HOMEお手軽レシピ【保存袋で梅干し】「冷凍」の梅なら時短に!少量・減塩のレシピ

【保存袋で梅干し】「冷凍」の梅なら時短に!少量・減塩のレシピ

公開日: (更新日:
LINE

一度は挑戦したいけど、難しい印象の梅干し作り。梅を一度冷凍する裏ワザを使えば、初めてでもふっくら美味しい梅干しが簡単につくれます。さらに、漬け込み期間が短くなって時短にも! 特別な道具は不要、冷凍用保存袋で手軽にできる梅干し作りのコツを料理研究家の吉田瑞子先生に教えてもらいました。

まずは梅を冷凍しておきましょう

冷凍梅を使うと、生梅よりも塩分が浸透しやすいため、時短になります。また、冷凍で果肉の繊維が壊れるのでやわらかく仕上がります。

※下処理・冷凍済みの梅も通販などで販売されています。そちらを使用する場合は、「梅干し用」と明記された「完熟後に冷凍された梅」を選んでください。

冷凍用保存袋に入った冷凍梅の写真

梅は完熟梅を用意する(完熟梅についてはこちら)。傷がつかないようにやさしく洗い、楊枝や竹串の先でくり抜くようにヘタを取り除き、キッチンペーパーで水気をよく拭く。Lサイズの冷凍用保存袋(梅1kgの場合)に入れて金属製のバットにのせ、冷凍庫で急速冷凍する。ひと晩冷凍すれば冷凍梅の完成(冷凍で約6ヵ月保存可能)。

冷凍梅は梅シロップや梅ジャムにも使える!

【冷凍梅の梅干しレシピ】道具は家にあるものでOK! 2週間で作れる減塩白梅干し

梅干しといえば赤しそで色付けしたものが一般的ですが、今回はその工程をカットした、梅本来の味が楽しめる「白梅干し」のレシピを紹介します。生の梅を使うと3~4週間かかる漬け込み期間も、冷凍梅を使えば1~2週間でやわらかく仕上がります。また、焼酎を使えばアルコールの殺菌効果で、保存性を保ちながら減塩できます。

【材料】(できあがり約500g分)
  • 完熟梅を冷凍したもの…1kg ※1
  • 塩…100g(梅の重量の約10%)
  • 甲類焼酎(ホワイトリカー※2)…1/2カップ(100ml・梅の重量の約10%)

※1:市販の「梅干し用冷凍梅」でも可
※2:アルコール度数20~36度の無味無臭のもので、果実酒用の焼酎

【準備するもの】
保存袋…1枚 冷凍用などの厚手で2重チャックのもの。
バットまたはお盆…2枚 ホーロー、ステンレスなどのバットやプラスチックのお盆。
重石…1kg 500mlペットボトルの飲料2本など。
ザルや網…1枚 天日干し用のザル、なければバット用の網など風通しの良いもの。
保存瓶 完成した梅干しを入れる容器。煮沸消毒しておく。

材料、道具の写真

【作り方】

1 冷凍用保存袋に冷凍梅と塩と焼酎を入れる

塩、焼酎を入れている写真

冷凍用保存袋に冷凍梅・塩・焼酎(ホワイトリカー)を入れ、少しゆすって塩をなじませる。

2 できるだけ袋の空気を抜いて口を閉じ、バットにのせる。さらにバット、重石をのせて常温に置く

バットにのせた写真

ストローなどを使って袋の中の空気をできるだけ抜き、しっかりと口を閉じる。ホーローやステンレスなどのバットかプラスチックのお盆などにのせ、さらに梅と同量の重石(バットやお盆にのせた500mlのペットボトル飲料2本など)をのせて、直射日光の当たらない室内に置いておく。

POINT

万が一、汁が漏れたときのためにバットかお盆などを受け皿にしておくと安心。このとき、アルミなどの金属は梅から出てきた水分(梅酢)の成分で腐食しやすいので避け、ホーローやステンレス、 陶器、硝子、プラスチック製品を使用する。アルミ製品 を使用する場合は、梅酢が直接触れないようラップなどを敷いておく。

3 梅酢が出てきたら袋の上下を返す

袋の上下を返している写真

梅から水分(梅酢)が出てくるので、梅酢が全体にまわるよう、1日に1回程度袋の上下を返す。3日ほど経過したら、重石の重さを半量(500mlのペットボトル飲料1本)にする。

POINT

焼酎を入れると頻繁に返さなくても塩が溶けやすい。

4 梅酢が充分に出たら冷蔵庫に移す

梅酢が出てきた写真

1~2週間程度で写真のように梅酢がたっぷりと出てくる。すぐに干さない場合は、梅酢につけたままの状態で冷蔵庫へ。干さないと皮に歯ごたえが残るが、果肉はやわらかいので料理などに使用できる。

5 天日干し(土用干し)する

天日干ししている写真

晴天が続く時期を待ち、合計で3日間天日干しをする。ザルなど通気性のよいものに重ならないように置き、日中に1度上下を返して全体をまんべんなく直射日光に当てる。

POINT

天候が不安定だったり外出が多かったりと外に干せない場合、干すスペースがない場合は、日当たりの良い室内に干しても良い。

完成! 清潔な保存瓶に入れて冷蔵庫へ

完成した梅干しの写真

3日ほど天日干しすると、梅の表面がしわしわと縮み、色も濃くなる(干し上がりの目安はこちら)。天日干しすることで梅が殺菌され、梅酢に漬けておかなくても長期保存ができる。また皮もやわらかく仕上がる。天日干し後は煮沸消毒した保存瓶に入れ、冷蔵庫で保存する(保存期間についてはこちら)。

POINT

余った梅酢は捨てずに清潔なペットボトルや保存瓶などに移し、冷蔵庫で保存する。調味料として塩の代わりに使ったり、きゅうりや大根の梅漬けの調味液にしたりとさまざまな用途に使用できる。

梅酢につけたまま干してもOK

冷凍用保存袋に入れたまま、梅酢とともに天日干しや室内干しをしても、皮がやわらかくなる効果や殺菌効果があり「梅漬け」として食べられる。その場合も1日に1度、袋の上下を返し、まんべんなく日光が当たるようにする。干したあとは梅酢ごと冷蔵庫へ。煮沸消毒した保存瓶に梅酢ごと移すと取り出しやすい。

梅酢につけたまま室内干ししている写真

【梅干しQ&A】干し上がりの目安や保存期間を解説

梅の選び方や干す時の注意点など、初めての梅干し作りでつまずきがちなポイントや疑問を、吉田先生がズバッと解決します。

Q 梅干し作りに季節は関係あるの? 適した時期はいつ?

A 生の梅なら6~7月、冷凍梅なら通年OK

冷凍梅を使うなら、時期はいつでもOK。梅は冷凍で約6ヵ月もつので、販売時期に買って冷凍しておけば好きなときに作れます。ネット通販などでは冷凍済みの梅干し用の梅が年間を通して購入できるので、それらを利用するのもおすすめです。生の梅を使うなら6~7月上旬、完熟梅が出回る時期から作り始められます。

Q 青梅? 完熟梅? 梅はどうやって選ぶ?

青梅と完熟梅の写真

※写真は冷凍状態の青梅(左)と完熟梅(右)。全体が黄~オレンジ色になっていれば完熟の証。写真のような赤みは品種によるため、気にしなくて良い。

A 黄~オレンジ色に色づいたものを選びましょう

梅干しには「完熟梅」を使います。未熟な「青梅」しか入手できない場合は、室温において「追熟」させましょう。ザルなどに並べて風通しの良いところに置いておき、表面全体が黄~オレンジ色に色づけば完熟のサインです。

Q 減塩しても良い?

A OK。ただしカビを防ぐ必要があります

一般的な梅干しは梅の約18%の塩が必要ですが、減塩すると塩による殺菌効果が弱まるためカビが発生しやすくなります。カビを防ぎながら減塩するには、今回紹介した焼酎を使用する方法や、はちみつなど殺菌効果のある食材を加える方法などがあります。

Q カビが出てしまったら?

A 取り除いて、そのまま漬けて大丈夫

冷凍用保存袋で漬けた場合、基本的にカビの心配はありませんが、傷んだ梅を使ったり、梅が空気に触れた状態が続いたりすると梅や梅酢にカビが発生する場合があります。カビが発生した場合は、清潔な箸やスプーン・お玉などを使い、傷んだ梅や周辺の梅酢を取り除きましょう。それ以外の部分は、そのまま漬けておいて大丈夫です。

Q 天日干しの途中で天気が悪くなってしまったら?

A 室内で保管し晴天を待ちましょう

一旦室内に取り込み、雨に当てないように注意します。天気が良くなったら再び干し、晴天での干し期間が3日間になるよう調整しましょう。

Q 干し上がりの目安は?

A 重さを計っておくと安心です

特に神経質にならず、三日三晩(悪天があった場合は晴天の日の合計)干しておけば大丈夫。塩漬け前に梅の重さをメモしておき、干したあとに約半分の重さになっていれば干し上がりの合図です。

Q 作った梅干しの賞味期限って?

A 厳密な賞味期限はありません

梅干しは長期保存ができる食品で賞味期限は特にありませんが、だいたい1年を目安に食べきり、翌年また漬けるというサイクルがおすすめです。時間が経つにつれて、塩味や酸味もまろやかになっていくので、ぜひ味わいの変化を楽しんでみてください。

※掲載情報は公開日時点のものです。本記事で紹介している商品は、予告なく変更・販売終了となる場合がございます。