毎日の家族の食事、ビタミンCは足りていますか? ビタミンCは皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素ですので、積極的にとりましょう。
ビタミンCは野菜や果物に多く含まれていて、冷凍しても成分が変化しないので、冷凍ストックしておくのがおすすめ。「今日はちょっとビタミンCが少ないかな?」と思ったら、手軽にちょい足ししましょう!
【ビタミンC食材①】パプリカの冷凍方法
【ビタミンC食材②】ブロッコリーの冷凍方法
【ビタミンC食材③】キウイの冷凍方法
【ビタミンC食材④】かぼちゃの冷凍方法
【ビタミンC食材⑤】じゃがいもの冷凍方法
日本人はビタミンCがちょっと足りない!?
ビタミンCの1日あたりの推奨量
男女共通で、以下の推奨量が定められています。
- 10〜11歳…75mg
- 12〜14歳…95mg
- 15歳以上…100mg
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015 年版)より抜粋
上記の表と2017年の国民健康栄養調査のビタミンCの「平均摂取量」を照らし合わせてみると、1日のビタミンCの平均摂取量は30代男性で66mg、30代女性は65mgと少し不足がち。子どもの平均摂取量もやや推奨量に届いていません。ちなみにビタミンCには鉄分の吸収を助ける役割もあると言われています。
※鉄分が多い食材と、上手な冷凍ストック方法も併せてチェックを
【管理栄養士が推奨】「鉄分」は冷凍ストックでお手軽補給!
ビタミンCを多く含む食材は?
100gあたりの含有量では、アセロラ(生)1700mg、青汁(ケール)1100mg、パセリ(乾燥)820mgなどがトップクラスですが、一般的な野菜や果物にも含まれています。その中でも「ちょっと野菜や果物が足りないかな」と思ったときに使いやすいビタミンC食材を、料理研究家で管理栄養士の岩﨑啓子さんに5つ挙げてもらい、冷凍ストックの方法も聞きました。
【ビタミンC食材①】パプリカの冷凍方法
- ビタミンC含有量…赤パプリカ100gあたり170mg(※1)
- 1食分のビタミンC量…炒めもの1人前(50g)で約85mg
パプリカを料理に加えると、ビタミンCがとれるうえに彩りもよくなって一石二鳥。黄色のパプリカのビタミンCは100gあたり150mgで赤よりやや少なめですが、冷凍方法は赤と同じなので、2色ミックスにして冷凍しておくのもおすすめです。
【冷凍方法】
- 洗ってペーパータオルで水気を拭き取り、細切りにする。
- 使いやすい量(写真は1人分50g)で小分けにし、ラップで平らに包む。
- 冷凍用保存袋に入れて口を閉じ、冷凍する。冷凍庫で2週間程度保存可能。
※生のまま冷凍して大丈夫なの? という方はこちらへ
【解凍方法】
冷凍のまま、炒めものやきんぴら、トマト煮などに加えて加熱調理する。カレーに入れるとトロトロになるので、パプリカが苦手な人でも食べやすい。
【ビタミンC食材②】ブロッコリーの冷凍方法
- ビタミンC含有量…100gあたり120mg
- 1食分のビタミンC量…小房4個(約60g)で約72mg
ビタミンCは水溶性なので、長くゆでると湯に流れ出てしまいます。ブロッコリーは短時間でかためにゆでて冷凍しましょう。やわらかくゆでると解凍後の食感も悪くなります。食べるときはスープなど、ビタミンCが溶け出た汁ごといただけるメニューがおすすめです。
※ブロッコリーを「生のまま」冷凍する方法はこちらの記事で紹介しています
【冷凍方法】
- ブロッコリーを小房に切り分けて洗い、かためにゆでる。
- バットに間隔を空けて並べ、ラップをかける。ブロッコリーが空気に触れないようにラップをできるだけ密着させ、冷凍する。
❸ 冷凍用保存袋に移し、空気を抜くように袋の口を閉じて冷凍する。冷凍庫で2週間程度保存可能。
【解凍方法】
冷凍のままスープやカレー、シチューなどに加えて加熱調理する。炒めものにするときは、凍ったままフライパンに入れて蒸し焼きに。
【ビタミンC食材③】キウイの冷凍方法
- ビタミンC含有量…100gあたり69mg
- 1食分のビタミンC量…1/2個で約28mg
果物にはビタミンCが豊富なものが多いですが、通年で入手でき、価格も安定している点で冷凍ストックにおすすめしたいのがキウイ。黄色種は緑色種よりもさらにビタミンCが多く、100gあたり140mgも含まれています。
【冷凍方法】
- 皮をむき、厚さ1cm程度の輪切りにする。
- そのまま冷凍用保存袋に入れて平たくし、空気を抜くように袋の口を閉じて冷凍する。冷凍庫で2週間程度保存可能。
- ビタミンC含有量…100gあたり43mg(※2)
- 1食分のビタミンC量…4切れ(約100g)で約43mg
- 洗ってペーパータオルなどで水気を拭き取り、食べやすく切る。
- バットに間隔を空けて並べ、ラップをかける。かぼちゃが空気に触れないようにラップをできるだけ密着させ、冷凍する。
- ビタミンC含有量…100gあたり35mg
- 1食分のビタミンC量…マッシュポテト1食分(約100g)で約35mg
- 中サイズのじゃがいも3個をよく洗い、皮付きのまま1個ずつラップで包む。600Wの電子レンジで3分加熱し、上下を返してさらに3分加熱する。
- 温かいうちに皮をむいてマッシュし、塩小さじ1/4、こしょう少々をよく混ぜる。
【解凍方法】
冷凍のままスムージーに。凍ったまま鍋で砂糖を加えて煮れば短時間でジャムができる。
※スムージーに一緒に使いたいバナナ、オレンジ、りんごなどフルーツの冷凍方法はこちら
【ビタミンC食材④】かぼちゃの冷凍方法
ビタミンCに加えβカロテンなども多く含んでいるので、ちょい足しすれば食卓の栄養バランスがぐっとよくなります。生での冷凍方法を紹介しますが、次に紹介するじゃがいものように加熱してマッシュしてから冷凍してもよいでしょう。
※生のまま冷凍して大丈夫なの? という方はこちらへ
【冷凍方法】
❸ 冷凍用保存袋に移し、空気を抜くように袋の口を閉じて冷凍する。冷凍庫で2週間程度保存可能。
【解凍方法】
冷凍のまま加熱調理して煮物や味噌汁に。電子レンジでやわらかく加熱してからマッシュして、パンプキンスープに。
【ビタミンC食材⑤】じゃがいもの冷凍方法
じゃがいものビタミンCはデンプンに包まれていて、加熱しても壊れにくいのが特長。丸ごと冷凍すると食感が著しく悪くなるので、マッシュしてから冷凍しましょう。中サイズのじゃがいも(1個約150g)3個で作ると、約400gのマッシュポテトができます。
【冷凍方法】
❸ 冷めたらSサイズの冷凍用保存袋に入れて平らにし、小分けにしやすいように筋をつけて、冷凍する。冷凍庫で2週間程度保存可能。
【解凍方法】
冷蔵庫で自然解凍または電子レンジで解凍してから、ポテトグラタンやじゃがいものポタージュなどで加熱調理を。
【豆知識】生のまま冷凍して、大丈夫なの?
野菜の冷凍は、ブランチング(下ゆでしたり、蒸したりする加熱調理のこと)してから冷凍することもありますが、これは野菜内の酵素を失活させて変色を防ぐため。でも、早めに使いきるなら生で冷凍しても大丈夫です。ただし、食べるときは必ず加熱調理してください。
※栄養素数値の出典:「文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
※1 上記出典内、赤ピーマンの数値に準じる
※2 上記出典内、西洋かぼちゃ(生)の数値に準じる