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【子どもの肥満解消レシピ】ダイエットに向けた食事療法

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我が子がすくすくと育つ姿を見ると嬉しくなります。しかし、なかにはお子さんの体重が増えすぎて、心配になっている方も多いのではないでしょうか?

最近では太りすぎが原因で、生活習慣病になるお子さんもいます。大人と同様に、子どもも太りすぎは健康によくありません。

そこで、メタボリックシンドロームの研究を行う管理栄養士の平井千里(ひらいちさと)さんに、子どもの肥満のリスクや、肥満を確かめる方法、そして肥満を解消するための食習慣まで、子どもが肥満になってしまった時、健康的にダイエットを成功させるためにはどうすればいいか、お話をお聞きしました。

肥満で起こる3つのリスク

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まず最初に知っておきたいのが肥満で起こるリスク。太りすぎはよくないと聞きますが、それはなぜでしょう?

1. 生活習慣病の原因になる
私たちの体は、基礎代謝といって、じっとしているだけでもエネルギーを消費しています。しかし基礎代謝を超えるカロリーは体に脂肪として蓄えられます。

1日に最低限必要なカロリーは決まっていますが、これを超える量の食事をとったり、運動をせず消費カロリーが少ない状態が続くと、体には徐々に脂肪が蓄えられ、溜まった脂肪が原因で狭心症や心筋梗塞、糖尿病など「成人病」と呼ばれる生活習慣病になる可能性が高まってしまいます。

2. 大人になってから、健康を損ねてしまう
日常的に食べ過ぎる習慣がつくと体に脂肪が蓄えられやすくなり、運動しない習慣がつくと蓄えた脂肪は消費されづらくなることは先ほどご説明しましたが、一度身についた習慣は、大人になってからは変えることが難しいものです。

肥満は「毎日栄養バランスのとれた食事をとる」「毎日規則的に体を動かす」「早寝早起きの習慣をつける」などの生活習慣を身につけることで防げるので、小さい頃から繰り返し身につけさせてあげましょう。これらの習慣はお子さんが大人になった時に、健康に過ごすために役立つはずです。

3. 自信がつかないなどのメンタル的な影響も
肥満は健康的なリスクのほかに、運動が苦手になり自分に自信が付きづらくなるなど、メンタル面に影響を与える可能性があります。

病気を未然に防ぎ、心も体も健やかに育つためには健康的な生活習慣を身につけることが大切です。幼少期は「健康によい生活習慣」を覚える時期。お子さんが大人になった後でも、健やかに過ごせるよう、できることから教えてあげましょう。

うちの子って大丈夫?肥満を知るための計算式

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お子さんが見た目ではなく、医学的に肥満かどうかを判断するためには、「ローレル指数」という計算式を使います。

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この式を計算して出てきた数字を、以下の表と照らし合わせてみましょう。

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もしお子さんが「太りぎみ」「太りすぎ」に該当していたら注意信号。次の章でご紹介する子どものダイエットを成功させる方法を試してみましょう。

健康的に子どもダイエットを成功させる3つの食習慣

子どもの肥満が気になっても、無理にダイエットを行うのはやめましょう。子どもは体が成長している途中。その時期に過剰なダイエットを行ってしまうと、発育が止まってしまったり、体調を崩してしまうことがあります。

そこで、子どもが健やかに成長しながら、体重をコントロールできる食習慣をお伝えします。

1. 食べる時間は規則的に

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食事の時間は朝が7〜8時、昼が12〜13時、夜が19〜20時が標準だと言われています。食事の時間がこの時間からずれてしまうと、お腹がすく時間もずれ、太りやすい「夜10時以降」や「寝る前」に食事をすることも増えてしまいます。食事の時間はできるだけ規則的にしてあげましょう。

2. 食事のバランスを見直す
肥満の多くは、食事のバランスが乱れていることが原因で起こります。バランスのよい食事をとるために使いやすいのは、農林水産省が発表している「食事バランスガイド」です。

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出典:農林水産省「食事バランスガイド」厚生労働省・農林水産省決定

食事バランスガイドは、上から
・主食(ごはん、パン、麺):ごはん中盛りで4杯程度
・副菜(野菜、きのこ、いも、海藻):野菜料理を小鉢で5皿程度
・主菜(肉、魚、卵、大豆製品):肉、魚、卵、大豆料理から3皿程度
・牛乳、乳製品:牛乳なら1本程度
・果物:みかんならば2個程度
(目安の量は全て「1日分」です)

これらの5つの項目は、上にいくにつれて必要な量が多くなります。主菜(肉、魚、卵、大豆製品)が多くなりすぎたり、主食だけ多くなって副菜や主菜がとれていないと、お子さんの成長が妨げられたり、肥満の原因になってしまいます。

子どもは胃が小さいため、図を目安に、おやつも含めてこれらの食材をとるとよいでしょう。

3. 食べる量を見直す

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バランスよく食べていても、食事の量が多すぎると肥満の原因になってしまいます。適切な量の目安としてわかりやすいのが、私たちも子どもの頃に食べていた「給食」です。

給食は、主食、主菜、副菜がバランスよく揃っていて、ひとりずつお皿に盛り付けられているので、量がわかりやすいのもポイント。

ご家庭で食べる時も大皿で出すのではなく、一人分ずつ取り分けてあげると、お子さんが食べている量もわかりやすく、食べる量を管理しやすくなります。

子どものダイエットは、発育を妨げないために大人と違って少々気を使います。しかし、肥満を防ぐために身につけた習慣は、大人になっても健やかに生活していく助けになるはずです。

今回ご紹介した3つの習慣を、「意外にシンプルでやりやすい」と感じた方もいるのでは?ちょっとしたことだからこそ、今日から試せるはず!できるところから、ひとつずつお子さんに教えてあげましょう。

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