お惣菜の焼き魚を買って余ったときや、自宅で多めに焼いて食べきれないとき、保存するなら、冷蔵よりも乾燥しにくい「冷凍」がおすすめ。正しい冷凍方法を料理研究家の小田真規子先生に教えてもらいました。実は、冷凍した焼き魚を美味しく食べるためには「解凍」も重要なポイント。焼き立ての美味しさが復活する解凍テクニックも合わせて解説します。
【焼き魚の冷凍方法】温かいうちに包み、乾燥を防ぐことが大事
魚は焼くと水分が少なくなるので、保存する際は乾燥を防ぐことが美味しさキープの鉄則。家で魚を焼いた場合には、蒸気が逃げないように温かいうちにラップで包むのがポイントです。魚の焼き方は通常通りでOK。
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【冷凍方法】
1 焼き魚を1切れずつラップで包む
ラップを広げて焼き魚をのせ、ぴったりと包む。家で焼いた焼き魚を保存する場合は、焼き立てをラップで包む。
POINT
焼き魚は熱々を包むことでラップ内に蒸気を閉じ込め、水分を保つことができる。また、1切れずつラップでぴったりと包むことで空気に触れにくくなり、乾燥・酸化が防げる。
2 冷凍用保存袋に入れ、冷凍庫で保存
ラップに包んだ焼き魚をまとめて冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて袋の口を閉じ、冷凍する。保存期間は約1ヵ月。
焼き魚の身を「ほぐして」冷凍したいときは……?
鮭など、ほぐして使うことが決まっている場合はフレーク状にして冷凍した方が便利なように思えますが、表面積が増えて乾燥しやすくなるため、美味しさを保つなら切り身のまま冷凍保存がベスト。鮭フレークを作って冷凍したい場合は、鮭を焼くのではなくしっとり「ゆでて」から冷凍する方法がおすすめです。
■詳しい方法はこちら
【焼き魚の解凍】ふっくら仕上げる3つのテクニック。自然解凍もOK
焼き魚は水分量が少なく、さらに冷凍することで水分が逃げやすくなります。そのため、水分を補って解凍することが美味しく仕上げるポイントです。焼き魚の特徴を3タイプに分け、それぞれに適した解凍テクニックを紹介します。
【焼き魚の解凍①】切り身はレンチンでふっくら!
厚みのある切り身は、水分を逃しにくく、中心までしっかり加熱できる電子レンジでの解凍がおすすめです。鮭、タラ、ぶり、めかじきなどの切り身の解凍はこの方法で。
1 焼き魚に水大さじ1を振りかける
冷凍した焼き魚のラップを外して耐熱皿の上に置き、1切れにつき、水大さじ1を万遍なく振りかける。
2 ラップをして、電子レンジで加熱する
ラップの端を皿のふちにつけ、皿の中心部分を大きく膨らませてふんわりと覆い、500Wの電子レンジで、1切れ(80~100g)あたり約2分加熱する。
POINT
ラップを大きく膨らませて覆うことで水蒸気が切り身全体に行きわたり、ふっくらと仕上がる。
ふっくら&しっとり!焼き立ての味わいが復活
身はパサついておらず、焼き立てならではの、ふっくらしっとりした味わいが楽しめます。
【焼き魚の解凍②】開き/一尾はフライパンでパリッと仕上げる
開きや一尾まるごとの焼き魚は、皮が表身にしっかりついているので、フライパンで皮をパリッとさせると美味しく仕上がります。水分を補うことで身はふっくら。さんま、アジ、いわしの開きや一尾の焼き魚はこの方法で。
1 凍ったままの焼き魚を冷たいフライパンに置き、水と酒をふる
火にかける前のフライパンに、焼き魚の皮を下にして置く。一尾につき、水大さじ2と料理酒大さじ1を万遍なく振りかける。
POINT
一尾や開きなどは、料理酒を使うことで特有の臭みを和らげることができる。酒の香りが気になる場合は、料理酒を水に置き換えてもOK。
2 ふたをして、弱火で約2分加熱する
フライパンのふたをかぶせて蒸し焼きにする。ふたがない場合は、アルミホイルで代用OK。全体に軽くシワをつけてからかぶせると、蒸気が魚全体に万遍なく行きわたる。
3 ひっくり返して、さらに約2分加熱する
焼き魚をひっくり返し、ふたをせずに約2分加熱する。
POINT
焼き魚の皮はフライパンにくっつきやすく、箸で持ってはがそうとそうとすると身が崩れるため、木べらやフライ返しを使うのがおすすめ。
皮はパリッと、身はしっとり仕上がる!
皮はべちゃっとしておらず、パリッとした焼き加減。身も固さやパサつきがなく、しっとりした食感に仕上がります。
【焼き魚の解凍③】お弁当に入れるなら自然解凍がおすすめ
冷凍した切り身の焼き魚をお弁当に入れたい場合は、自然解凍がおすすめ。再加熱して解凍するよりも水分が逃げにくいので、身がしっとりとした状態で食べることができます。
お弁当のごはんやおかずが十分冷めてから、凍ったままの焼き魚を詰める。焼き魚の自然解凍にかかる時間は3時間程度。
POINT
焼き魚を冷凍したままお弁当に入れると、保冷剤代わりになるので便利。ただし、夏場は悪くなりやすいので、保冷剤は別途つけるようにする。