シャキシャキした食感と独特な風味が特徴のせり。数少ない日本原産の野菜のひとつで、春の七草にも数えられます。今回は、せりの下処理からゆで方、おすすめレシピ、冷凍保存方法までを野菜ソムリエの根本早苗先生が解説します。
【せりの下処理】丁寧に洗えば、根まで食べられる
【せりのゆで方】ゆで時間は短めに
【せり鍋レシピ】根まで美味しい!
【せりのおひたしレシピ】白だしで上品な味わいに
【せりと豚肉の炒め物レシピ】ごはんが進む!
【せりの保存】ゆでてから冷凍で長持ち
【せりの下処理】丁寧に洗えば、根まで食べられる
せりは根を使うかどうかで下処理が異なります。せり鍋などに根を使いたい場合は、丁寧に汚れを落としてから調理しましょう。おひたしや炒め物など根を使用しない料理の場合は、根元を切り落とすだけでOK。
1 ボウルに水を張り、根を洗う
せりを流水で洗いながら、細く茶色い根を取りのぞく。水を張ったボウルにせりの根を浸し、竹串などを使って根と根の間の汚れを地道にかき出す。
〈POINT〉
根を掃除するのは手間のかかる作業なので、時間がない場合は、根元を切り落とし、茎と葉だけを使うといい。
2 水を入れ替え、茎、葉を洗う
汚れた水を捨て、ボウルに新しい水を張り、せり全体を水に浸し、ふり洗いする。
3 根を切り分ける
せりは根元を切り落とし、茎・葉と根を分けて使用する。
〈POINT〉
せりの根は、生のまま鍋に入れるほか、きんぴらや天ぷらなどに調理すると美味しい。
根にスポンジが付いている場合は、切り落として
水耕栽培のせりだと、根にスポンジが付いているものも。この場合、根は食べられないので、根元を切り落としてから洗い、茎と葉だけを料理に使う。
【せりのゆで方】ゆで時間は短めに
せりはシャキシャキとした食感が美味しいので、ゆですぎには注意。まずは茎を約5秒、続いて全体を約5秒ゆでるだけで鍋から取り出します。
1 茎を5秒ほどゆでる
鍋にたっぷりの湯を沸かし、湯に対して1%の重量の塩(湯1ℓに対して10gが目安)を入れる。せりを立てて鍋に入れ、まずは茎を5秒ほどゆでる。
2 葉も浸してさらに5秒ほどゆでる
全体を浸してさらに5秒ほどゆでる。
3 すぐに冷水にとり、水気を絞る
料理が水っぽくならないよう水気はしっかり絞る。
【せり鍋レシピ】根まで美味しい!
〈材料(2人分)〉
A
- 水…600ml
- 酒…100ml
- 醤油…大さじ2
- みりん…大さじ1
- 塩…小さじ1/4
〈作り方〉
- せりは根が付いたまま6cm長さに切る。
- 鶏肉はひと口大に切る。長ねぎは1cm幅の斜め切りにする。ごぼうはささがきにする。舞茸は食べやすい大きさに手で裂く。
- 鍋にAを入れ、中火にかける。煮立ったら❷を加えて煮る。
- 肉に火が通ったら❶を加え、さっと煮る。
【せりのおひたしレシピ】白だしで上品な味わいに
〈材料(2人分)〉
- せり(ゆでたもの)…50g
- 白だし…小さじ1
- 醤油…少々
- 削り節…適量
〈作り方〉
- せりは根元を切り落とし、4cm長さに切る。
※色が悪くなるが、根も使用可能。根を使用する場合は、根だけで20秒ほど熱湯でゆで、2cm長さに切ってから使う。 - ボウルに❶を入れ、白だし・醤油を加えて和える。器に盛り、削り節をふる。
【せりと豚肉の炒め物レシピ】ごはんが進む!
〈材料(2人分)〉
A
- オイスターソース…小さじ1
- 醤油…小さじ1
- 顆粒鶏がらスープの素…小さじ1/2
〈作り方〉
- せりは根元を切り落とし、4cm長さに切る。豚肉は5cm長さに切る。
※色が悪くなるが、根も使用可能。根を使用する場合は、根だけで20秒ほど熱湯でゆで、2cm長さに切ってから使う。 - フライパンにごま油・にんにくを入れ、弱火で炒める。香りが立ったら豚肉を加え、中火で炒める。
- 肉の色が変わったらAを加えてさっと炒め、せりを加えて30秒ほど炒める。
【せりの保存】ゆでてから冷凍で長持ち
シャキシャキした食感や風味が特徴のせりは、なるべく早めに食べきるのがおすすめ。どうしても使いきれないときは、冷凍保存すると長持ちします。ただし、食感が変わりやすいので、ポイントをおさえて保存を。
【冷凍方法】
1 ゆでたせりの葉・茎は1〜2cm長さに切る
ゆでたせりの葉と茎は水気をしっかり絞り、1〜2cm長さに切る。
〈POINT〉
せりは冷凍すると水分が抜けて繊維が気になる場合も。あらかじめ短く切ってから冷凍するといい。根を冷凍する場合は、熱湯で20秒ほどゆでておくと、食感が変わりにくい。
2 ラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍する
一度に使用する分ずつラップで包み、冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて袋の口を閉じ、冷凍する。1ヵ月程度保存可能。
〈POINT〉
根は用途が限られるため、根だけでラップで包み、冷凍するといい。
【解凍方法/使い方】
冷蔵庫で25gにつき3時間ほど解凍してから和え物や汁物の彩りとして使う。根は凍ったまま鍋などに入れて加熱調理する。