イカのさばき方を写真付きで詳しく、わかりやすく解説。イカの刺身の切り方や、さばいたイカの冷凍保存方法も紹介します。料理研究家の吉田瑞子先生に教えてもらいました。
イカの部位の呼び方を知ろう
まずはイカの部位の名称を確認しましょう。胴の中にはワタ(内臓)と軟骨が入っています。また、ゲソ(足)の付け根の中心部には、トンビ(くちばし)があります。
【イカのさばき方】初心者でも簡単な下処理方法
一見難しそうに思える下処理ですが、実は初心者でも難しくはありません。慣れれば2〜3分ほどで処理できるでしょう。
〈さばき方〉
1 胴とワタを離す
胴の中に親指を入れる。中心に1本ある軟骨に親指を沿わせて、胴とワタを少しずつはがす。
2 胴からワタを抜く
軟骨が全部離れたら、片方の手で胴を、もう片方でゲソを握る。ワタが破れないように丁寧にゆっくりと引っ張り、胴からワタを引き抜く。
3 ゲソとワタを切り離す
目を切らないように気をつけながら、ワタを切り離す。
〈POINT〉
新鮮なワタはワタ炒めなどの料理に使える。ワタの裏側には墨袋がついていて、破れると真っ黒になるので注意する。
4 目とトンビ(くちばし)を外す
目とトンビをキッチンバサミで根本から外す。面倒なら、目の付近と足の境目を包丁で切ってもOK。
〈POINT〉
目は煮物などにすれば食べられる。トンビのかたくて黒っぽい部分は食べられない。
5 かたい吸盤を取る
ゲソについているかたい吸盤を手でしごくようにして取り除き、よく水洗いする。
〈POINT〉
とくに長い足の先端に多くついているのでしっかりと。吸盤が多くて大変なときは、その部分を包丁で切り落としてもOK。
6 ゲソを食べやすく切る
長い足が2本あるので他の足と長さを切りそろえ、2本ずつに切り分ける。
7 軟骨を引き抜き、胴をよく洗う
胴の中に残っている軟骨を引っ張り出す。胴の中をきれいに洗い、水気をキッチンペーパーで拭き取る。
8 下処理完了
皮付きのまま調理する場合は、ここで下処理完了。
皮をむく場合
エンペラ(耳)を持ち、胴の頂点の皮をつまんではがす。そのままエンペラを引っ張って皮をむき取る。エンペラも皮をつまんでむく。
〈POINT〉
エンペラや胴に残った皮はキッチンペーパーでつまむと取り除きやすい。
【イカの刺身】失敗しない切り方&盛り付け方を解説!
生食用で新鮮なイカは、刺身にするのもおすすめ。一般的には醤油とわさびを添えますが、塩でも美味しくいただけます。細くきれいに切るためには、切れ味のよい包丁を使うことが大事なポイント!
〈材料(2人分)〉
- するめイカの胴(皮をむいたもの)…1杯分
- 青じそ…2枚
- 大根のつま…適量
- すだち(あれば)…1個
- 海藻(あれば)…適量
- 醤油・わさび…各適量
〈作り方〉
1 身を開く
胴に包丁を差し入れて、身を開く。かたい部分が気になる場合は取り除く。
〈POINT〉
このとき、アニサキスがいないかよく観察する。アニサキスは寄生虫(線虫)の一種で、長さ2~3cm、幅は0.5~1mmほど。白色の少し太い糸のように見える。アニサキスがいた場合も除去すれば問題ないが、心配なときは刺身でなく加熱調理する。
2 細切りにする
長さを2~3等分に切って、縦方向に5mm幅の細切りにする。
3 盛り付ける
大根のつまを敷いて、青じそをのせ、2を盛り付ける。半分に切ったすだち、あれば海藻を添える。わさびと醤油でいただく。
イカは冷凍保存できます!
イカが余ったときは下処理をしてから冷凍しておきましょう。時間のあるときにまとめて下処理して冷凍しておけば、手軽にイカ料理が楽しめます。
【冷凍方法】
さばいたイカについた水気をキッチンペーパーでしっかり拭き取り、調理しやすく切ってから、使いやすい量で小分けにしてラップで包み、冷凍用保存袋に入れる。袋の口を閉じ、金属製のバットの上に置いて冷凍する。冷凍庫で2~3週間度保存可能。
【解凍方法】
冷凍したイカは解凍してから調理を。凍ったまま炒め物などに加えると、加熱ムラが起こりやすくなります。冷蔵庫に移して半日ほどかけて解凍するのがベストですが、急ぐときは冷凍用保存袋のまま流水に当ててもOK。