迷いがちな市販の冷凍ホタテの解凍方法。生食用のものをお刺身として食べるなら、氷と塩を使ってゆっくり解凍するのがおすすめです。また、炒めものは半解凍、煮込み料理は凍ったまま加熱するなど、レシピに合わせた方法で解凍すればさらに美味しさがアップ。用途別の正しい解凍方法を、料理研究家の吉田瑞子先生に教えてもらいました。
【生食】は「氷+塩」でゆっくり解凍
刺身やカルパッチョなど生食する場合は、氷と塩を使ってゆっくり解凍するのがおすすめです。塩の効果で0℃前後の低い温度を長時間保てるためドリップが出にくく、また浸透圧の働きで水っぽくなりにくいので、冷凍前の状態に近い旨みや食感が楽しめます。塩味は付かないので、刺身で食べるときも安心です。
※必ず生食用の冷凍ホタテを使用する。
【準備するもの】(2人分)
- 冷凍ホタテ(生食用)…8個程度(約120g)
- 氷…約350g
- 塩…約7g(小さじ1強)
- ボウル
- ラップ
- キッチンペーパー
1 ボウルに氷を入れ、塩を加えてかき混ぜる
約350gの氷に対し、小さじ1強(約7g)の塩を加えたあとに手でよくかき混ぜて全体に塩を行き渡らせる。塩の量は、氷の2%程度が目安。
2 凍った状態の冷凍ホタテを入れ、ラップをかける
冷凍ホタテが表面に出たり、重なったりするのを避けて、氷と氷の間に挟むようにして入れる。
3 1時間半~3時間常温に置き、ホタテが解凍されたら取り出して水気をよく取る
ホタテのサイズや気温によっても解凍時間が異なるので、常温に置いてから1時間半ほど経ったら、ホタテを1つ取り出してみて解凍されているか確認する。まだ凍っている場合は、ホタテをボウルに戻して約30分ごとに様子を見ながら解凍を続ける。解凍できたらボウルから取り出し、キッチンペーパーで水気をよく拭き取る。
POINT
指でつまんでみて、芯がなく全体的にやわらかくなっているのが全解凍された状態。カットして食べる場合は、半解凍程度のややかたさがある状態で取り出すと扱いやすい。
4 食べやすい大きさにカットする
水気を取ったら、そのまま、もしくは食べやすい大きさにカットして皿に盛る。水っぽさを感じさせないプリプリとした食感と、ホタテの濃厚な旨みが楽しめる。
急ぐ場合は塩水解凍がおすすめ
急いで解凍したい場合は、3%の食塩水(冷凍ホタテ8個につき水300ml、塩小さじ1と1/2※約9g)に凍ったままの冷凍ホタテを入れて解凍する。解凍時間は夏場で約15分、冬場で約30分が目安。氷でゆっくりと解凍するときよりもやや食感が落ちるが、塩の効果で水っぽくなりにくく旨みの流出も抑えられる。
【焼き物や炒め物】は「半解凍」にしてから加熱調理
バター焼きや中華炒めなどフライパンで加熱調理する場合は、「半解凍」の状態にしてから使うと、生焼けや旨みが抜けてしまうのを防げます。電子レンジ解凍はドリップが出やすいため、冷蔵庫で解凍するのがおすすめです。
必要な分をバットや深さのある皿などに乗せ、ラップをかけて冷蔵庫に入れる。8個(約120g)あたり約3時間で半解凍の状態になる。電子レンジで解凍する場合は、電子レンジ(200W)で約2分加熱。半解凍の状態で、フライパンなどで加熱調理する。
【煮込みやスープ】は凍ったまま加熱調理
シチューなどの煮込み料理やスープ、炊き込みごはんにして食べる場合は、凍ったまま調理すると美味しさを逃がしません。
凍った状態で料理に加え、生のホタテと同じように調理する。
ボイル済みの冷凍ホタテも半解凍or凍ったまま調理
ベビーホタテなどボイル済みの冷凍ホタテを加熱調理する場合も、生食用の冷凍ホタテと同様に、炒めものの場合は半解凍、煮込み系の料理は凍ったまま調理する。また、サラダなど冷たい状態で食べたい場合は冷蔵庫解凍がおすすめ。ラップをかけ、冷蔵庫に12個(ベビーホタテ約100g)あたり約3時間半おいて全解凍してそのまま使う。