おせち料理に欠かせない数の子。数の子は「塩漬け」と「味付け」の2タイプがあります。塩漬け数の子はそのままで長期保存できますが、味付け数の子は日持ちしないので冷凍保存がおすすめ。料理研究家の吉田瑞子先生が、プチプチ食感をキープする保存方法を教えます。後半では塩漬け数の子の塩抜き方法と、味付け数の子の作り方も紹介!
数の子は2タイプ。冷凍できるのは「味付け」だけ
スーパーなどの店頭に並ぶ数の子は、2種類あります。長期保存できるように生の数の子を強めの塩で漬けた「塩漬け数の子」と、塩漬け数の子の塩を抜いて薄皮をむき、新たに味付けし直した「味付け数の子」です。見た目はほとんど同じに見えますが、塩漬け数の子には白い薄皮がついています。
■塩漬け数の子→パッケージを開けずに冷蔵庫へ
【保存期間】未開封の場合、冷蔵庫で1~3ヵ月ほど保存できる
【注意点】塩漬け数の子を冷凍すると、薄皮が弾けて数の子の粒がバラバラになり、食感が損なわれるので冷凍保存はNG。
■味付け数の子→冷凍保存がおすすめ!
【保存期間】市販品、手作りともに冷凍庫で2~3週間
【注意点】冷蔵保存するときは、市販品はパッケージの賞味期限を要確認。未開封の場合はパッケージの賞味期限まで。市販品の味付け数の子を開封した場合は、冷蔵庫で5日ほど。手作りした味付け数の子は、冷蔵庫で3日ほど。
【数の子の冷凍】漬け汁ごと冷凍でプチプチ食感をキープ
味付け数の子は漬け汁ごと冷凍することで乾燥を防ぎ、プチプチとした食感を保つことができます。市販品で漬け汁ごとパックに入っている場合は、未開封の状態でそのまま冷凍できます。
【冷凍方法】
1 冷凍用保存容器に味付け数の子を漬け汁ごと入れる
冷凍用保存容器に数の子を入れ、数の子が浸るくらいの漬け汁を加えて汁もれしないようにしっかりとふたをする。漬け汁の量が足りない場合は、漬け汁を作って補充する。
■漬け汁の作り方
水:白だし=4:1の割合で作る。白だしは商品によって塩分濃度に差がある場合があるので、味をみて加減する(塩気の目安は煮物より少し濃い目)。
POINT
数の子が漬け汁に浸っていない部分は乾燥しやすくなるので、漬け汁に浸った状態で冷凍する。
2 冷凍庫で冷凍する。2~3週間保存可能
【解凍方法/食べ方】
冷凍した味付け数の子(300ml容量の冷凍用保存容器1個分)は、食べる15時間前に冷凍庫から冷蔵庫に移して解凍し、汁気を切って食べやすい大きさに手でちぎる。コーンやきゅうりと一緒にマヨネーズで和えたり、酢の物に加えたりしても美味しい。
【味付け数の子】の作り方
味付け数の子は手作りできます。塩漬け数の子を塩抜きして薄皮をむき、新たに漬け汁を作って漬け込むだけと、作り方は意外と簡単です。
■塩抜き方法
- 密閉できる保存容器に水1l、塩小さじ1を入れて0.5%の塩水を作る。
- 塩漬け数の子250g(5~6本)を❶に入れて、冷蔵庫に8時間置く。塩水を捨てて数の子の薄皮をむく。
- もう一度❶を作って❷を入れて、さらに冷蔵庫に8時間置く。
- 味見をして、少し塩分が残る程度になったら塩抜き完了。まだ塩気が強いときは、もう一度❶を作って数の子を入れ、1~2時間置く。
※塩気を完全に抜いてしまうと数の子から苦みが出るので、塩味を抜きすぎたときは1%の塩水(水1l、塩小さじ2)に漬けて塩気を戻す。
■味付け方法
- 鍋に水320ml、白だし80 mlを入れ、ひと煮立ちさせてから粗熱をとる。
- 密閉できる保存容器に、塩抜きした数の子5~6本と❶の漬け汁を入れる。漬け汁は数の子がきちんと浸かるくらいまで入れること。冷蔵庫で2~3時間以上漬け込む。
※味付け数の子を冷凍保存するときに漬け汁が足りないときは、水:白だし=4:1の割合で漬け汁を作って足す。
※白だしは商品によって塩分濃度に差がある場合があるので、味をみて加減する(塩気の目安は煮物より少し濃い目)。