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【魚の正しい冷凍】臭みが気になるなら、方法が間違ってるかも!?

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冷凍された魚介類のイメージ

悩みがちな「魚の冷凍」を徹底解説! 美味しさや鮮度をキープする冷凍・解凍方法から、下処理のポイント、気になる賞味期限(保存期間)などをまとめて紹介します。魚の冷凍にはさまざまな方法がありますが、今回ご紹介するのは、料理家がリアルに実践している、家庭でも試しやすい方法。普段、悩みがちな項目からチェックしてみてください!

【冷凍の基本】臭みを抑えて美味しさキープ・4つの鉄則

鮭の下処理をしている写真

魚介類は鮮度が命ですが、上手に冷凍することで美味しさを長持ちさせることができます。そのためのポイントは次の4つ。

1 鮮度のいい魚を選び、その日のうちに冷凍保存する
魚は傷みやすいため、家庭で安全に冷凍するためには、鮮度のいい魚を鮮度がいいうちに保存することが大切。買ってきたその日のうちに早めに冷凍するのがおすすめです。

2 下処理し、水分を拭き取る
丸ごと1尾の魚の場合は内蔵から傷み始めるため、エラ、内蔵、ウロコは冷凍前に取り除きます。切り身の場合も臭みの原因となるドリップを拭き取ります。また、下処理は衛生的な環境で行うことも大切。魚を触るときは、手をよく洗い、清潔な菜箸やまな板を使って作業します。

3 密閉保存袋できっちり密閉する
魚をラップに包んだだけ、ビニール袋に入れただけの状態で冷凍すると、魚が空気に触れて乾燥や酸化の原因に。ほかの食品へのニオイ移りも気になるため、しっかり密閉できる冷凍用密閉保存袋を使い、空気を十分に抜いて密閉します。

4 急速冷凍を心がける
魚の美味しさをキープしたいなら、急速冷凍が鉄則。魚に厚みがあると冷気が伝わりにくいため、保存袋に入れる際はできるだけ薄くすること。冷凍庫に入れるときは、「急速冷凍室」へ。急冷機能がない場合は、アルミやステンレス製のトレイの上にのせて冷凍庫に入れるといいでしょう。金属は熱の伝導率が高いため、冷凍にかかる時間が短くなります。

【賞味期限】家庭で冷凍した魚、保存の目安は2週間

鮭の冷凍写真

家庭で冷凍する魚の冷凍保存期間は、基本的に2週間程度が目安。ただし、冷凍庫を開ける回数が多いと庫内の温度が上がるため、多少保存期間は変わります。

【解凍のコツ】実践しやすいのは「流水解凍」

冷凍した魚の解凍方法はさまざまですが、美味しさをキープして失敗しにくく、家庭でも実践しやすいのは「流水解凍」です。料理家がおすすめするのがこの方法。調理しやすくドリップが出にくい半解凍状態にするのも、流水解凍なら失敗しにくいです。その他の解凍方法についても解説します。

●流水解凍
ボウルに冷凍した魚を保存袋ごと入れ、流水にあてる。触ってみて、中心がまだかたい状態が半解凍状態の目安です。完全に解凍したい場合は、触ってやわらかくなるまで水にあてましょう。

 

●冷蔵庫解凍
冷凍した魚を保存袋ごと、冷凍庫から冷蔵庫に移すだけ。時間に余裕のあるときにはおすすめの方法。魚の厚みや種類などによって差はありますが、使うタイミングの3~4時間くらい前に冷蔵庫に移して解凍すると半解凍状態に。6時間以上おくと完全に解凍されます。解凍後はできるだけ早めに使い切りましょう。

 

●氷水解凍
氷水に保存袋ごと魚を入れ、随時氷を足して冷たさをキープしながら時間をかけて解凍する方法。時間がかかりますが、鮮度がキープされやすいため、ドリップも出にくくなります。

 

●電子レンジ解凍
電子レンジの解凍モードで解凍する方法。慣れないうちは加熱ムラを起こしやすいので注意が必要です。短めに電子レンジにかけて、こまめに状態をチェックしながら解凍しましょう。

 

●常温解凍
冷凍した魚を常温におく方法ですが、解凍したことを忘れてしまって放置すると、細菌が繁殖しやすい温度帯に長時間さらされることになるため、あまりおすすめできません。

 

【冷凍方法】種類別・魚の下処理&保存のポイント

切り身や丸ごと一尾の魚、貝類や明太子などの魚卵まで、魚介類の種類ごとの下処理と冷凍方法・保存の目安を解説します。

切り身(鮭やたら、ぶりなど)

鮭の切り身の写真

【下処理】

ドリップが出ていたらキッチンペーパーで拭き取る。

【冷凍方法】

冷凍用密閉保存袋に重ならないように平らに入れ、密閉して急速冷凍する。小分けにしたい場合はラップに包んでから保存袋に入れる。

【保存期間】

約2週間

【アレンジ】

醤油+酒、味噌+醤油+みりん、塩麹などで下味をつけてから冷凍してもOK。切り身を焼いて、皮と骨を取り除いて身をほぐしてから冷凍してもよい。

丸ごと一尾(さんま、いわし、さばなど)

さんまの写真

【下処理】

頭、ワタ、エラ、ウロコを取り除いて水洗いする。キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取り、解凍後の調理方法に合わせて切る(3枚おろし、ぶつ切りやそぎ切り)。

【冷凍方法】

冷凍用密閉保存袋に重ならないように平らに入れ、密閉して急速冷凍する。小分けにしたい場合はラップに包んでから保存袋に入れる。

【保存期間】

約2週間

【アレンジ】

酒+生姜のすりおろし、カレー粉+塩などで下味をつけてから冷凍してもOK。すり身にしてから冷凍してもよい。

刺身(マグロ)

まぐろの切り身の写真

【下処理】

キッチンペーパーで水気を拭き取る。

【冷凍方法】

ラップでしっかりと包み、冷凍用密閉保存袋に重ならないように平らに入れ、密閉して急速冷凍する。または、解凍後に焼いて食べやすいよう、醤油+みりんなどで漬けにしてから冷凍する。

【保存期間】

約1週間

【注意点】

市販のマグロは冷凍・解凍後のものも多いため、その場合は冷凍せずにその日のうちに食べきるのがおすすめです。照り焼きや煮付けなど、加熱して食べるのもおすすめです。

いか

いかの写真

【下処理】

胴と足に分け、ワタを取り除く。水洗いしてキッチンペーパーで水気をしっかり拭き取り、解凍後の調理方法に合わせて切る(皮をむく、ぶつ切りにするなど)。

【冷凍方法】

冷凍用密閉保存袋に重ならないように平らに入れ、密閉して急速冷凍する。小分けにしたい場合はラップに包んでから保存袋に入れる。

【保存期間】

約2週間

 

たこ

たこの写真

【下処理】

キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取る。解凍後の調理方法に合わせて切る(そぎ切りにする、足を1本ずつ分けるなど)。

【冷凍方法】

冷凍用密閉保存袋に重ならないように平らに入れ、密閉して急速冷凍する。小分けにしたい場合はラップに包んでから保存袋に入れる。

【保存期間】

約2週間

【注意点】

たこは生とゆでだこが市販されていますが、冷凍するなら「ゆでだこ」を選ぶのが処理がしやすく美味しさもキープしやすいため、おすすめです。生だこは塩でぬめりをとってから、ゆでたものを冷凍しましょう。

えび

えびの写真

【下処理】

頭、殻、背ワタを取り除き、水洗いしてキッチンペーパーで水気をしっかり拭き取る。

【冷凍方法】

冷凍用密閉保存袋に重ならないように平らに入れ、密閉して急速冷凍する。小分けにしたい場合はラップに包んでから保存袋に入れる。

【保存期間】

約2週間

貝(あさり、はまぐり、ほたて、かきなど)

あさりの写真

【下処理】

あさりやはまぐりは、塩水で砂抜きし、キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取る。ほたてやホッキ貝は、殻、ひも、ワタを取り除いて貝柱だけにし、水気をキッチンペーパーで拭き取る(ひもやワタは傷みやすいため冷凍しない)。

【冷凍方法】

冷凍用密閉保存袋に重ならないように平らに入れ、密閉して急速冷凍する。小分けにしたい場合はラップに包んでから保存袋に入れる。

【保存期間】

約2週間

【注意点】

あさりやはまぐりなどは解凍せず、凍ったまま調理します。

干物

干物の写真

【下処理】

なし

【冷凍方法】

冷凍用密閉保存袋に重ならないように平らに入れ、密閉して急速冷凍する。小分けにしたい場合はラップに包んでから保存袋に入れる。
【保存期間
約2週間

【注意点】

干物は干して加工することで賞味期限を延ばしている食品のため、できるだけ早めに食べきるのがおすすめ。

たらこ・明太子

明太子の写真

【下処理】

水気があれば、キッチンペーパーで拭き取る。

【冷凍方法】

冷凍用密閉保存袋に重ならないように入れて平らにして、密閉して急速冷凍する。

【保存期間】

約2週間

【注意点】

たらこや明太子は加工することで賞味期限を延ばしている食品のため、できるだけ早めに食べきるのがおすすめ。生のままで心配な場合は、焼いてから食べるのもおすすめです。

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