いつでも安くて家計にやさしい「もやし」。ですが、傷みやすいのでうっかりダメにしてしまいがち……。あるある! と思った方はぜひ冷凍を。 生の状態より長持ちし、必要なときにすぐに使えて便利です。そこで今回は、もやしの冷凍のコツと、冷凍もやしの味わいを活かしたレシピを料理研究家の阪下千恵先生に教えてもらいました。
「買ってきた袋のままでもOK?」「美味しさキープのコツは?」「賞味期限は?」といった、気になる疑問にもお答えします。
冷凍もやしって美味しいの? まずは、生との違いを解説
もやしの「生」と「冷凍」、どちらも同じ時間ゆでたものを比較してみます。見た目は冷凍もやしの方がカサが低く、食感もしんなり。それは、冷凍する際に細胞が壊れて水分が抜けているからです。シャキシャキ感は生より劣りますが、調理方法次第で生より美味しく食べられるんだそう。
「味の染み込みがよくなるので、炒めものやスープなどの加熱調理に使うと美味しくなるんです」と、阪下先生。保存期間は、生だと冷蔵庫で2〜3日程度で悪くなりますが、冷凍だと冷凍庫で2週間程度保存できます。
美味しさキープにコツあり! もやしの正しい冷凍方法
もやしはパッケージに「洗わずにそのまま使えます」と書かれているものもあり、買ってきた袋のまま冷凍されることもあるようですが、一度洗うのが美味しさキープのコツです。冷凍庫で約2週間保存可能。冷凍後は袋の上から軽くもむとほぐれるので、使いたい分だけ使えます。
- もやし1袋(約200g)で1回分。
- Mサイズの冷凍用密閉保存袋に入れる
- 冷凍庫で約2週間保存可能
1 もやしを流水で洗って水気をきる
洗わなくても冷凍はできますが、洗うことで特有の臭みも軽減できます。水気が残っていると霜の原因になるので、しっかり切りましょう。
2 Mサイズの冷凍用密閉保存袋に入れて、冷凍する
もやし1パック=約200gは、Mサイズの冷凍用密閉保存袋にちょうどぴったり入ります。全量入れたら空気を抜いて冷凍します。冷凍庫で約2週間保存可能。
【解凍方法】凍ったまま加熱調理する
使うときは冷凍状態のままでOK。袋の上から軽くもむと、もやしがバラバラになって使う分だけ取り出しやすくなります。※冷凍もやしは生ではなく、必ず加熱調理に使いましょう。
【レシピ①】もやしが具材によく馴染む 「豚肉ともやしとピーマンの中華風炒め」
冷凍もやしはあっという間に解凍するので、凍ったままでも生と同様に調理に使えます。しんなりとして他の具材と一体となるので食べやすく、調味料や具材の味わいも含んで美味しく仕上がります。
材料(2人分)
A
- オイスターソース…大さじ1
- 酒…大さじ1/2
- にんにくのすりおろし、生姜のすりおろし…各小さじ1/2
- 片栗粉…小さじ1(小さじ2の水で溶く)
作り方
1 豚バラ薄切り肉は4㎝幅に切り、塩、こしょうをする。ピーマンは細切りにする。
2 フライパンにごま油を熱して中火で豚肉を炒め、色が変わったらピーマンを加えて1~2分炒める。中火~中強火にし、冷凍もやしを凍ったまま加えて1~2分炒める(水分が多く出てきたら、キッチンペーパーでサッと吸い取る)。
3 2に合わせたAを加えてさっと炒め合わせる。
【レシピ②】味が染み込みやすい! 「ハムともやしときゅうりのサラダ」
冷凍もやしはサッと湯通しするだけでしんなりするので、生からゆでた場合よりも味のなじみがいいです。サッと和えただけでもドレッシングがしっかり染み込みます。
材料(2人分)
A
- 塩、こしょう…各少々
- 酢…大さじ2/3
- オリーブ油…大さじ1と1/2
作り方
1 沸騰した湯で冷凍もやしを1~2分ゆで、ざるに上げ、水気をしっかりと切って冷ます。
2 きゅうり、ハムは千切りにする。
3 ボウルに1、2、Aを入れてよく混ぜ合わせる。
※【豆知識】生のまま冷凍して、大丈夫なの?
野菜の冷凍は、ブランチング(下ゆでしたり、蒸したりする加熱調理のこと)してから冷凍することもありますが、これは野菜内の酵素を失活させて変色を防ぐため。でも、早めに使いきるなら生で冷凍しても大丈夫です。ただし、食べるときは必ず加熱調理してください。