【肉の冷凍】賞味期限は大丈夫? 安全で美味しい保存テクニック

2018.6.26
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冷凍鶏もも肉、冷凍挽き肉、冷凍薄切り肉の写真

まとめ買いして冷凍することの多い肉。冷凍・解凍は日常的にしているけれど、あまり美味しくないのはなぜ? 賞味期限ってどれくらい? など、疑問を持つことありませんか? 今回は、美味しく冷凍・解凍するコツから、賞味期限の目安、保存容器まで、気になる疑問に丸ごとお答え! 料理のプロが実践しているリアルに使えるテクニックや、冷凍におすすめの肉3種類とその保存方法までご紹介します。肉の「基本の冷凍方法」についても記事末尾で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

Q1 買ってきた「パック」のまま冷凍してもいい?

A ドリップが出ている可能性が高いので、パックのままはNG!

ドリップが出ている肉の写真

ドリップとは、肉の内部から出てくる赤い血のような液体。肉から染み出た水分、たんぱく質、うま味成分が含まれていて臭みの原因になるため、冷凍前に取り除く必要があります。購入時にはドリップが出ていなくても、持ち帰る間の温度変化で出てしまう場合も。また、肉が入っているパックは冷凍時に断熱材の代わりになって温度が伝わりにくくなり、冷凍に時間がかかる原因にもなるため、パックのまま冷凍するのはおすすめしません。肉の下に敷かれていることの多い「ドリップ吸収シート」もそのまま冷凍すると不衛生。シートを取り除き、肉についたドリップはキッチンペーパーで拭き取ってから冷凍を。購入時にすでにドリップが多く出ている肉は、冷凍・解凍後のものの可能性があります。解凍後の肉の再冷凍は美味しさの点からも、衛生面でも避けることをおすすめします。

Q2 「賞味期限」の目安は? 2カ月? 半年?

A 1カ月以内が目安。挽き肉は2週間以内がおすすめ

冷凍用密封保存袋に日付を書き込んでいる写真

家庭で冷凍する肉の冷凍保存期間は1カ月程度が目安。ただし、空気に触れる部分が多い挽き肉は、2週間が目安です。長く冷凍すると肉の酸化や乾燥の原因にもなるため、「なるべく早く使い切る」のが大切。また、冷凍庫を開けると庫内の温度が上昇するので、開ける頻度によって保存期間は変わってきます。冷凍した日を袋に書き込んでおくと、使い忘れを防げます。

Q3 「賞味期限」を延ばすコツってあるの?

A 新鮮な肉を、清潔な状態で素早く冷凍することが大事

冷凍挽き肉を菜箸で取り出している写真

肉の美味しさをキープして安全に冷凍するためには、鮮度の良い肉を選び、買ってきたその日のうちに早めに冷凍することが大事。購入はしたものの使うタイミングがなく、「賞味期限が近づいてきたから冷凍する」ということは避けましょう。保存の際は雑菌が極力入らないよう、手をよく洗い、清潔な菜箸やまな板を使って作業します。冷凍するときに、なるべく急速に冷凍することも大切です(急速冷凍の方法については、こちらで解説)。

Q4 「ラップ」と「保存袋」、どちらを使うのが正解?

A 冷凍用の密閉保存袋が◎。小分けにするなら、ラップに包んでから保存袋へ

ラップに包んだ肉を袋に入れている写真

肉の冷凍で重要なのは「密封」すること。そのため、密閉できる保存袋に入れるのがおすすめです。ラップに包んだだけだと冷凍庫内ではがれやすく、空気に触れて酸化したり、霜がついたり、ほかの食品の臭いが移ってしまうことも。また、製品によっては空気を通してしまう可能性もあります。小分けにしたい場合はラップで包み、さらに冷凍用密封保存袋に入れて冷凍しましょう。

Q5 「保存容器」で保存してもいいの?

A 冷凍の大敵・空気が入ってしまうのでNG

密封保存容器の写真

容器に肉を入れたときに余分なスペースができると、肉が空気に触れることになるのでおすすめしません。空気は肉の冷凍時に酸化と乾燥の原因になります。密封できる冷凍用密封保存袋に入れ、空気を抜いてから冷凍しましょう。

Q6 「冷凍用」の保存袋って、冷蔵用と何が違うの?

A 冷凍用は低い温度に耐え、電子レンジ解凍にも使えます

密封保存袋の写真

冷凍用と冷蔵用の違いは2つ。1つめは、冷凍庫の冷たい温度に耐えられるかどうか。冷凍用の保存袋のパッケージには耐冷温度(-30℃)と明記されているものが多く、冷蔵用は明記されていないものが多いです。また、冷凍用の保存袋は低い温度に耐えられるように約0.07㎜と厚めですが、冷蔵用は0.045㎜程度のものが多いです。違いの2つめは、電子レンジで「解凍」できるかどうか。冷凍用の保存袋は電子レンジ解凍できますが、冷蔵用はできないことが多いです。料理の温めなど電子レンジでの「加熱」は両方ともできません。冷凍で使えるタイプの保存袋は、パッケージに「冷凍用」や「フリーザーパック」と書いてあります。

Q7 肉を冷凍するとき、冷凍庫のどこに入れるといい?

A 急速冷凍室がベスト。なければ、金属製のトレイを使って

金属トレーに肉をのせている写真

肉の美味しさをキープしたいなら、急速に冷凍することが大事。そのため、冷蔵庫の「急速冷凍室」に入れるのが最適です。急冷機能がない場合は、アルミやステンレスなど金属製のトレイの上に冷凍保存袋に入れた肉をのせて冷凍庫に入れるといいでしょう。金属は熱の伝導率が高いため、冷凍室の冷気が食材に伝わりやすくなり、冷凍にかかる時間が短くなります。

Q8 「冷凍保存向きの肉」って、どんな肉?

A 使う頻度が高い、「豚薄切り肉」「鶏もも肉」「豚挽き肉」がおすすめ

この3つはいずれも、家庭料理で使用頻度が高めのもの。挽き肉は比較的劣化しやすいなどの特性もありますが、家庭での肉の冷凍は「早めに使い切ること」が大事。それを考慮すると、「よく使うもの」を選ぶのがおすすめです。

料理家がおすすめの肉3種類について、冷凍方法もご紹介します。冷凍1袋分の肉の分量は、1食で2人分程度の使い切り量。もっと少量を使いたい場合は、袋に入った状態で折るようにして必要な量だけ分けてから取り出します。

【冷凍保存のおすすめ1】豚薄切り肉

豚薄切り肉の冷凍写真

たれを絡めて焼いたり、野菜と合わせて煮たり、衣をつけて揚げたりと、料理への活用度が高い「豚薄切り肉」は冷凍しておくと便利。ロース、肩ロース、豚バラなど、部位はお好みでOK。160~200gの豚薄切り肉を薄く広げて、Mサイズの冷凍用密封保存袋に入れて冷凍します。冷凍庫で1カ月程度保存可能。

【冷凍保存のおすすめ2】鶏もも肉

鶏もも肉の冷凍写真

程よく脂がある鶏もも肉も、唐揚げ、蒸し鶏など調理のバリエーションが広いので冷凍しておくと便利。鶏もも肉1枚を2等分に切り、厚みが均等になるように包丁で開いてからMサイズの冷凍用密封保存袋に入れて冷凍します。冷凍庫で1カ月程度保存可能。

【冷凍保存のおすすめ3】豚挽き肉

豚挽き肉の冷凍写真

ぎょうざやハンバーグなどに欠かせない豚挽き肉も使用頻度が高いので冷凍しておくと便利。200gの豚挽き肉を Mサイズの冷凍用密封保存袋に薄くなるように入れ、菜箸を押しつけて4分割の線を入れておくと、線の部分で折って使いたい分だけ取り出しやすくなります。冷凍庫で2週間程度保存可能。

Q9 これって「冷凍焼け」してる? 見極め方は?

A くすんだ暗い色になり、表面が乾燥していたら冷凍焼けです

冷凍庫内で平らに肉を入れた写真

冷凍焼けは、食材を長い間冷凍保存した際などに起こる現象。密封せずに冷凍したり、冷凍→解凍→再冷凍を繰り返したりすることでも、冷凍焼けが生じる場合があります。食べられないことはありませんが味は確実に落ちるため、冷凍焼けしないよう密閉保存し、早めに食べきるのがおすすめです。

Q10 冷凍した肉を美味しく「解凍」する方法を教えて

A おすすめは「流水解凍」。失敗しにくく、肉のうま味が損なわれにくい

肉の美味しさをキープしながら、家庭でも実践しやすいおすすめの解凍方法は2つ。1つめは「流水解凍」。肉が入った保存袋を流水に当てて解凍します。2つめは「冷蔵庫解凍」冷凍肉を冷蔵庫に移動して解凍します。電子レンジの解凍機能を活用する「電子レンジ解凍」は、加熱ムラが起きやすく、上手に解凍するコツをつかむまでは意外に失敗しがち。冷凍庫から出して常温で解凍する「常温解凍」は、解凍していることを忘れて放置してしまうと、雑菌が繁殖しやすい状態に長時間さらされることになるため、あまりおすすめしません。

Q11 「半解凍」がうまくできない。コツってあるの?

A 流水解凍すると、半解凍状態にしやすい

冷凍庫内で平らに肉を入れた写真

肉を半解凍の状態にするには、凍った肉を保存袋ごと流水に当てながら解凍する流水解凍がおすすめです。半解凍とは、中心は凍っているけれど、周囲は溶けている状態のこと。包丁が入りやすいので、肉を切るときには半解凍状態だと作業しやすいです。

Q12 解凍して使い切れなかった肉は、もう一度冷凍してもいい?

A 再冷凍はNG。加熱調理して早めに食べきって

一度解凍した肉は、冷蔵庫で保存するのも、再度冷凍庫に入れるのもNG。家庭用の冷凍庫は業務用のものに比べて温度が高いため、再冷凍は避けたほうがいいです。また、冷凍焼けの原因にもなるうえ、衛生的にもおすすめできません。解凍後は調理して肉の中心部まで火を入れ、その日のうちに使い切るようにしましょう。

Q13 最近人気の「下味冷凍」って、どこが便利なの?

A 味付け済みなのですぐに調理でき、肉の美味しさもアップ!

味つけ冷凍肉の集合写真

「下味冷凍」は、生の肉や魚などの素材に調味料で下味をつけ、保存袋などに入れて冷凍する保存テクニック。時短になる、味が染み込んで美味しくなるといったメリットから、おかずの作り置きと並んで人気が高まっています。電子レンジ解凍せず、凍ったまま調理に使える方法もあるので、ぜひ一度お試しください。

■肉の下味冷凍の詳しい方法はこちら
作り置きより簡単!? 肉の「下味冷凍」レシピ。そのままゆでる・焼く・煮るだけでOK

Q14 鮮度をキープしたいなら、「氷水解凍」がいいってホント?

A 本当です。ただし手間がかかるので、肉なら冷蔵庫解凍か流水解凍がおすすめ

冷凍庫内で平らに肉を入れた写真

氷水解凍とは、氷水に食材を浸し、随時氷を足して冷たさをキープしながら時間をかけて解凍する方法。解凍時の温度が上がらないので、食材が劣化しにくくドリップを抑えることができるため、刺身など鮮度が大事な食材の解凍によく使われる方法です。ただ、肉は刺身のように生で食べることはないため、氷水解凍よりも手間がかからない冷蔵庫解凍、または流水解凍の方が実践しやすくおすすめです。

【基本の方法】知っておくと便利! 肉の冷凍3ステップ

肉の美味しさをキープするために大事なのは「酸化を防ぐこと」と「急速冷凍すること」。それらをおさえた3ステップを紹介します。

1 肉についたドリップをふき取る

肉についたドリップをとっている写真

ドリップがついたまま冷凍すると、霜や臭みの原因となるので、キッチンペーパーでしっかりふき取りましょう。

2 冷凍用密封保存袋に肉を入れ、空気を抜きながら密封し、できるだけ薄くする

鶏もも肉を密封している写真

テーブルの上など平らな場所に置き、手で袋の上から押しながら空気を抜いて密封します。できるだけ薄くすることで早く冷凍することにつながります。空気が残ったまま冷凍すると酸化の原因になるためしっかり抜いて。

3 冷凍庫内は「平ら」にして冷凍する

冷凍庫内で平らに肉を入れた写真

あれば急速冷凍機能を使って、なければ熱伝導のよい金属製のトレイにのせて、平らな状態で冷凍室に入れます。

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