最近では都内のスーパーでも見かけるようになった秋田県の郷土料理「きりたんぽ」。いざ買うと意外と高価な食品ですが、実はごはんがあれば家庭ですぐできる手軽な料理なのです。今回は料理研究家の吉田瑞子先生にきりたんぽの作り方と保存方法、お鍋とそれ以外にも使えるおすすめの食べ方を教えてもらいました。
【きりたんぽの作り方】フライパンで作る簡単レシピ
きりたんぽの材料は温かいごはんと塩水だけ! 粒感がやや残る程度にすりつぶすのが美味しさのポイントです。
材料(2人分/3本分)
- 温かいごはん…1合分(茶碗2杯/約330g)※冷やごはん、冷凍ごはんを再加熱したものでも可
- 塩水…適量
- 割り箸…3膳(割らずに水につけて湿らせておく)
1 温かいごはんをボウルに入れ、濡らしためん棒で七分程度にすりつぶす
七分づき程度に粒が残るようめん棒ですりつぶす。つぶしすぎるときりたんぽらしい食感が失われてしまうので注意。めん棒がない場合は、冷凍用保存袋など厚手の食品用のビニール袋にごはんを入れ、手でつぶすか、瓶などで叩いてつぶす。(※瓶などが割れないように注意する。)
2 手に塩水を付け、すりつぶしたごはんを3等分にして丸くまとめる
塩水を適量手に付けてごはんを丸める。
3 割り箸に刺して棒状に成形する
割り箸は割らずに、持ち手の太いほうをごはんに刺すと安定しやすい。まな板の上で転がして形を整える。
4 フライパンに並べ、転がしながら全体に焼き目を付ける(弱火~中火)
フッ素樹脂加工のフライパンを使用。またはきりたんぽが焦げ付かないよう、フライパン用のホイルシートを使う。表面が乾いて全体がこんがりと色づいたらOK。
5 粗熱をとり、割り箸を抜いて斜め半分に切る
冷えると割り箸が抜きにくくなるので、触れる程度に粗熱がとれたら、割り箸を抜く。半分程度のサイズに切っておくと使いやすい。
【きりたんぽの食べ方】お鍋に!味噌たんぽ!揚げたんぽも!
① きりたんぽ鍋の作り方
味がしっかりしたスープならどんなお鍋にも合うきりたんぽ。今回は本場の「きりたんぽ鍋」を家庭用にアレンジした、簡単鍋レシピを紹介します。
「比内地鶏」で作るのが正式な「きりたんぽ鍋」ですが、今回は鶏もも肉を使います。
材料(2人分)
A
- 水…2と1/2カップ(500ml)
- 鶏ガラスープの素…小さじ1
- 酒…大さじ2
- 醤油…大さじ1
- みりん…大さじ1
- 塩…小さじ2/3
作り方
- 鶏肉はひと口大に切る。ごぼうはささがきにして水にさらしておく。舞茸は石づきを取って小房にほぐし、長ネギは斜め切り、セリはざく切りにする。
- 鍋にAを合わせ火にかけ、ひと煮立ちしたら鶏肉を入れる。
- 鶏肉の色が変わったら、ごぼう、舞茸を加えて煮る。
- ごぼうがやわらかくなったら、長ネギ、きりたんぽを加えてひと煮し、食べる直前にセリを加える。
② 味噌たんぽの作り方
きりたんぽに味噌を塗って焼くだけの「味噌たんぽ」も本場・秋田で愛される味。甘辛い味噌がくせになる味わいです。
材料(2人分)
- きりたんぽ…2本
- サラダ油…適量(フライパン用アルミホイルを使う場合は不要)
A
- 味噌…大さじ1
- 砂糖…大さじ1/2
- 酒…小さじ1
作り方
- Aの材料を混ぜ合わせる。
- オーブントースターの天板にフライパン用ホイルシートを敷く(なければ、アルミホイルにサラダ油を塗る)
- きりたんぽを❷に並べて上面に❶を塗り、約10~12分加熱する。こんがり焦げ目が付けば完成。食べやすく切り分ける。
③揚げたんぽの作り方
油で揚げて「あられ」のような食感に仕上げる新感覚のきりたんぽ。醤油を塗ってそのまま食べると、香ばしさが食欲をそそります。もちろん、お鍋に入れてもおすすめ。
材料(2人分)
- きりたんぽ…2本
- サラダ油…適量
- 醤油…適量
作り方
- きりたんぽを4等分する。
- フライパンに多めのサラダ油を熱し、❶を入れて揚げ焼きにする。
- 揚げたてに醤油をハケで塗る。
【きりたんぽの保存】約1ヵ月もつ!そのまま使える冷凍ストックが便利
きりたんぽの保存は、ごはんと同様に冷凍がベスト。そのまま鍋に入れたり、味噌たんぽや揚げたんぽなどにも使ったりもできるので、作り置きしておくのがおすすめです。
冷凍保存の手順
1 1本ずつラップで包む
冷凍状態では切りにくくなるため、半分で使用する場合は予め斜め半分に切っておくと使いやすい。
2 冷凍用保存袋に入れて、できるだけ空気を抜くように口を閉じ、金属バットに乗せて冷凍庫へ
金属製のバットにのせて急速冷凍する。保存期間は約1ヵ月。
※冷凍ごはんを使って作る場合の再冷凍は不可
解凍方法
使い方は冷凍していないものと同様で、凍ったまま鍋に入れる。そのまま味噌たんぽや揚げたんぽにも使える(冷凍の場合の加熱時間は約2倍が目安)。