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最新鋭のニチレイフーズ新工場を編集部が見学レポート!

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新工場のバーチャルシアターなど最新設備の写真

2023年4月、ニチレイフーズはグループ会社である株式会社キューレイ(福岡県宗像市)の敷地内に、米飯専用工場(第3工場)を新設しました。新工場には最新技術を用いたわくわくするコンテンツがあると聞き、「ほほえみごはん®」読者にお届けするべく、編集部が特別に工場見学することに! 普段は体験できないユニークなコンテンツをレポートするとともに、最新鋭の設備やシステム、地域貢献活動の取り組みをご紹介します。

『本格炒め炒飯®』の気分が味わえる? 新工場ならではの特別体験

新工場でメインに作られているのは、ニチレイフーズの人気商品『本格炒め炒飯®』。その『本格炒め炒飯®』にまつわるユニークなコンテンツからまずは見学スタート。新工場に入ってすぐに出迎えてくれたのは、150cm大の「イタメくん®」。ついつい記念写真を撮りたくなるかわいらしさです。

「イタメくん(R)」のフォトスポットの写真

『本格炒め炒飯®』応援キャラクター・「イタメくん®」の人形がお出迎え

次に現れたのは、長い通路。その壁一面に『本格炒め炒飯®』の写真が! ダイナミックな写真に圧倒されます。

『本格炒め炒飯(R)』のダイナミックな写真

壁一面の『本格炒め炒飯®』がインパクト大!

その先には、さらに長い通路が続き……長さ約70mの真っ白な壁の前に案内されると、なんとプロジェクションマッピングで、洗米、蒸米、炒め、凍結、検査、包装など、『本格炒め炒飯®』の各工程が映像とともに流れを追って映し出されます!

見学通路のプロジェクションマッピングの写真

投影されたグラフィックに触れると、製造工程の映像が流れる

次に案内されたのは、バーチャルシアター。この部屋では4台のプロジェクターを使って、正面・左右の壁に『本格炒め炒飯®』の製造工程が映写されます。迫力ある映像で、見ているうちに自分が『本格炒め炒飯®』のお米になって調理されているような不思議な感覚に。

バーチャルシアターの写真

『本格炒め炒飯®』のお米になったような気分が味わえるバーチャルシアター

炒飯が包装されてレーンで運ばれていく終盤のシーンでは、パッケージがリズミカルに動き、楽しそうに出荷されていくユーモラスな演出も。

バーチャルシアターの写真

レーンの上を踊るように運ばれていく『本格炒め炒飯®』。どこかに隠れている「イタメくん®」を見つけられたらラッキー

約5分の上映があっという間に感じられてしまうほど、お米の視点でじっくりと、『本格炒め炒飯®』の世界を楽しむことができました。

プロジェクションマッピングやバーチャルシアターは、新工場独自のコンテンツです。壮大なスケールのコンテンツを作るに至った思いやこだわりを、キューレイの代表取締役社長の平賀忠之さんに伺いました。

キューレイの平賀さん
キューレイ・平賀さん

実際に『本格炒め炒飯®』の製造工程を見ていただく以上に、商品への理解を深めてもらい、記憶に残る工場にしたいと考えた結果が、プロジェクションマッピングやバーチャルシアターでした。私たちもその出来に驚いています。半年間という短い制作期間で大変なこともありましたが、苦労した甲斐がありましたね。

環境にやさしい新工場の実態とは? 最新鋭の設備を調査

新工場で注目されるのは、バーチャルシアターやプロジェクションマッピングだけではありません。より環境に配慮した最新の設備が導入されています。

CO2フリー電気の活用でCO2の排出量を削減

新工場の屋根には太陽光パネルが設置され、工場内で使用する電力の2~3%を太陽光発電で賄っています。また、残りはCO2を出さない電力を使用し、CO2排出量の削減を推進。

太陽光発電の写真

新工場の屋根に設置された太陽光パネル

食品を冷凍する冷凍機については、温暖化係数の高いフロンではなく、自然界に存在するCO2やアンモニアを冷媒として使用する自然冷媒冷凍機を採用しています。

直火とIHのハイブリッド加熱で、おいしさそのまま省エネに

そして新工場では、直火とIHのハイブリッドで加熱する独自製法を実践。鉄鍋をガスで加熱する直火の場合、直火ならではのおいしさが実現する一方、熱が逃げやすく熱効率が悪くなるという特性があります。この工程の一部を、電気で加熱するIHにすることで、直火のおいしさとIHのエネルギー効率のよさの両方を叶え、従来比でCO2排出率を50%削減することに成功しました。

直火加熱の写真

ごはんと卵を炒める工程は、鉄鍋を使い直火加熱で行われる

キューレイの平賀さん
キューレイ・平賀さん

この独自製法では、「おいしさを維持したまま環境にやさしく」を目指しました。直火は鉄鍋の中で温度のムラが出るという特徴があり、全体を高熱で加熱するとこげが発生しやすい状態になります。そこを直火とIHのハイブリッド加熱にすることで、こげの発生を減らすことができ、結果的にフードロス削減にもつながっています。

AIロボットが「こげ」をピンポイントで吸い取る

炒める工程でどうしても発生してしまう「こげ」。それを除去する作業を、以前は人の目と手で行っていましたが、ここにAIとロボットを連動させた技術を新たに導入しました。こげを感知すると、ロボットのアームがのびてピンポイントでこげを吸い取ります。人の手で取る場合、こげ以外の部分まで取ってしまい、それがフードロスになっていましたが、AIのこげ除去を取り入れ、廃棄量を従来比の半分になることを目指しています。

AIでこげを除去している写真

AIとロボットを連動させ、こげをピンポイントで吸い取れる

約200台のカメラからの情報を「コックピット」で一元管理

工場内には防犯も含め約200台の安全カメラを配置し、各機械にはセンサーを設置。そこから送られてくる情報を一元管理できるように導入したのが、「コックピット」です。画面を通して稼働状況を確認できるのはもちろん、機械でエラーが発生した場合、それをコックピットで感知して、インカムで現場の担当者に情報伝達することができるため、より安定的に生産することができます。

コックピットの写真

工場内のカメラ画像と、生産指標の管理などのデータを複数モニターで見える化

コックピットの写真

現場のセンサーから「卵のタンクに補充が必要」などの情報が入る

コックピットの果たす役割について、工場長の前田保男さんに伺いました。

キューレイの前田さん
キューレイ・前田さん

工場内はとても広く、常に現場を見られるわけではないので、1カ所で巡視できるコックピットは頼りになる存在です。トラブルの早期発見・早期対応ができるので、フードロス削減にもつながっています。

地元の親子を招いて「夏の課外授業」を実施。地域貢献活動も展開

工場の新設をきっかけに開催したのが、宗像市に住む親子を対象にした「夏の課外授業」。バーチャルシアターの鑑賞や、プロジェクションマッピングでの『本格炒め炒飯®』の製造工程の見学、冷凍食品クイズ、試食会など盛りだくさんの内容で、2日間で12組(30名)の親子を招待して行われました。

「夏の課外授業」のバーチャルシアターでの実際の写真

3面の壁いっぱいに映し出される大迫力の映像を楽しそうに鑑賞する子どもたち

「夏の課外授業」のプロジェクションマッピングでの実際の写真

『本格炒め炒飯®』の製造工程をプロジェクションマッピングで見ることができ、とってもわかりやすい! と大好評

キューレイの平賀さん
キューレイ・平賀さん

宗像市では職業体験や食育など、子どもたちの教育に力を入れているので、我々の新工場を活用してもらうことに。とても好評だったので、できれば毎年行いたいですね。これからも、できるだけ地域貢献していきたいと考えています。

実際に参加したお子さんたちの感想を、一部ご紹介します。
「最新の工場を見学できたり、いろいろな話を聞けたり、貴重な体験ができました」
「知っていたものから知らなかったものまで、冷凍食品についてよく知れて楽しかった」
「炒飯のこげを機械で取っているのがすごいと思った」

また、親御さんたちからはこんな意見も。
「バーチャルシアターの映像がすごく凝っていて、子どもたちがわくわくした表情で見ている様子に感動しました」
「いつもよく食べている『本格炒め炒飯®』がどのように作られているのかが知れて、興味深かったです」
「まるでアミューズメントパークみたいで、子どもたちにもわかりやすくてとてもよかったです!」

最後に、新工場についての思いやこれからの抱負について、平賀さんにお話を伺いました。

キューレイの平賀さん
キューレイ・平賀さん

最新鋭の設備を導入した新工場は、「未来の生産がどうあるべきか」の実験棟のような役割を持っていると思っています。持続可能な生産体制をこの工場で実験しながら発信していくということはニチレイフーズの工場のフラッグシップですし、ここは未来を描く工場なんです。ようやくそのベースができたところなので、これからが本当に楽しみですね。
未来に向けて前進していく、地域に貢献できるというのもあるし、冷凍食品業界としても最新鋭なので、業界全体にも影響を与えられるんじゃないかなと。

最新鋭の設備とわくわく体験が詰まったニチレイフーズの新工場。その先には、持続可能な未来に向けた希望が詰まっていました。ニチレイフーズは、これからも環境に配慮した商品作りや地域貢献活動に取り組んでいきます。

※「夏の課外授業」は招待制のイベントです。工場見学の一般募集は現在行っておりません。

【番外編:『今川焼』の工場も見学!】大事なポイントは人の目でチェック

新工場で作られているのは『本格炒め炒飯®』ですが、既存の第1工場で作られているのは『今川焼』『たいやき』『カニ玉』など「手作り感・出来たて感」をモットーとした焼型(やきがた)で焼く商品たち。そのうちのひとつの『今川焼(カスタードクリーム)』を作る現場を見学しました。

手をしっかり洗浄・消毒し、髪の毛が落ちないよう帽子をかぶり、マスクも装着。専用の服に身を包み、長靴に履き替えたらスタートです。

今川焼の見学をしている様子

不織布の専用服や帽子に身を包み、徹底した衛生管理のもと見学がスタート

焼型に次々と流し込まれる生地と工場で作られたカスタードクリーム。カスタードクリームは、材料の配合やその日の気温などで仕上がりに変化が生じるため、機械に任せず、かならず人の目でクリームの粘度を確認する必要があります。最適な状態になっているかどうかを見極める、熟練の経験が欠かせません。

『今川焼』の製造工程の写真

片側では生地だけ、もう片側では生地+カスタードクリームを焼きあげ、一つに合体させたら今川焼の完成

焼きあがった今川焼は、形などをチェックするのはもちろん、深部まできちんと規定の温度以上に温まっているかを確認します。ここでも機械ではなく、人の手を使い、今川焼に専用の温度計を差し込み、温度を測定。

焼きあがった今川焼の写真

焼きあがった今川焼は焼型から取り外され、レーンで次々と運ばれていく

焼きあがった今川焼をチェックしている写真

形に不備がないかどうか人の目で細かくチェック

今川焼の温度を測っている写真

中までしっかり規定の温度以上になっているかも人の手でチェック

その後-40℃のフリーザーで凍結したものを、X線チェックや重量チェックにかけて最終確認。クリアしたものを包装、梱包して保管庫へ。そこで出荷を待ちます。

今川焼(クリーム)の写真

※写真はイメージ

別室に移動し、見学したばかりの今川焼を試食させてもらいました。実際に今川焼を作っている現場の方のおすすめの食べ方は「自然解凍」とのプチ情報も仕入れて、なんだか得した気分に。作られている裏側を知ってから食べる今川焼は、いつもより一段とおいしく感じられます。

みなさんも、今後店頭でニチレイ『今川焼』を目にしたら、商品が作られる工程のことを思い出してみてくださいね。

※株式会社キューレイ(福岡県宗像市)の第1工場・第3工場ともに工場見学の一般募集は行っておりません。

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