さらっと食べやすくてランチにもぴったりのざるそばを、お弁当で美味しく食べるための調理テクニックを紹介します。麺がのびにくいゆで方や、食べやすく詰める工夫、そばつゆを冷たく持ち運ぶアイデアを料理研究家の吉田瑞子先生に教えてもらいました。前もってゆでるときの注意点や、ゆでたそばの冷凍・解凍方法も解説します。
【ゆで方のコツ】
➡氷水でしっかり締めればのびにくい
➡サラダ油を絡めればくっつきにくい
【詰め方のコツ】
➡ひと口分にまとめれば食べやすい
➡薬味は容器を分けて風味や食感をキープ
➡めんつゆは「半冷凍」にすればランチでベストな状態に
【ゆでたそばの保存】
➡前日に作り置きしたら冷蔵庫へ
➡ゆでたそばは冷凍保存できる
のびにくい! くっつきにくい! ゆで方のコツ
そばを水洗いした後に氷水でしっかりと締めると麺がのびにくくなります。また、サラダ油を絡めると油が麺をコーティングして、麺がくっつきにくくなります。
※ゆで麺はお弁当にしても比較的くっつきませんが、乾麺、生麺、冷凍麺はくっついてしまう場合があります。ただし、サラダ油の効果で、そばつゆにつければすぐにほぐれるので、くっついてしまっても問題ありません。
【ゆで方のコツ1】氷水でしっかり締めればのびにくい
そばを表示通りの時間ゆで、ざるにあげて流水でもみ洗いし、ぬめりを取る。最後にボウルに入れた氷水につけてよく冷やし、ざるにあげて水気をよくきる。
どうして氷水で締めるの?
氷水で低温にすることで、表面が引き締まり麺がのびにくくなります。また、水気をよく切ることで麺が時間とともに吸ってしまう水分の量も減ります。ざるにあげたら、そばの上から手で押すようにしてしっかりと水気をきりましょう。
【ゆで方のコツ2】サラダ油を絡めるとくっつきにくい
氷水で締めて水気をきったそばに、1人分(乾麺時100g)あたりサラダ油小さじ1をかけ、まんべんなくそばの表面に絡める。
どうして油を絡めるといいの?
サラダ油の油分がそばをコーティングして、時間が経ってもそば同士がくっつきにくくなります。また、多少くっついてしまった場合にも、油の効果でそばつゆにつけるだけでほぐれやすくなります。
食べやすい詰め方のコツ
ひと口分にまとめて詰めると、麺全体が絡まらずに食べやすくなります。また、薬味にもなる大葉を仕切りに使えば、時間が経ってもまとめた麺同士がくっつくのを防げます。
※もしくっついてしまってもひと口分ずつ取り出せるので、そばつゆに浸すだけで簡単にほぐして食べられます。
【詰め方のコツ1】ひと口分にまとめれば食べやすい
サラダ油を絡めた麺をひと口分とり、箸などでクルクル巻いてまとめる。弁当箱に詰めるときは大葉などを使って仕切りをすると、まとめた麺同士がくっつきにくく、箸で取りやすい。また、ひと口分ずつにまとめておけば、もし麺がくっついてしまっても、ひとかたまりごとそばつゆに浸せばすぐにほぐれる。
【詰め方のコツ2】薬味は容器を分けて風味や食感をキープ
薬味は個別にラップで包むことで、香りや味が移ってしまったり、湿ってしまったりするのを防ぐ。とろろや大根おろしなど水気のある食材は、密閉性のある小さめの保存容器に個別に入れる。
ざるそば弁当におすすめの薬味・トッピング
長ねぎ、わさび、刻みのり、大葉、とろろ、大根おろし、みょうが、梅干し、ごまなど。長ねぎや大葉は洗った後、キッチンペーパーなどで水気をしっかり取ってから切る。
【詰め方のコツ3】そばつゆは「半冷凍」にすればランチでベストな状態に
1人分を密閉式の冷凍用保存容器や小さめのペットボトルに入れ、冷凍庫で1時間程度冷やし「半冷凍」の状態にする。お弁当を食べる約4時間後には、自然解凍されて程よく溶けた冷たい状態で食べられる。
POINT
そば猪口のようにそのまま使える密閉容器が便利。また、保冷・保温性の高いスープジャーがある場合は、少し濃く作ったそばつゆと氷を入れていくと冷たいまま食べられる。
ゆでたそばの保存方法
ざるそば弁当を前日に作り置きする場合は、冷蔵庫で保存します。朝ゆでて詰めるよりも麺がのびやすいので早めに食べましょう。また、ゆでたそばは冷凍しておくこともできます。ただし、自然解凍はNG。必ず電子レンジまたは湯通しで加熱解凍してから冷水で冷やして食べます。
前日に作り置きしたら冷蔵庫へ
前日の夜にゆでる場合は、ゆで方のコツ・詰め方のコツの通りに調理して弁当箱に詰め、ふたをしっかりと密閉し冷蔵庫へ。翌朝は通常の弁当と同様に持っていき、昼までには食べきるようにする。
余ったそばは冷凍もできる!
【冷凍方法】
ゆでてから氷水にさらし水気をよくきったそばを、1人分ずつ冷凍用保存袋に入れ、金属製のバットにのせて急速冷凍(冷凍で約3週間保存可能)。
【解凍方法】
自然解凍は不可。必ず電子レンジで加熱解凍(500Wの電子レンジで1人分あたり約2分30秒)するか熱湯で麺がほぐれるまで湯通ししてから、冷水にとって水気をよくきり、ざるそばやかけそばとして食べる。