魚の中でも特に傷みやすいと言われているサバの切り身は、購入してすぐに冷凍するのがおすすめ。今回は臭みを和らげるプロの冷凍保存方法と、凍らせることで味がしみ込んで美味しくなる下味冷凍(サバの味噌煮)の方法を、食品の冷凍に詳しい料理研究家、吉田瑞子先生が紹介します。
【サバの冷凍】「臭みを除いてから冷凍」で美味しさ長持ち!
サバはなるべく鮮度がいいものを選んで購入するのが基本。そのうえで、すぐに使わない場合はなるべく早めに冷凍するようにしましょう。塩をふって余分な水分を除いてから冷凍することで、生臭みをやわらげます。パックのまま冷凍するのは、酸化や乾燥の原因になるので、避けること。
【冷凍方法】
1 パックから取り出して塩をふり、10分ほど置く
サバの切り身をパックから取り出す。バットなどに並べ、両面に塩少々をふる。冷蔵庫に入れて10分ほど置く。
POINT
塩をふることで、生臭みの原因となる余分な水分が出てくる。
2 表面の水気をキッチンペーパーで拭き取る
水分をキッチンペーパーでしっかり拭き取る。
3 ひと切れずつラップで包む
乾燥するのを防ぐため、なるべく空気に触れないようラップでひと切れずつぴったりと包む。
POINT
ひと切れずつラップで包むと、凍っている間に魚同士がくっつかず、調理時にひと切れずつ取り出すことができる。塩焼きや味噌煮などに使う予定の場合は、このタイミングで皮目に十文字に切り込みを入れておくといい。
4 冷凍用保存袋に入れる
冷凍用保存袋に入れる。空気を抜いて袋の口を閉じる。
5 トレイやバットの上に置き、冷凍する
アルミやステンレスのトレイやバットの上に置き、冷凍庫で急速冷凍する。2〜3週間保存可能。
【解凍方法/使い方】
塩焼きや味噌煮にする場合は、凍ったままフライパンで蒸し焼きにしたり、煮汁に入れたりして調理する。竜田揚げや南蛮漬けなど切ってから調理する必要のあるものは、電子レンジ(200W)で2切れ(約270g)につき2分加熱し、半解凍にしてから調理する。
冷凍サバの焼き方
- 凍ったままのさばに塩少々をふる。
- フライパンにサラダ油適量を入れて弱めの中火で熱し、❶の皮目を下にして焼く。
- 6〜7分たって皮目に焼き色がついたら裏返してふたをし、弱火で10〜12分焼く。
塩サバはそのまま冷凍保存でOK!
塩水に漬けてから軽く干してある塩サバは、すでに余分な水分が取り除かれているので、そのまま冷凍保存することが可能。ただし、パックのままだと生と同じように乾燥や酸化しやすいので、必ず取り出してラップに包み、冷凍用保存袋に入れてから冷凍を。解凍方法も生のサバと同じでOK。
【下味冷凍レシピ】「サバの味噌煮」は冷凍で美味しく仕上がる!
下味をつけてから冷凍すると、臭みも出にくく、冷凍効果で味がしみこんで美味しく仕上がります。今回は、家庭で定番の「味噌煮」レシピを紹介!
材料(2人分)
- サバ(切り身)…2切れ(1/2尾分)
A
- 味噌…大さじ2と1/2
- 砂糖…大さじ2
- みりん…大さじ1と1/2
- 酒…大さじ2
- 生姜(薄切り)…4切れ
【冷凍方法/作り方】
❶ サバは水分をキッチンペーパーで拭き取り、皮目に十文字に切り込みを入れる。
❷ 冷凍用保存袋でAを合わせ、❶を加えてよくからめる。空気を抜いて袋の口を閉じ、アルミやステンレスのトレイやバットの上に置き、冷凍庫で急速冷凍する。3〜4週間保存可能。
【解凍方法/調理方法】
❸ 凍ったままのサバを鍋にたれごと入れ、水・酒各1/2カップ(各分量外)を加え、強火にかける。
❹ 煮立ったら中火で、ときどき煮汁をサバに回しかけながら5分ほど煮る。
❺ 落としぶた(アルミホイルでもOK)をして、そのまま汁気を飛ばすように7〜8分煮る。
POINT
好みでぶつ切りにした長ねぎを、落としぶたをするタイミングで一緒に加えても。
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