かぼちゃは一度切ってしまうと傷みやすい食材。種とわたを取り除かないと、なおさら傷みが早くなります。すぐに使わないときは冷凍しておくと安心。かぼちゃの鮮度をキープする正しい冷凍保存の方法を紹介します。
【鉄則】買ってきたら、すぐに種とわたを取り除く!
スーパーの店頭に並ぶカットかぼちゃは、丸ごとを4~6等分にカットし、種とわたがついた状態でラップに包まれているものが大半。このまま冷蔵庫に入れてしまう人も多いと思いますが、実は傷みはじめるのは水分が多く含まれている種とわたの部分から。そのため、かぼちゃの種とわたは買ってきたらすぐに取り除くのが鉄則です。それでも冷蔵保存の場合、日持ちは3~4日程度と短め。かぼちゃの食感などを重視するなら買ってきてすぐに食べたいところですが、すぐに使わないなら冷凍保存しましょう。
【かぼちゃの冷凍①】時間がないときは「生」で
傷みの原因になりやすい種やわたを取り除けば、かぼちゃを冷凍保存するのは簡単。凍ったまま調理ができるので、使いやすい大きさにカットしておくと便利です。
1 かぼちゃの種とわたを取り除き、余分な水気をふき取る
種とわたはスプーンなどでくり抜いて取り除きます。水分が残っているとそこから傷むので、洗うなら実の部分は濡れないよう皮の部分だけにして、水気はキッチンペーパーでしっかりふき取ります。
2 用途に合わせてカット
かぼちゃは小さめの角切りと薄いくし形切りが料理に使いやすくおすすめの切り方。角切りは煮物などに、くし形切りはソテーなどに使いやすい形です。
3 1回分ずつ小分けにしてラップで包む
カットしたかぼちゃはラップで約1回使用分(4~5切れ)ずつ包みます。酸化しやすいため、できるだけ空気を抜いてラップを密着させることがポイントです。
4 冷凍用密閉保存袋に入れて冷凍する
かぼちゃをラップで包んだら、冷凍用密閉保存袋に入れて冷凍します。ラップと冷凍用密閉保存袋で二重にして保存することで、乾燥による酸化、変色や食感の悪化を防ぎます。冷凍庫で約2週間保存可能。
【解凍方法】調理するときは凍ったまま加えて!
生で冷凍したかぼちゃは、解凍せずにそのまま加熱調理に使うのがおすすめ。角切りかぼちゃは小さめに、くし形切りのかぼちゃは薄く切っておくと、比較的早く火が通ります。調理する前に事前解凍すると、解凍中に変色が生じるうえ、水分が抜けてグニュッとやわらかい食感に。その後さらに加熱調理しても、味や食感は損なわれます。凍ったまま加熱調理することで、食感、味、色の変化を軽減できます。
【かぼちゃの冷凍②】美味しさ優先なら「マッシュ」して
かぼちゃは生でも冷凍できますが、冷凍せずに食べる場合に比べると、食感や美味しさは落ちてしまいます。冷凍してもかぼちゃの美味しさをなるべくキープしたいなら、マッシュしてから冷凍保存するのがおすすめです。
1 かぼちゃをゆで、木べらでつぶしてなめらかにする
かぼちゃはひと口大に切り、皮をむいてからゆで、やわらかくなったら湯を捨てて、木べらなどで(あればマッシャーで)なめらかになるようにマッシュします。
2 ラップで包み、冷凍用密閉保存袋に入れて冷凍する
つぶしたかぼちゃは1回使用分(写真は80g程度)をラップに広げて平らにし、薄くなるように包んでから、冷凍用密閉保存袋に入れて冷凍します。冷凍庫で約2週間保存可能。
【解凍方法】調理するときは凍ったまま加えてOK
凍った状態で調理途中に加えるとすぐに火が通ります。牛乳(かぼちゃ80gに対し100~150ml)などと一緒に煮るとかぼちゃのスープがあっという間にでき上がり! 電子レンジの解凍機能で解凍し、卵と混ぜてオムレツなどにしてもOK。電子レンジ解凍の際は加熱時間を短めに設定し、水分が飛びすぎないように様子を見ながら小刻みに解凍するのがポイントです。
【豆知識】「変なニオイがする!?」ときの対処法
冷凍したかぼちゃを解凍したときに、「ちょっと変なニオイが……」と感じたことありませんか? ニオイの原因として考えられるのは大きく2つ。1つめは、適切な下処理をしていないことから生じる劣化。特に、種とわたを取り除かずに冷凍すると傷みやすく、ニオイが生じる原因になります。2つめは冷凍庫内のニオイ移り。密閉せずに冷凍すると冷凍庫内のニオイがかぼちゃに移りやすくなるうえ、冷凍焼けの原因にもなるので注意しましょう。
上記の2点に気をつけても、食べるときにニオイが少しでも気になる場合や、かぼちゃ特有の青くささを緩和したい場合は、調理の際にシナモンなどの香りの強いスパイスやはちみつを加えることで和らぎます。また、かぼちゃの青臭さがどうしても気になるという方は、皮をすべてむいて冷凍するという手もあります。