餃子は自宅で冷凍することが多いメニューですが、「いまいち美味しくできない」「冷凍するとくっついてしまう」「うまく焼けない」という声も。
そんなお悩みを解消すべく、食材の冷凍に詳しい料理研究家の岩﨑啓子先生に、冷凍に向く餃子のレシピや保存方法、焼き方までを徹底解説してもらいました!
餃子の冷凍を成功させる、3つの秘策
餃子どうしがくっついたり、皮が破れたりする原因になるのが具の水分の多さです。水分を少なめに仕上げることに加え、水分が皮の外に染み出しにくい工夫をすることが大切。そのための秘策が次の3つです。
秘策① 皮は厚めのものを選ぶ
普通の皮でも冷凍できますが、厚めタイプを選ぶと具の水分が染み出しにくくなります。「いつも冷凍餃子がパリッと焼けない」と感じている人は皮を変えてみて。
秘策② 野菜少なめ、挽き肉多めに
水分が出やすい野菜を減らすことで、水分で皮がふやけて冷凍時にくっつくことを防ぎます。肉を多くすることでほどよいジューシーさに。
秘策③ 具の仕上げに片栗粉を加える
片栗粉が野菜の水分を閉じこめるので、水分が皮に染み出しにくくなります。
【餃子レシピ】冷凍にも向く決定版!
上記の3つの秘策を使ったレシピ。生のまま焼いてももちろん美味しいので、倍量をまとめて作って半分はすぐに食べ、残り半分は冷凍するという手もアリ。
材料(50個分)
A
- ごま油…大さじ1と1/2
- 片栗粉…小さじ4
作り方
1 白菜をさっとゆでて切り、ニラ、長ねぎも切る
白菜は幅15cm程度に切ってさっとゆで、ザルに上げる。冷めたら5mm角程度のみじん切りにし、水気をしっかり絞る。ニラは5mm幅に切り、長ねぎはみじん切りにする。
2 肉に調味料を加え混ぜる
ボウルに豚挽き肉とAを入れ、全体をよく混ぜ合わせる。
3 白菜を加え混ぜ、ニラと長ねぎも加え混ぜる
4 片栗粉とごま油を加えて混ぜる
5 餃子の皮でタネを包む
餃子の皮の周囲に指先で水を塗り、4の具を小さなヘラなどで押さえつけるようにのせる。ひだを寄せながら包み、残りも同様に包む。
※包むのが面倒&苦手な人におすすめの「簡単な包み方」はこちら
【餃子の冷凍方法】バットで凍らせてから保存容器へ
餃子を冷凍するときは、中の水分が皮に染み出さないうちに冷凍するのがコツ。バラバラに冷凍しておけば、使いたい個数を取り出せて便利です。冷凍用保存袋でも保存できますが、餃子同士がぶつかって皮が欠けてしまうことがあるので、保存容器がベスト。
【冷凍方法】
1 バットにラップを敷き、餃子をくっつかないように並べる。ラップをかけて冷凍する。
2 一晩ほど置いて、しっかり凍ったら冷凍用保存容器に移す。冷凍庫で2週間程度保存可能。
【冷凍餃子の焼き方】中火で10分蒸し焼き
冷凍餃子は焼く前に解凍するとふやけてしまうので、凍ったまま焼きます。冷凍餃子と生餃子の焼き方の違いは、蒸し焼きする時間。冷凍は中火で「10分」、生は「5〜6分」です。さらに、冷凍でも生でも共通の3つのコツを押えてパリッと焼き上げましょう。
- 冷たいフライパンに餃子を並べてから火をつける
- 焼き目はつけずに、湯を入れて蒸し焼きにする
- 水分を飛ばしてからごま油を回し入れて、焼き目をつける
【焼き方】
1 冷たいままのフライパンに薄くサラダ油をひき、冷凍餃子を並べる。
2 強火にかけてすぐに餃子の高さの1/4強まで湯を入れ、ふたをする。沸騰したら中火にし、10分蒸し焼きにする。
3 ふたを外し、水が残っていたら中火のまま水分を飛ばす。ごま油小さじ1と1/2くらいをフライパンの鍋肌から回し入れ、餃子の底面がキツネ色になるまで焼く。
4 焼き目が見えるように皿に盛り付ける。
【豆知識】ひとつのひだでOK! 簡単な包み方
餃子作りで手間取るのは、上手にひだを寄せて包むところ。でも実は、ひだがなくても、皮の周囲に水をつけてしっかり圧着すれば、焼いている最中に開いてしまうことはありません。ただし、そのまま半月状にくっつけただけだと焼くときに底面が安定しないので、ひだを真ん中にひとつ作りましょう。ひだ作りが苦手な方やお子さんでも作りやすく、まとめて大量に作るときにもおすすめです。