スーパーで見かけることが増えてきたホンビノス貝。はまぐりに比べると価格が手頃ということもあり、「買ってみたい」と思うものの、どんな味? 下処理は? など気になる疑問がいろいろ。
今回はそんな、気になる食材「ホンビノス貝」についてまるっと解説! ホンビノス貝の魅力と塩抜き方法をかねはち水産の内海金太郎さんに、おすすめレシピと上手な保存方法を管理栄養士の松村眞由子先生に教えてもらいました。
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目次
- ホンビノス貝、【はまぐり】とどう違う?
- ホンビノス貝の【味や食感】は?
- ホンビノス貝の【価格】と【旬】は?
- ホンビノス貝の【下処理】は?
- ホンビノス貝を使ったおすすめレシピ、美味しい【食べ方】は?
- 【冷凍保存】すれば手軽に使える!
ホンビノス貝、【はまぐり】とどう違う?
●ホンビノス貝はもともと北米に生息、はまぐりは在来種
ホンビノス貝はあさりやはまぐりと同様、海に生息する二枚貝です。もともと北米大陸東海岸に生息していて、アメリカではよく食べられていました。日本へ入ってきたルートには諸説ありますが、2000年前後から日本でも繁殖し、現在、千葉県の船橋市や市川市で多く採取されています。はまぐりは古くから日本で獲れる在来種です。
●大きさ…はまぐりよりやや小さい〜大きいものまで様々
写真のはまぐりは横幅7.5cm、ホンビノス貝は一般的な大きさで約6cm。ホンビノス貝は横幅5cmほどのものから10cmを超えるものまであり、英語では大きくなるにつれてlittleneck→topneck→cherrystone→quahog(またはchowder clam)と名前が変わっていく「出世魚」のような貝です。日本では、見た目の印象から「白はまぐり」や「大アサリ」という名前で売られていることもあります。
●厚み…ホンビノス貝の方が厚みがある
貝殻のふちの部分は、はまぐりの方が厚みがありますが、ホンビノス貝は貝そのものの厚みがあります。ホンビノス貝の方がずんぐりむっくりした印象です。
●貝殻の色…はまぐりは赤みがかっているものが多い
貝殻の色には個体差がありますが、比べるとはまぐりは赤みがかっているものが多いです。ホンビノス貝の貝殻は水揚げしてすぐは黒っぽいのですが、時間が経つにつれて黒みが少しずつ抜け、白みがかってきます。
●貝殻の形…ホンビノス貝は左右非対称
はまぐりは左右対称に近い形をしていますが、ホンビノス貝は蝶番のあたりが少し凹んでいて、左右非対称です。
ホンビノス貝の【味や食感】は?
ホンビノス貝は風味が濃く、肉厚で食べ応えがあります。はまぐりのようなぬめりはありません。はまぐりは上品な旨みがあり、ホンビノス貝と比べるとやわらかいのが特徴です。ホンビノスの身の色は黄色がかっていますが、はまぐりは薄いピンクで大ぶりです。
ホンビノス貝の【価格】と【旬】は?
ホンビノス貝は1年を通して獲ることができ、一度に獲れる量も多いので、はまぐりよりも手頃な価格で流通しています。はまぐりの半値以下で購入できることが多いでしょう。また、ホンビノス貝は通年で流通していますが、産卵前で身入りがよくなる春と秋は特に美味しいと言われています。
ホンビノス貝の【下処理】は?
砂抜き不要なのでそのまま使えます。ただし塩気が多いので、調理の際は汁物の場合は水を多めに使うなどして、塩味を和らげましょう。塩分を含む調味料は味見をしながら少しずつ加えてください。調理の前に塩抜きをする方法もあります。
ホンビノス貝の塩抜き方法
1 表面を洗う
口が開いている貝や、腐敗臭のする貝を取り除く。表面の溝に砂が挟まっている場合があるので、水で米を研ぐようにガラガラとすすぐ。
2 バットに貝を並べ、水を入れて2時間おく
バット(なければボウル)に、貝がひたひたになるくらい水を入れ、2時間そのままおく。あさりなどのように水管を外に出さないので塩抜きできたかどうかわかりにくいが、時間になったら水から引き上げてOK。
※塩抜きをしても塩が抜けきらないことがあるので、料理に使う際は味をみながら調味する。
ホンビノス貝を使ったおすすめレシピ、美味しい【食べ方】は?
酒蒸しや網焼きにしても美味しいですが、貝のだしの香りとふっくらした身を一緒に味わえる「潮汁」もおすすめ。はまぐりやあさりを使った潮汁と比べると、大きくて味の濃い身の存在感を感じられるはずです。
●ホンビノス貝の「潮汁」レシピ
材料(2人分)
- ホンビノス貝…中2個
- 水…350㎖
- 昆布…3㎝
- 酒…大さじ1
- 醤油…2~3滴
- 塩…少々
- 三つ葉…1本
- 柚子(あれば)…少々
作り方
- 鍋に分量の水を入れ、昆布を入れて30分おく。
- 三つ葉は3㎝程度に切る。柚子は皮を1㎝の円形にそぐ。
- ❶を弱めの中火にかけ、沸騰直前に昆布を取り出す。ホンビノス貝と酒を入れ、アクをとる。
- ホンビノス貝の口があいたら、醤油を加えて味見をし、塩で味をととのえる。
- 椀に盛り付け、三つ葉、柚子を添える。
※ホンビノス貝は個体によって塩気が異なるので、必ず味見をしてから塩を加えましょう。加えなくてもよい場合もあります。
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【冷凍保存】すれば手軽に使える!
ホンビノス貝は冷凍保存OK。塩抜き後に冷凍しておけばすぐに使えて便利です。
【冷凍方法】
塩抜き後のホンビノス貝の水気をペーパータオルでよく拭き取り、冷凍用保存袋に入れる。袋の口を閉じ、金属製のバットの上に置いて冷凍する。冷凍庫で1ヵ月程度保存可能。
【解凍方法】
凍ったまま潮汁や酒蒸し、クラムチャウダー、パスタなどの料理に加えて加熱する。調理前に解凍すると身が痩せるのでNG。
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