手間のかかるとんかつは、まとめて作って冷凍しておくと便利です。揚げる前に冷凍、揚げた後に冷凍のどちらの保存方法がいいのか料理研究家・吉田瑞子先生が検証します。さらに、冷凍したとんかつの美味しい解凍方法から、お弁当に入れるときのポイントまでを徹底ガイド。
食卓用なら「揚げる前」、お弁当用なら「揚げた後」に冷凍
「揚げる前に冷凍した場合」と「揚げた後に冷凍した場合」を比較しました。揚げたてのサクサク食感を楽しむなら「揚げる前に冷凍」がおすすめ。お弁当に持っていくときなど、解凍時の手軽さを求めるなら「揚げた後に冷凍」がおすすめです。
タイプ | 揚げる前に冷凍 | 揚げた後に冷凍 |
---|---|---|
解凍後の食感 | 衣がサクサクとした揚げたての食感 | 衣がカリッとしたかための食感 |
解凍後の 風味 |
下味がしっかりとしみこむ | 衣の香ばしさが増す。時間が経っても美味しい |
保存期間 | 3週間 | 1ヵ月 |
解凍方法 | 160℃の油で揚げ、さらに180℃の油で揚げる | オーブントースターまたは電子レンジで温める |
おすすめ シーン |
夕食のおかずなど、揚げたてを食べたいときに | お弁当など、少量ずつ手軽に解凍したいときに |
【揚げる前に冷凍】下味・衣を付け、ラップに包んで冷凍保存
豚肉に衣を付けた状態で冷凍すると3週間保存可能。凍ったまま揚げて、できたてをいただけます。
揚げる前のとんかつを1枚ずつラップで包む。重ならないように2~3枚をまとめて冷凍用保存袋に入れ密閉。金属製のバットにのせて急速冷凍する。
※保存期間が長くなるほど乾燥が進んでしまうため、できるだけ早く食べること。
POINT
手早く冷凍することで、お肉からドリップが出るのを防ぐ。ラップに包んでしっかり密閉することで乾燥から守り、解凍後も肉がパサつきにくい。
【解凍方法】
低温(160℃)の揚げ油に凍ったままのとんかつを入れて、1枚で8分、2枚で10分程度衣がきつね色になるまで揚げる。その後、強めの中火(180℃)にして1~2分程度、衣の色がさらに濃くなるまで揚げる。
POINT
低温で中心までしっかり火を通すのがポイント。最後に高温にすることでサクサクと香ばしい仕上がりに。
解凍後はサクサク&ジューシー
解凍後は、冷凍せずに揚げたときと遜色ない食感・味わい。衣はサクサク、肉はジューシー。下味がよくしみこんでいます。
【揚げた後に冷凍】必ず冷ましてから!ラップで包んで冷凍保存
まとめて揚げてから冷凍しておけば1ヵ月も保存可能。オーブントースターや電子レンジで温めるだけで食べられるので便利です。
1 豚肉に下味・衣を付けて油で揚げ、常温で冷ます
揚げたとんかつの油をきり、20~30分程度常温において十分に冷ます。
※ドリップがでないように手早く調理するとよい。
POINT
水蒸気を含んだ揚げたてのとんかつを冷凍すると、水分が凍り、解凍後に衣のサクサク感が失われてしまう。また、冷凍庫内の温度が上がり、ほかの食材を傷める原因にもなるので、必ず常温になるまで冷ましてから冷凍する。
2 1枚ずつラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ
1枚ずつラップで包み、重ならないように冷凍用保存袋に入れる。金属製のバットにのせて急速冷凍する(冷凍で約1ヵ月保存可能)。
POINT
揚げた後に冷凍する場合も、1枚ずつラップでしっかりと包む。保存袋の口を完全に閉じて乾燥を防ぐことで、解凍後のパサつきを抑える。長く保存するほど乾燥が進むため早めに食べきること。
【解凍方法】
凍ったまま、200℃に熱したオーブントースターで約4分加熱。衣がカリッとしてきたら上からアルミホイルをのせて衣が焦げるのを防ぐ。肉の中心が温まるまで8~10分程度加熱する。
急ぐ場合は耐熱皿にキッチンペーパーをしいてとんかつをのせ、ラップをかけずに500Wの電子レンジで1分程度(1枚につき)加熱して半解凍し、その後オーブントースターで衣がカリッとするまで加熱する。
解凍後はカリカリ香ばしくジューシーに
オーブントースターで解凍すると衣がカリッと仕上がり、香ばしさがUPする。加熱後、時間が経ってもべちゃっとならず、香ばしさをキープできる。
お弁当に入れるときはひと口サイズが便利
お弁当用なら、とんかつを作る際にあらかじめひと口サイズで作っておくと便利。しっかり加熱して解凍し、粗熱をとってからお弁当に入れましょう。
■とんかつは冷凍食品も便利!
『極上ヒレかつ』