎」製法です。

実験装置を用いて、唐揚げの食感や弾力を測定する
実験装置を用いて、唐揚げの食感や弾力を測定する

さらなるジューシー感を追求。
“特”別な思いを胸に挑戦は続く

独自技術の「じゅわ旨っ。®︎」製法は2019年に改良を行い、さらなるジューシー感を実現しています。ほかにも、発売当初は「二度揚げ」だった製法を、翌年には「三度揚げ」製法にリニューアル。揚げる回数を増やし、じっくり加熱することでジューシー感をアップさせています。これは製造工程を細かく見直す中で、新たに見つけた改善ポイントでした。「三度揚げ」製法は生産ライン化の実績がないため、誰もやったことがないチャレンジになりましたが、装置開発グループや工場のスタッフたちの尽力のおかげで実現することができました。

「なぜ、売れている商品なのに改良するの?」と聞かれることがあります。確かに、『特から®︎』はおかげさまで多くのお客様にご愛用いただき、もしかすると何も変えなくてもそのまま売れ続けるかもしれません。しかし、「今の『特から®︎』が冷凍唐揚げの完成形なのか?」と問われると、まだまだ進化できる余地があると思っています。

私たちが目指すのは、揚げたてのジューシーな唐揚げのおいしさを冷凍食品で再現すること。その領域に辿り着くまでにはいくつもの大きな壁がありますが、商品開発のメンバーだけでなく、装置開発や工場のメンバーと力を合わせて、一歩ずつ着実に乗り越えていきたいと考えています。

『特から®︎』は、食生活の多様化や共働き、個食などが増える今、お客様の食卓にもっと貢献できる可能性を秘めています。これからも世の中のニーズを捉えながら、商品に反映していくことで、お客様にとって欠かせない存在になれるように取り組んでいきます。

担当者の紹介

福田 将大
福田 将大
ニチレイフーズ 食品総合研究所 商品開発部
2021年入社。海外工場で生産するチキン加工品の商品開発に携わる。『特から®︎』をはじめとする家庭用商品をメインに担当。好きな商品は『今川焼(あずきあん)』。

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