グリーンアスパラガス(アスパラ)をゆでると、水っぽくなったり、部分によって食感がバラバラになってしまったりすることも。そこで、野菜ソムリエプロの根本早苗先生に、おすすめのゆで方を教えてもらいました。レンジ加熱の方法、炒める方法、冷凍方法も解説します。
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アスパラは加熱前の下処理が大事!
アスパラを美味しく食べるには、この一手間が重要なポイント。根元付近は皮の繊維が強くてかたいので、ピーラーで皮をむきましょう。
1 アスパラの切り口を切り落とす
切り口は乾燥しているので、2〜3mm切り落とす。
2 穂先と根元を持ってしならせ、折れそうなところから下の皮をむく
アスパラをまな板の上に置いて片手で穂先を押さえ、もう片方の手で根元を持ってしならせると、折れそうなところがわかる。皮はピーラーでむくと簡単だが、なければ包丁でそぐようにしてむく。
※根元の直径が1cmに満たないような細いアスパラの場合は、全体が筋っぽいので穂先近くまで皮をむくとよい。
※はかま(茎についている三角の部分)は食べられるので取り除く必要はないが、苦味や食感が気になる場合はゆでてから手で引っ張って取る。
アスパラのゆで方は「切らない・水少し・1分半」がベスト!
アスパラを歯ざわりよく甘く仕上げるには、先に切らずに、フライパンに少量の水を沸かし、「30秒+1分=1分半」でゆでるのがコツ。切ってからたっぷりの湯でゆでるよりも水っぽくならず、ビタミンB1・B2の流出を減らすこともできます。
1 フライパンに少量の湯を沸かし、根元を30秒ゆでる
アスパラがすっぽり入る大きさのフライパンに、アスパラ3本あたり約70ml(6本なら約140ml)の水を入れる。強火にかけて沸騰したら、中火にして、かたくて火が通りにくい根元だけ先に30秒ゆでる。熱くないように穂先を持ち、根元をフライパンに押し付けてしならせるとよい。
※手がフライパンに触れてやけどしないように注意する。
2 全体を入れる
このあと蒸しゆでにするので、全体が湯に沈んでいなくてもよい。
3 塩をふり、ふたをして1分蒸しゆでにする
塩少々を全体にふりかけ、ふたをする。塩を加えるのは、湯の温度を下がりにくくするのと、アスパラの褐変を防いで鮮やかな緑色にするため。
※太いアスパラも細いアスパラも繊維の本数は同じなので、どんな太さでも蒸しゆでの時間は1分でOK。ただし時期外れの細いものは筋っぽいので、時間にかかわらず食感はかためになる。
※切り口から水がにじむほどみずみずしいアスパラの場合、蒸しゆで時間は30〜40秒でOK。
4 ザルにあげ、手早く冷まして切る
ザルにあげてアスパラを隙間を空けて並べる。余熱で火が通りすぎると味が落ち、緑色も濁るので、ザルの底面に小鉢などをおいて空気の流れを作って早く冷ますとよい。冷めたら食べやすい長さに切る。
アスパラの電子レンジ加熱方法
コンロが他の鍋でふさがってしまっている、お弁当の彩りなどに少しだけ使いたい、というときは電子レンジも便利です。
下処理をしたアスパラ3本を、耐熱皿に間隔を空けて並べる。塩少々をふり、ラップをふんわりかけて600Wの電子レンジで1分加熱する。1本だけならラップに包み、600Wで30秒加熱。
アスパラの炒め方
アスパラは下ゆでせずに炒めてもOK。短時間で火が通りやすい「斜め薄切り」にして炒めるのがおすすめです。アスパラに含まれるカロテンは油と一緒に摂取すると吸収率がアップします。
下処理をしたアスパラを斜め薄切りにする。油をひいたフライパンに、根元部分と塩少々を入れ、中火にかける。30秒ほど炒めたら、残りのアスパラを加えてさらに1分炒める。
※太いアスパラの場合は根元部分を炒める時に小さじ1程度の水を加え、水気を飛ばすように炒める。
アスパラの冷凍保存方法
アスパラは鮮度が落ちやすいので、買ってすぐに食べない場合は冷凍保存がおすすめ。短く切って冷凍すると切り口から水分が蒸発してスカスカになりやすいので、1本のまま冷凍しましょう。
【冷凍方法】
下処理をしたアスパラを1回使用分ずつラップに包んで冷凍用保存袋に入れ、袋の口を閉じる。金属製バットに置き、上に保冷剤をのせて冷凍する。冷凍庫で1ヵ月程度保存可能。
【解凍方法】
凍ったまま好きな長さに切り、加熱する。かたく凍っていて切れない場合は常温で少しおいてから切る。
【豆知識】生のまま冷凍して、大丈夫なの?
野菜の冷凍は、ブランチング(下ゆでしたり、蒸したりする加熱調理のこと)してから冷凍することもありますが、これは野菜内の酵素を失活させて変色を防ぐため。でも、早めに使いきるなら生で冷凍しても大丈夫です。ただし、食べるときは必ず加熱調理してください。
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