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【ゆり根の食べ方】レシピ・選び方・下処理・冷凍保存をプロが解説!

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お正月料理などで見かけるゆり根の食べ方・冷凍保存・レシピについて、料理研究家の吉田瑞子先生に教えてもらいました。下処理が難しそうなイメージですが、実は洗って可食部分をはがしていくだけ。定番人気レシピの茶碗蒸しやきんとんの他に、さっと炒めるだけの簡単レシピもご紹介します。

【ゆり根の選び方】ハリがあり、身が締まっているものを選んで

ザルに入れたゆり根の写真

ゆり根は、コオニユリやヤマユリなどの球根部分。主な産地は北海道で、12月から2月が旬です。やさしい甘みと花びらのような見た目で、お正月料理や京料理によく使われます。購入するときは、色が白くてハリがあり、全体的に身が締まっているものを選びましょう。紫がかった部分は苦い場合があるので注意。

【ゆり根の下処理と食べ方】鱗片を順にはがすだけ。加熱の具合で食感が変化!

下処理は、汚れを取り、鱗片(重なり合っている多肉化した葉)をはがすだけ。加熱の具合で食感が変わるので、煮たり炒めたりとさまざまな調理で異なる味わいを楽しみましょう。

【下処理方法】

1 水洗いし、おがくずや汚れを取る。

ゆり根を洗う写真

ゆり根はおがくずで包まれた状態で売られていることが多いので、まずは水で洗う。ボウルの中で洗うと汚れを取りやすい。最後にまた水洗いするので、すき間の汚れは無理に取らないでよい。

2 鱗片を外側から1枚ずつはがす。

左・鱗片をはがす写真/右・ゆり根の根元の写真

外側の鱗片はゴツゴツして不揃いだが、内側と同様に食べられる。根元が見えてきたら、写真右の赤い点線部分を包丁で切り離し、最後まで鱗片をはがしていく。

3 茶色い部分を包丁で削り、再度水洗いする。

茶色い部分を削る写真

外側の鱗片は茶色くなっている部分があるので、料理の見栄えをよくするため、包丁で取り除く。最後にすべての鱗片を水洗いして、内側などに残った汚れを取り除く。

【食べ方】

ゆり根は、さっと火を通すとシャキッとした食感に、じっくり火を通すとホクホクの食感に仕上がる。内側の鱗片は白く形も良いので茶碗蒸しに、外側の鱗片は裏ごししてきんとんなどに使うとよい。

下処理をしたゆり根の冷凍保存方法はこちら!

【ゆり根レシピ①】茶碗蒸し

ゆり根を入れた関西風の茶碗蒸し。やさしい甘みのホクホクとした味わいが絶品です。

ゆり根茶碗蒸しの写真

材料(2人分)

A

  • …1個
  • だし汁…150ml
  • 塩…小さじ1/4
  • みりん…小さじ1
作り方
  1. 鶏もも肉は1.5cm角に切り、みつばは菜箸で葉の部分をつかみ、茎のみをさっと湯にくぐらせ、2本ずつ結ぶ。Aは合わせておく。
  2. 茶碗蒸しの容器に、等分に❶の鶏もも肉と、かまぼこ・しめじ・ゆり根を入れ、Aを注ぎ入れる。
  3. 湯気の立った蒸し器に❷を入れ、中火で3分、とろ火にして7分蒸す。竹串を刺して卵液が付いてこなければできあがり。仕上げに❶の三つ葉を添える。

【ゆり根レシピ②】ベーコン炒め

さっと炒めたゆり根の独特の、シャキシャキ食感が美味しい一品。ベーコンの塩気がゆり根の甘みを引き立てます。

ゆり根ベーコン炒めの写真

材料(2人分)
  • ゆり根(大)…1個分(正味約150g)※下処理済みのもの
  • ベーコン(1cm角の棒状タイプ)…60g
  • にんにく…1かけ
  • オリーブオイル…大さじ1
  • 塩・粗挽き黒こしょう…各少々
作り方
  1. ゆり根は大きい鱗片を2〜3等分に切って、大きさを揃える。にんにくは薄切りにする。
  2. フライパンにオリーブオイルを中火で熱し、にんにく・ベーコンを入れて炒め、焦げ目がついたらゆり根を加えて炒め合わせ、塩・粗挽き黒こしょうで調味する。

【ゆり根の保存】下処理&下ゆでしてから冷凍が正解

ゆり根は乾燥や湿気に弱く、常温や冷蔵での保存は手間がかかるため、冷凍保存がおすすめ。下ゆでしたものを凍らせるだけで長く保存できます。ここでは、鱗片の状態と裏ごしした状態、2つの冷凍方法を紹介します。

【冷凍方法①鱗片のまま】

左・鱗片をゆでる写真/右・鱗片を保存袋に入れバットにのせた写真

ゆり根大1個(正味約150g)は下処理し、大きい鱗片は2〜3等分に切って大きさを揃える。沸騰した湯800mlにゆり根と塩小さじ1/2を入れ、再沸騰後1分ほどでザルにあげて冷ます。キッチンペーパーで水気を拭き、2等分してラップになるべく平らになるように広げて包み、冷凍用保存袋(Mサイズ)に入れて空気を抜いて口を閉じ、金属製のバットにのせて急速冷凍する。冷凍で1ヵ月程度保存可能。

【解凍方法】

凍ったまま加熱調理する。電子レンジで解凍すると、水分が飛んで品質が劣化しやすいのでおすすめしない。

【冷凍方法②裏ごししてから】

左・ゆり根を裏ごしする写真/右・ゆり根の裏ごしを保存袋に入れバットにのせた写真

ゆり根大1個(正味約150g)は下処理をする。沸騰した湯800mlにゆり根と塩小さじ1/2を入れ、再沸騰後3分ほどでザルにあげる。キッチンペーパーで水気を拭き、熱いうちにザルで裏ごしし、しっかり冷ます。冷凍用保存袋(Sサイズ)に入れ、平らにならす。空気を抜いて口を閉じ、金属製のバットにのせて急速冷凍する。冷凍で1ヵ月程度保存可能。

POINT

ゆり根はやわらかいので、ザルで簡単につぶせる。小分けにする場合は、保存袋の上から菜箸で折り目を付けておく。

【解凍方法】

耐熱容器に入れてふんわりとラップをし、1袋分(約120g※)につき電子レンジ(500w)で50秒加熱する。小分けで使う場合は、1/2袋分(約60g)につき電子レンジ(500w)で30秒加熱する。裏ごししたものは細胞が破壊されているので、電子レンジで解凍しても劣化しにくい。

※ゆり根は裏ごしすると、ザルに付いた分が減るため、正味約150g→約120gになる。

【裏ワザ】冷凍ゆり根なら「きんとん」も簡単♪

裏ごしした冷凍ゆり根は、ほかの材料と混ぜたり、調味したりするだけで簡単に食卓の一品に変身。マヨネーズ・塩・こしょうで和えればポテサラ風にも。お正月のきんとんも簡単に作れます。

・おせちの定番「ゆり根きんとん」の作り方
冷凍ゆり根の裏ごし約120gは、電子レンジ(500w)で50秒加熱してから小鍋に入れ、みりん・砂糖各大さじ2、塩少量を加え、弱火にかけてぽってりするまで練る。

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