デリケートなマンゴーの保存方法を野菜ソムリエプロの根本早苗先生がレクチャー。完熟前なら常温、完熟なら冷蔵といったマンゴーの状態に合わせた最適な保存方法を解説します。さらに長期保存におすすめの冷凍方法や完熟前・完熟の見極め方、記事末ではおもてなしにも使えるきれいなむき方も紹介します。
保存前にマンゴーの状態を見極めよう
まずはマンゴーが完熟しているか確認! 完熟前のものは食べごろになるまで追熟が必要なので常温保存、完熟しているものは追熟が進まないよう冷蔵保存します。
完熟前の状態
- 軽く押すとかたさを感じる
- 表面がブルーム(白い粉状のもの)で覆われている
- 香りが弱い
完熟した状態
- 軽く押すと凹むくらいのやわらかさがある
- 表面のブルームが見られなくなり、全体にツヤが出てくる
- 表面を触ると少しベタつく
- 香りが強い

完熟したマンゴーの表面。全体的にツヤが出ている。
【マンゴーの常温保存】完熟前は直射日光や冷暖房を避けて常温保存
キッチンペーパー(あれば新聞紙)に包んだ上からフルーツキャップ(購入時についているもの)をかける。さらにポリ袋に入れて、直射日光と冷暖房の風が当たらない室内に保存。収穫日から約1週間で完熟する。完熟を確認したら冷蔵庫へ。
POINT
フルーツキャップがない場合は、キッチンペーパーを畳んで緩衝材代わりにし、その上にマンゴーを置くとよい。ポリ袋は乾燥防止のため。
【マンゴーの冷蔵保存】必ず完熟してから!乾燥を防いで野菜室へ(保存期間:約5日)
1 キッチンペーパーで包み、全体を湿らせる。
乾いたキッチンペーパーで包んでから、濡らした手で全体に水をつける。
2 ポリ袋に入れて野菜室へ
フルーツキャップや緩衝材などで包み、ポリ袋に入れる。袋の口を軽く縛り野菜室へ(冷蔵で約5日間保存可能)。
【マンゴーの冷凍保存】ラップに包み冷凍用保存袋に入れ冷凍(保存期間:約1ヵ月)
マンゴーは食べやすい大きさにカットしてから冷凍保存もできる。ラップに包み、冷凍用保存袋に入れて金属製のバットにのせ急速冷凍(冷凍で約1ヵ月保存可能)。詳しいマンゴーのむき方、切り方はコチラ。
POINT
ラップに包む際はマンゴーの切断面同士をぴったりと密着させ、空気に触れる面をできるだけ少なくするのがポイント。
解凍方法・食べ方
冷蔵庫に移し1時間半程度で半解凍の状態になる。シャリシャリとしたシャーベット食感で、美味しいデザートに。
ジュースもおすすめ!
完全に解凍してしまうと、果肉の食感が悪くなる。その場合は、ミキサーにかけてマンゴージュースにしたり、バニラアイスと合わせてマンゴーシェイクにしたりするのもおすすめ。
【マンゴーの格子カット】おもてなしにぴったり!
格子状にカットする切り方です。初心者でも簡単にできるコツを先生に教えてもらいました。
1 中心の種を避けて、縦の方向へ3枚にカットする
ヘタを手前にし、中央にある種を避けるように3分の1ずつ3枚にカットする。
POINT
マンゴーの種は平たい形をしている(写真参照)。楕円形の「縦」の状態で、両サイドを切り落とすイメージ。
2 種のない両端は、皮を残して果肉に格子状の切れ目を入れる
3枚にカットしたうち種の入っていない両端の部分は、皮を下にして手のひらにのせ、皮を切らないようにナイフで縦横に3~4本程度等間隔に切れ目を入れる。
3 両端を持ち、皮の裏から指で押し出す
皮を破かないように注意しながら、マンゴーの両端を持ち皮面の中心を両手の指先で押す。このまま皿などに盛り付け、食べるときはフォークなどで1切れずつ皮から外す。
種のある中央部分にも果肉はたっぷり!
果肉と皮の間にナイフを入れ、手で軽く引っ張りながら皮をむく。さらに種の輪郭にそってナイフを入れ、果肉を削ぐように切るとよい