生牡蠣は購入後3日くらいしか日持ちしませんが、冷凍すれば1ヵ月ほど保存できます。今回は「冷凍生活アドバイザー」の根本早苗先生に、生牡蠣のプリプリ感を保ちながら、長期保存するテクニックを教えてもらいました。冷凍牡蠣を使った簡単なレシピもあわせて紹介します。
【牡蠣の冷凍】プリプリ食感を保つテク
「むき牡蠣にはぬめりや汚れが残っていますので、必ずよく洗いましょう。お手軽な、片栗粉を使った方法を紹介します」(根本早苗先生)
1 片栗粉&塩水で汚れを取り除く
ボウルに牡蠣を入れ、片栗粉(牡蠣1個に対して小さじ1/2くらい)をふりかけ、粉っぽさがなくなるまでやさしく混ぜる。別のボウルに水を入れ、水に対して3%の塩を加えてよく溶かす。塩水に牡蠣を移し、片栗粉を洗い落とす。(塩水は水500ml、塩15gが目安)
POINT
水に対して3%の塩を混ぜると海水と近い塩分濃度になる。その中で洗うと牡蠣の水分が外に逃げず、身が縮みにくくなる。
2 水分を拭き取る
キッチンペーパーを使って、牡蠣の水分を拭き取る。
POINT
牡蠣は繊細。身が崩れないように、キッチンペーパーでやさしく押さえるようにして。
3 バットに並べて冷凍する
バッドに牡蠣が重ならないように並べて、ラップをかけずに1時間冷凍する。
POINT
牡蠣同士がくっつかないように、まずは金属製バットで表面を凍らせる。
4 冷凍用保存袋に入れて冷凍
冷凍用保存袋に牡蠣を入れ、保存袋の中の空気を押し出すように口を閉じる。冷凍庫で1ヵ月ほど保存可能。
■殻付き牡蠣は殻ごと冷凍できる!
殻付き牡蠣の場合は、殻ごと冷凍保存できます。殻ごと冷凍し、電子レンジで解凍すれば、大変な殻むきがラクになるので便利です。
- ボウルに水を入れて殻付き牡蠣を浸し、殻に付いた汚れを落とす。
- 表面の水分をキッチンペーパーで拭き取り、冷凍用保存袋に入れて冷凍する。冷凍庫で1ヵ月ほど保存可能。
■殻付き牡蠣の解凍方法はこちら
■殻付き牡蠣の殻の開け方はこちら
【牡蠣の解凍】塩水解凍で縮まない!
「冷凍した牡蠣は必ず塩水で解凍してから使いましょう。冷凍状態のままだと加熱に時間がかかり、身が縮む原因にもなります」(根本早苗先生)。
1 袋から出して、塩水解凍する
使う分だけ牡蠣を取り出し、濃度3%の塩水に浸して30分〜1時間程度解凍する。
(塩水は水500ml、塩15gが目安)
POINT
解凍するときも塩水がマスト。牡蠣の水分が外に逃げず、生のようなプリプリ食感が復活する。
■殻付き牡蠣は電子レンジ解凍がおすすめ!
「殻付きのまま冷凍した牡蠣は、電子レンジで解凍すると殻むきがラク。蒸し牡蠣のような見た目になりますが、牡蠣の表面に軽く熱が入っているだけなので、必ず加熱調理してください」(根本早苗先生)
- 耐熱皿に殻付き牡蠣をのせ、ラップをふんわりかけて、500Wの電子レンジで4分加熱する。必ず1個ずつ解凍すること。
- 牡蠣の殻に隙間ができるため、テーブルナイフを差し入れて殻をひらく。殻を触るときは軍手をすると安全。
- 殻から身を取り出し、濃度3%の塩水で洗う。
※牡蠣の身は必ず洗うこと。殻を利用して蒸し牡蠣やグラタンにする場合も同様。
【冷凍牡蠣の簡単レシピ】下処理済みなので手軽に作れる!
「牡蠣の白ワイン蒸し」
プリプリの牡蠣はもちろん、牡蠣のエキスが染み込んだ玉ねぎも美味しい!
材料(2人分)
- 冷凍牡蠣…8個(約170g)※解凍済みのもの
- 玉ねぎ…1/2個
- 白ワイン…1/2カップ※酒で代用可
- 塩…少々
- オリーブ油…大さじ1
- (あれば)イタリアンパセリ…少々
作り方
- 玉ねぎを薄切りにする。
- フライパンにオリーブ油を中火で熱し、❶をさっと炒める。白ワインを加えて、牡蠣を玉ねぎの上にのせる。
- フライパンのふたをして、中火で約5分蒸し焼きにする。塩で味を調える。
- 器に盛りつけ、あればイタリアンパセリを散らす。
「牡蠣の和風ガーリックソテー」
こってりとした甘辛味が牡蠣にからんで、ごはんのお供にピッタリ!
材料(2人分)
- 冷凍牡蠣…8個(約170g)※解凍済みのもの
- にんにく(みじん切り)…1片分
- 片栗粉…大さじ1
- バター…小さじ2
- 酒…大さじ1
- 塩・こしょう…各少々
- 醤油…小さじ1
- みりん…小さじ1
- (あれば)大葉(千切り)…1枚分
作り方
- 牡蠣に塩・こしょう・片栗粉をまぶす。
- フライパンでバターを熱して、にんにくを加えて香りを出し、❶炊飯釜にを入れて中火で約1分焼く。
- 酒を回し入れ、ふたをして約2分蒸し焼きにする。
- 醤油・みりんを入れて牡蠣に煮からめる。
- 器に盛りつけ、あれば大葉をのせる。
「牡蠣と生姜の炊き込みごはん」
お子さんも食べやすいよう、生姜は控えめのレシピです。お好みで生姜を倍量にしても!
材料(2合分)
- 冷凍牡蠣…8個(170g)※解凍済みのもの
- 米…2合
- 生姜(千切り)…10g
- あれば万能ねぎ(小口切り)…少々
A
- だし…2/3カップ
- 醤油…大さじ2
- 酒…大さじ1
- みりん…大さじ1
作り方
- 米は研いで30分ほど吸水させる。
- 炊飯釜に❶を入れ、上から生姜・牡蠣をのせる。さらにAを加える。
- 炊飯釜の2合の目盛りまで水を加え、通常の炊飯と同様、白米モードなどで炊飯する。
- 器に盛りつけ、あれば万能ねぎをのせる。
【殻付き牡蠣のむき方】知ってると便利!
知っていると便利な殻付き牡蠣のむき方をご紹介。ケガをしないように軍手をしてください。
道具
- 軍手
- ふきん
- ドライバー(工具)
- テーブルナイフ
1 ふきんの上に平たい方を上にして置く
平たい方が上、蝶つがい部が左になるようにふきんの上に置く。
2 牡蠣の殻の合わせ目にドライバーを差し入れる
点線のあたりが殻の合わせ目。マイナスドライバーをぐりぐりと差し込む。
3 ドライバーをテーブルナイフに持ち替えて、貝柱を探す
貝柱は、平たいほうの殻の合わせ目のあたりにある。テーブルナイフを左右に動かしながら貝柱をそぎ切る。ナイフでケガをしないように気をつけて。
4 殻を開ける
貝柱を切り離すと、牡蠣の殻は簡単に開けられる。
5 残りの貝柱をテーブルナイフで切り離す
牡蠣の殻と身の間にテーブルナイフを差し入れ、下の殻の貝柱を切り離す。