冷凍ガニを自宅で解凍して、水っぽくなってしまったことはありませんか?
カニの旨みをキープし、水っぽくなりにくい方法を、カニ通販専門「かに吉」店長の瀬山秀俊さんに教えてもらいました。
冷凍ガニの解凍は「氷水解凍」が正解!
理由①:氷水解凍は「旨み」が流れ出にくい!
カニを解凍するとき、カニの温度と周りの温度に差があると、ドリップと呼ばれる旨みの含まれた水分が外に出やすくなります。また、急激な温度変化は細胞の破壊につながるので、食感や味が落ちる原因に。氷水は冷凍ガニとの温度差が少ないので美味しく解凍できるのです。
理由②:冷蔵庫や常温解凍より「早い」!
「氷水だと時間がかかるのでは?」と思いませんか? でも水は空気より熱伝導率が高いため、冷蔵庫や常温で解凍するよりも短時間で解凍できるのです。
冷凍ガニを氷水解凍する方法
ここではタラバガニを使って説明しますが、毛ガニ、ズワイガニなど、ゆでて冷凍したカニならすべて同様に解凍できます。
1 冷凍カニより大きめの容器に、氷水を用意する
冷凍ガニを購入したときの発泡スチロール製の箱、またはボウルや鍋など、カニが入る大きさの容れ物に氷を入れて氷水を作ります。水10に対して氷が3になるくらいの量の氷を入れましょう。
2 冷凍ガニを袋に入れて沈める
冷凍ガニを大きなビニール袋などに入れて、氷水に入れます。水が入らないよう、袋の口は箱の外へ出しておきます。
3 カニが浮かないように重石をする
皿やまな板などで重石をし、カニ全体が氷水に浸っているようにします。室温が高くて氷がすぐ溶けてしまう場合は、都度氷を追加しましょう。
4 ときどきチェックして、氷の膜を落とす
解凍中、袋に氷の膜が付くことがあります。そのままにしておくと温度が低くなりすぎて解凍が進まないので、見つけたら剥がして水に戻しましょう。
5 甲羅や殻を指で押し、弾力を感じたら解凍完了
解凍時間は500gのカニで3時間が目安。カニがもっと大きい場合は、30分〜1時間ほど長めに解凍して様子を見ましょう。指で甲羅や殻を押してみて、弾力があれば解凍できています。解凍したカニはその日のうちに食べましょう。再冷凍は厳禁です。
解凍時間の目安
- タラバガニ(姿)の場合 5時間
- タラバガニ(脚)の場合 4時間
- ズワイガニ(姿)の場合 4時間
- ズワイガニ(脚)の場合 3時間
- 毛ガニの場合 3時間
【豆知識】美味しいカニを選ぶポイントは?
カニは大きさや産地によって味が大きく変わることはありません。自分の目で見てカニを選ぶときのポイントは次の2つ。
- タラバガニやズワイガニの場合、甲羅にフジツボや黒い点(カニビルの卵)が付着している
- 毛ガニの場合、持ってみてずっしり感がある
どちらもよく身が詰まった美味しいカニの特徴です。ただし、流通時の凍結方法や保管状況で味が大きく落ちてしまうことがあるので、「信頼できるお店かどうか」も重要なチェックポイント。実店舗で購入するなら事前にお店の評判を調べ、ネット通販なら業者のプロフィールや評価などを確認するとよいでしょう。
調理協力:根本早苗