たけのこは傷みやすいので、冷蔵庫でも日持ちがしません。そこで食べきれないときにオススメしたいのが冷凍保存。美味しく冷凍保存するコツを野菜ソムリエプロの根本早苗先生に教えてもらいました。ゆで方(アク抜き)の方法もおさらいしましょう。
たけのこの冷凍で失敗しないポイント
ゆでたたけのこはそのまま冷凍すると筋っぽくなったり、スカスカになったりしがち。美味しく冷凍するポイントは「繊維を分断して薄く切る」「水分が外に逃げないように閉じ込める」の2つです。これらのポイントをおさえたオススメの冷凍方法を紹介します。
たけのこの冷凍方法①だし汁に浸す
たけのこの中の水分が抜けてスカスカにならないように、だし汁に浸す方法。水分を保持できて風味が抜けにくいので、この方法が最もおすすめです。だし汁ではなく、コンソメスープや水に浸してもOKです。
1 たけのこを小さく切る
アク抜き済みのたけのこを切る。先端の数センチは輪切り。その下は2つ割りか4つ割りにし、厚さ5mm以下の半月切りまたはいちょう切りにする。炊き込みごはんなど、用途が決まっていればもっと小さく切ってもOK。
2 冷凍用保存袋にだし汁と一緒に入れ、冷凍する
たけのこを冷凍用保存袋に入れ、だし汁を全体が浸かるくらい加え、袋の口を閉じる。
金属製バットに置き、上に保冷剤をのせて冷凍する。冷凍庫で1ヵ月程度保存可能。
【解凍方法/使い方】
たけのこをだし汁ごと冷凍用保存袋から出して鍋に入れ、火にかけて沸騰させてから使用する。たけのこだけ使ってもよいが、だし汁もそのまま煮ればスープなどに使える。
たけのこの冷凍方法②砂糖をまぶす
砂糖の保水効果を利用して、スカスカになるのを防ぐ方法。「①だし汁を使った冷凍方法」では、たけのこだけを料理に使いたい場合、鍋で沸騰させてだし汁と分ける必要がありますが、こちらの方法ならそのまま使えます。解凍後はほとんど甘みを感じないのでどんな料理にも使えますが、気になる人は煮物などにしましょう。
1 たけのこを小さく切る
先端の数センチは輪切り。その下は2つ割りか4つ割りにし、厚さ5mm以下の半月切りかいちょう切りにする。炊き込みごはんなど、用途が決まっていればもっと小さく切ってもOK。
2 砂糖をまぶしてラップに包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍する
砂糖がたけのこの表面をうっすらと覆うように、両面にまんべんなくまぶす。1回使用分ずつラップに包み、冷凍用保存袋に入れ、袋の口を閉じる。
金属製バットに置き、上に保冷剤をのせて冷凍する。冷凍庫で1ヵ月程度保存可能。
【解凍方法/使い方】
凍ったまま煮物、汁物などに加えて加熱調理する。
たけのこのゆで方(アク抜き)の方法
たけのこを冷凍するときは、事前にアク抜きしておく必要があります。ここでは米ぬかと赤唐辛子を使う方法を紹介します。米ぬかはたけのこのえぐみを抜きながらやわらかくする役割、赤唐辛子はぬか臭さを和らげ、保存期間を長くする役割があります。
1 穂先と根元を切り落とし、切れ目を入れる
穂先5cm程度と根元のかたい部分を切り落とし、縦に深さ2cm程度の切れ目を入れる。切れ目を入れることで、火が通りやすく、アクも抜けやすくなる。また、ゆでた後に皮をむきやすくなる効果もある。たけのこの根元に紫色のイボがあればそぎ落とす。
2 鍋にたけのこ、米ぬか、赤唐辛子、水を入れる
たけのこ2~3本に対して、米ぬか1カップと赤唐辛子2本が目安。水はたけのこがかぶるまで入れる。米ぬかの代わりに生米(たけのこ2〜3本に対して大さじ4杯)を入れてもよい。
3 落としぶたをして強火にかけ、沸騰したら弱火で1時間ゆでる
落としぶたをするのは、たけのこが浮いて空気に触れると酸化して色が悪くなるため。沸騰後は、吹きこぼれないように弱火にする。
4 鍋のまま冷ます
たけのこの根元の太い部分に竹串を刺してみて、スッと通れば火が通っている。鍋のまま徐々に冷ますことでアクが抜ける。流水などで急激に冷やすとアクがきちんと抜けないので注意。粗熱が取れたら料理に使用できるが、しっかり冷ますほうがよりアクが抜ける。
5 皮をむき、不要な先端を切り落とす
たけのこを水で洗ってぬかを流し、切れ目から皮を5枚程度むく。穂先部分はさらに数枚皮をむく。
穂先を切り落とす。そのとき、先から包丁でトントンと叩いていき、刃先がスッと入った場所で切る。落とした部分はかたい皮なので食べない。やわらかい皮は食べられるので、すべて取り除く必要はない。
根元の粒が写真右のように黒や紫に変色している場合はそぎ落とす。(写真左は変色していないのですべて食べられる)
■旬の食材の冷凍・保存方法を他にも数多く紹介しています