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トマトソースは作り置き冷凍で美味しさUP。コク不足解消の決定版レシピ

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手作りのトマトソースは、「冷凍」することで美味しさがアップするのをご存じですか? 冷凍の過程で素材同士の旨みが混じり合い、味がまとまるのです。今回は、料理研究家の吉田瑞子先生がトマトソースの作り置き冷凍レシピをご紹介します。トマトソースのよくある不満「酸っぱい・コクがない・甘くない」もスッキリ解消。鶏のトマト煮などの活用アイデアも豊富です。

トマトソースが「冷凍」で美味しくなる理由

トマトソースは、冷凍することで美味しくなります。なぜなら、トマトソースの粗熱をとり、冷凍するまでの間に、素材から旨みや甘みが溶け出し、全体がなじむことで美味しくなるから。ひと晩寝かせたカレーが美味しいのと同じ原理です。まとめて作って冷凍しておけば、いつでも美味しいトマトソースが食べられます。

【トマトソースのレシピ】野菜は塩で炒め、甘みとコクを出す

野菜は塩で炒めて甘みを出し、トマトを加えて30分煮込む。トマトを一定時間以上煮込むことで酸味が飛び、余分な水分が蒸発して旨みが凝縮され、お店のようなコクのあるソースに。

「酸っぱい・コクがない・甘くない」の解決テクニックはこちら!

【材料(4人分・約600g・冷凍用保存袋Mサイズ2枚分)】 
  • 玉ねぎ…1/2個(約110g)
  • セロリ…1/3本(約30g)
  • にんにく…2かけ
  • 塩…ひとつまみ
  • オリーブオイル(ピュアオイル)…大さじ2

A

  • イタリアントマト缶(ホール)…2缶
  • 固形コンソメ…1個
  • ローリエ…1枚
  • ローズマリー…1枝 ※タイムやバジルなど好みのもので可
  • 塩・こしょう…各少々
  • ジャム(お好みのもの)…大さじ1 ※砂糖(小さじ1)でも可
  • オリーブオイル(エクストラバージンオイル)…小さじ1
POINT

材料はシンプルな分、省いたり目分量にしたりせず、レシピ通りにするのがおすすめ。トマトは、加熱すると旨みが際立つイタリアントマトのホール缶を使用。ローズマリーなどのハーブは、本格的な味わいになるので、ぜひ取り入れて。オリーブオイルは、炒めるときはピュアオイル、仕上げには香り豊かなエクストラバージンオイルと使いわけを。

1 玉ねぎ・セロリ・にんにくをみじん切りにする。

セロリのみじん切りの写真

セロリは、細かく切ることで筋が切れ、香りも出るため、筋取りなどの下処理は不要。

2 オリーブオイルを中火で熱し、にんにくを炒め、玉ねぎ・セロリを加えて塩で炒める。

セロリのみじん切りの写真

フライパンにオリーブオイルを入れ中火で熱し、にんにくを炒める。にんにくの香りが立ったら玉ねぎ・セロリを加え、油が回ったら塩を加える。玉ねぎがしんなりして半透明になるまで炒める。茶色くなるまで炒めてしまうと香ばしさが出て、玉ねぎ本来の風味を損なうので注意。

POINT

野菜を炒めるときは塩を加えると甘みが引き立つ。また、余分な水分が出て旨みも凝縮され、トマトともなじみやすくなる。炒め不足はコク不足にもつながるので、中火の状態で焦がさないように混ぜながらじっくり炒めること。

3 Aを加え、トマトを潰し、弱火で30分煮る。

トマトを潰す写真

トマトは木べらで切るように潰す。トマトソースの水分を飛ばすため、ふたはしない。アクが気になる場合は取り、表面がふつふつする火加減を保つ。たまに混ぜながら火を均一に通す。

POINT

じっくり煮込むことで、素材の旨みが凝縮され、酸味も飛び、美味しくなる。また、煮詰まることで冷凍・解凍しても水っぽくならない。ただし、煮込みすぎると酸味が飛びすぎて味のバランスを欠くので、30分程度にとどめて。

4 塩・こしょうで調味し、酸味が強ければジャムを、コクが足りなければオリーブオイルを加える。

オリーブオイルを入れる写真

酸味が強いときは、ジャムか砂糖を少量ずつ加えて味を調整。ジャムは複雑な甘みがあり、加えると味に深みが出る。最後にローズマリーのかたい枝やローリエを取り除く。

POINT

それでも味がととのわないときの対処法。甘みが足りないときは、はちみつ小さじ1を、味に深みがないときは醤油少々を、コクが足りないときは粉チーズ小さじ1を、それぞれ加えて調整する。

トマトソースの冷凍保存方法

【冷凍方法】

1 トマトソースを金属製のバットに移し、氷水に当てて粗熱を素早くとる。

氷水でソースを冷やす写真

トマトソースを金属製のバットに移し、雑菌の繁殖を防ぐため、たまに上下を返すように混ぜて素早く冷やす。

POINT

トマトソースは粗熱をとって冷凍するまでの間に、素材から旨みや甘みが溶け出し、全体がなじんで美味しくなる。時間があれば、粗熱をとって冷凍用保存袋に入れたものを冷蔵庫でひと晩寝かせてから冷凍すると、味がなじむ時間が長くなり、より美味しさが増す。

2 冷凍用保存袋に入れ、薄く平らに広げ、空気を抜いて口を閉じる。

ソースを袋に入れる写真

トマトソースはお玉やスプーンですくい、袋の口を汚さないように入れる。深めの容器に冷凍用保存袋をかぶせるとソースが入れやすい。

3 2を金属製のバットにのせて急速冷凍する。冷凍庫で1ヵ月程度保存可能。

箸で筋を付ける写真

少量でも使いやすいように、菜箸で十字に筋を付けてから冷凍すると便利(写真は2人分・約300g・冷凍用保存袋Mサイズ)。

【解凍方法・使い方】

冷凍トマトソースは、凍ったまま調理するか、電子レンジで解凍する。

ソースを鍋に入れる写真

凍ったまま鍋やフライパンで加熱解凍する。あるいは、耐熱容器に移し、ふんわりとラップをして、2人分(約300g)につき電子レンジ(500W)で2分30秒加熱。全体を混ぜ、さらに3分30秒加熱する。

先生のイチオシレシピ

おすすめのパスタレシピは、オリーブオイルでにんにくを炒め、アサリ、白ワイン、赤唐辛子を加えて蒸し、アサリの殻が開いたら電子レンジで解凍したトマトソース、茹でたスパゲティーを加えて絡め、最後にオリーブオイルとパセリを入れて完成。

・小分けで使う場合
冷凍トマトソースを袋から使う分だけポキッと折って取り出し、耐熱容器に移してふんわりとラップをして、袋の1/4(約75g)につき電子レンジ(500W)で50秒加熱。全体を混ぜ、さらに1分加熱する。

ソースを手で折る写真

・冷製パスタなど、冷たい状態で使う場合
冷凍用保存袋に入れたまま流水解凍か冷蔵庫で自然解凍する。あるいは、冷凍トマトソースを耐熱容器に移し、ふんわりとラップをして、2人分(約300g)を電子レンジ(500W)で2分30秒加熱。全体を混ぜ、さらに1分加熱すると冷たい状態で適度に解凍される。

【冷凍トマトソースの活用アイデア】トマト煮/ピザソース/魚のソースに使える!

トマトソースは、パスタ以外にも使い道いろいろ。ここでは、代表的な3つの活用アイデアをご紹介。使い方のコツをつかんで、さまざまな料理に活用しましょう。

鶏のトマト煮の写真

【① 鶏のトマト煮】ソースはフライパンで加熱解凍する
ナス、ピーマンの輪切りをオリーブオイルで炒め、一旦取り出す。塩・こしょうした鶏肉を焼き、凍ったままのトマトソースと少量の水を足したら、ふたをして加熱解凍。アクをとり、野菜を戻してひと煮立ちさせる。

【② ピザトースト】ソースは凍ったまま鍋に入れ、トマトケチャップ程のかたさまで煮詰める
冷凍トマトソースは凍ったまま小鍋に入れ、トマトケチャップのかたさになるまで煮詰める。トマトソースを食パンに塗り、玉ねぎ・ウインナー・ピーマンの薄切り、ピザチーズをのせてオーブントースターで焼く。

【③ 肉や魚のソース】ソースは凍ったまま鍋に入れ、とんかつソース程のかたさまで煮詰める
冷凍トマトソース(1人前約75g)は凍ったまま小鍋に入れ、とんかつソースのかたさになるまで煮詰め、仕上げに粒マスタード小さじ1を加える。豚ロース肉のソテーやタラのムニエルなどにかける。

「酸っぱい・コクがない・甘くない」を解決する3つのポイント

【ポイント①】材料は省かず、目分量にせず、レシピ通りに揃える
トマトソースは材料がシンプルな分、それぞれが味の決め手になるので、レシピ通りに揃えます。トマトは、加熱すると旨みが際立つイタリアントマトのホール缶を使用。野菜は、甘みとコクを出すので必ず入れます。ハーブも本格的な味わいになるのでぜひ取り入れて。

【ポイント②】野菜を炒めるときは塩を加え、甘みを出す
野菜を炒めるときに塩を加えると甘みが引き立ちます。野菜の水分が出て旨みも凝縮され、トマトともなじみやすくなります。また、しっかり炒めることでコクと甘みがアップします。

【ポイント③】じっくり煮込んで酸味を飛ばし、旨みを凝縮
30分煮込むことで、トマトや野菜の旨みが凝縮され、酸味もほどよく飛び、美味しいソースに。適度に煮詰めたソースは、冷凍・解凍しても水っぽくなりません。ただし、煮込みすぎは酸味が飛びすぎて美味しくないので注意。

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