【プロが解説】パンの冷凍・解凍のテクニック。美味しさキープでふわっと焼ける

2018.8.31
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購入しても一度に食べきれないことの多い「パン」は、冷凍保存する頻度の高いアイテム。せっかく冷凍するならより美味しく食べたいもの。そこで、パンに詳しいブレッドジャーナリストの清水美穂子さんに、美味しさをキープする正しいパンの冷凍・解凍テクニックを教えてもらいました。

外はカリッ、中はふわふわもっちりの食感を復活させるには、パンの種類ごとにちょっとしたコツがあるんです。食パン、バゲット、ベーグル、クロワッサンなど、普段よく食べるパンから、ぜひ試してみてください!

【冷凍の基本】パンも老化する!? 小分けで「冷凍」が鉄則!

焼きあがった食パンを手で割っている写真

パンの美味しさをキープしたまま保存したいなら、「冷凍」がおすすめ。①小分けにする、②ラップに包む、③保存袋に入れる、④素早く冷凍する、の4つが保存の鉄則です。

パンを購入したら、バゲットなどの大きいものはカットし、小分けにしてラップで包みます。カットする際は大きすぎず、できるだけ均一の大きさにした方が解凍時に短時間で均等に熱が入りやすいため、美味しく焼き上がります。また、食パンなど切れているパンの場合も、購入時の袋のままだと空気が入って乾燥の原因になるため、1〜2枚ずつ小分け保存を。表面積が大きい方が早く凍るうえ、解凍時にも食べやすくなります。

小分け冷凍するのが手間で、なんとなく冷蔵庫に入れてしまう…という方は注意。パンの主成分であるデンプンは冷蔵庫の温度帯で劣化(老化)しやすいため、美味しさと品質が損なわれます。美味しく食べたいなら、早めに「冷凍」が鉄則。どのパンの場合も、2週間が美味しく食べられる冷凍保存期間の目安です。なるべく早く食べきりましょう。

【解凍の基本】加熱するならトースターが◎。手軽に食感が復活!

トースターから焼き上がった食パンを取り出す写真

冷凍したパンの解凍(リベイク)には、フライパン・魚焼きグリル・焼き網などさまざまな方法がありますが、なかでも、清水さんがおすすめするのは、王道のオーブントースター。パンの特性に合わせて温度や時間を調整しやすいのが一番の理由。焼いている間に目が離せない焼き網やグリルよりも手間や失敗が少なく、実践しやすいとのこと。

また、パンを凍ったまま焼くと表面だけが焼けて中まで温まらない、ということがあるため、自然解凍してから焼くのがおすすめ。加熱ムラを防ぐことができます。さらに、冷凍時にパンの表面についた霜などの水分はニオイなどが気になる場合があるため、取り除いてから焼くのも美味しくするテクニック。自然解凍時に布巾などで包んで置くと取り除けます。

【食パン編】高めの温度がカギ! ふわふわ&サクッと焼き上がる

(左)冷凍用にラップで包んだ食パンの写真

1枚か2枚ずつラップで包んで小分け冷凍し、高めの温度でサッと焼き上げるのがコツ。事前の自然解凍なしでも、簡単にふわふわでサクッとした食感が復活します。

【冷凍方法】小分けでラップに包み、保存袋に入れて冷凍
  1. 1枚か2枚ずつ、ラップで包む。2枚の場合は2枚を重ねて包む。
  2. パンに対して大きめの冷凍用密閉保存袋に、パンが潰れないように余裕を持って入れ、空気を抜いて冷凍する。2週間以内を目安に食べきる。

※2枚まとめて冷凍してくっついてしまった場合は、隙間にバターナイフなどを差し込めば簡単に離れます
※食パンは1枚ずつ冷凍した方が早く凍りますが、2枚まとめて冷凍するとパンどうしがくっつき、乾燥やニオイの吸収を和らげられます

【解凍法】冷凍のまま、200℃のトースターで焼くだけ
  1. 200℃で3分程度を目安にトースターを予熱する。
  2. 食パンを凍ったままトースターに入れ、200℃で4~4分半焼く(6枚切りの目安)。

※パンをトースターで焼くときの注意点はこちら

【バゲット編】水分を補うことで、クリスピーな食感に!

バゲットを水道水に直接くぐらせている写真

冷凍したバゲットに、水分を含ませてから高温で焼くことでパリッとした食感が復活。表面の焦げや、表面だけ焼けて中まで火が入らない、ということを避けるためアルミホイルで包んで焼きます。凍ったままでも焼けますが、かたくなりやすいため、自然解凍がおすすめ。

【冷凍方法】カットしてからラップに包み、保存袋に入れて冷凍
  1. 1cm程度の輪切り、4cm程度の厚めの輪切り、サンドイッチ用に縦切りなど好みのサイズにカットし、1食分ずつラップで包む。
  2. パンに対して大きめの冷凍用密閉保存袋に、パンが潰れないように余裕を持って入れ、空気を抜いて冷凍する。2週間以内に食べきる。

【解凍方法】自然解凍してから水を含ませ、高温で焼く
  1. 冷凍用密閉保存袋から取り出してラップを外す。
  2. ラップの内側にできた霜がパンに付着・浸透するのを防ぐため、麻や綿の布巾で包んで自然解凍させる(スライスの場合は10分程度、それ以上は大きさに応じて30分程度)。
  3. 霧吹きで2〜3プッシュするか、蛇口の流水にサッとくぐらせて表面を濡らす。
  4. 200℃で3分程度を目安にトースターを予熱する。
  5. アルミホイルでバゲットを覆い、1cm程度の輪切りなら200℃で2分。4cm程度の輪切りや、サンドイッチ用の場合は200℃で3~3分半を目安に焼く。

※パンをトースターで焼くときの注意点はこちら

【ベーグル編】焼くときも水分キープで、もっちり仕上がる

半分に切ったベーグルをラップで包んでいる写真

ベーグルのもっちり&どっしりとした食感を再現するには、解凍時にたっぷりと水分を含ませ、アルミホイルで包んで水分を逃さないように焼くのがコツ。加熱ムラを防ぐため、自然解凍してから焼くのがおすすめです。

【冷凍方法】半分に切ってから、ラップで包んで冷凍
  1. ベーグルは、横半分に切り、それぞれをラップで包む。
  2. パンに対して大きめの冷凍用密閉保存袋に、パンが潰れないように余裕を持って入れ、空気を抜いて冷凍する。2週間以内に食べきる。

【解凍方法】自然解凍後、水分を補ってから焼く
  1. 冷凍用密閉保存袋から取り出してラップを外す。
  2. ラップの内側にできた霜がパンに付着・浸透するのを防ぐため、麻や綿の布巾で包んで15〜20分ほど自然解凍する。
    ※時間がないときは、サッと霧吹きをしてラップで包み、電子レンジ(500W)で40秒程度加熱して解凍してもよい。ただし、加熱しすぎるとかたくなるため注意
  3. 100℃で3分程度を目安にトースターを予熱する。
  4. 表面がしっとりする程度に霧吹きで水分を補い、全体をアルミホイルで包む。
  5. 160℃のトースターで3分ほど焼く。

※パンをトースターで焼くときの注意点はこちら

【クロワッサン編】食べるまで2分の我慢でサクサクに

ホイルに包んだバゲットをトースターに入れた写真

たっぷりのバターや糖分が含まれるクロワッサンは焦げやすいため、焼くときはアルミホイルで必ず包みます。また、焼いた後2分ほどおくと、ゆるんだバターがかたまり、サクサク食感とバターの豊かな風味が味わえます。

【冷凍方法】やさしくラップで包み、保存袋に入れて冷凍
  1. 1個ずつ、表面が崩れないようにラップで包む。
  2. パンに対して大きめの冷凍用密閉保存袋に、パンが潰れないように余裕を持って入れ、やさしく空気を抜いて冷凍する。2週間以内に食べきる。

【解凍方法】自然解凍して焼いた後、2分ほどおく
  1. 冷凍用密閉保存袋から取り出してラップを外し、10分ほど自然解凍する。
  2. 100℃で3分程度を目安にトースターを予熱する。
  3. アルミホイルで全体を包み、120℃のトースターで7〜8分程度焼く。
  4. トースターから取り出して2分ほど待ってから食べる。

※パンをトースターで焼くときの注意点はこちら

*パンをトースターで焼くときの注意点

  1. 焼き時間と温度は1000Wのトースターで焼くときの目安です。トースターの性能やパンのサイズなどによって焼き上がりの状態は異なるため、様子をみて温度と時間を加減してください。
  2. 温度設定が調整できないトースターの場合は、W数によって加熱時間や仕上がりが変わるため、記事内で紹介している解凍(リベイク)方法が実践しにくい場合があります。記事内の時間を目安に、様子を見て焼き時間を加減してください。
  3. 自然解凍をおすすめしているパンは、時間がないときは冷凍のままでも焼けますが、トースターの性能によっては中心まで温まるのに時間がかかり、外側だけが焦げたり、油がしみ出したりする場合がありますので、ご注意ください。
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