傷みやすい鶏むね肉は、購入後すぐに冷凍するのがおすすめです。ひと手間で驚くほどしっとりやわらかくなる2つの冷凍テクニックを料理研究家の吉田瑞子先生に教えてもらいました。解凍後の美味しい使い方など、便利なアイデアも満載。用途に合わせて実践しましょう。
【鶏むね肉の冷凍①】しっとりパサつかないテクニック(保存期間:約1ヵ月)
鶏むね肉に砂糖・塩・こしょう・酒を合わせて冷凍します。保存性を高めながら肉質をやわらかくし、下味も兼ねた「一石三鳥」の冷凍方法です。解凍後はさまざまな料理に使えるので、用途が決まっていない場合はこちらの方法で冷凍しましょう。
1 鶏むね肉の表面の水分をキッチンペーパーでしっかりと拭き取る
表面の水気をしっかり拭き取り、臭みを防ぐ。
2 砂糖・塩・こしょうを全体にまぶす
鶏むね肉1枚に対して砂糖小さじ1/2、塩小さじ1/4、こしょう少々を表面にふる。
3 冷凍用保存袋に入れ、酒を加えて揉み込む
冷凍用保存袋に入れ、鶏むね肉1枚に対して酒小さじ2を加え、袋の外側から手で軽く揉んで全体をなじませる。
POINT
砂糖を加えることで保湿性が高まり肉質がやわらかくなる効果がある。もしあれば、少量の舞茸をみじん切り(軸のみでもOK)にして一緒に保存袋に入れると、たんぱく質分解酵素の働きでやわらかさがさらにアップする。
4 袋の口を閉じ、金属製のバットにのせて急速冷凍
軽く空気を押し出しながら口をしっかりと閉じ、金属製のバットにのせて冷凍庫へ(冷凍で約1ヵ月保存可能)。
【解凍方法】
グリルやソテーなどで食べる場合は冷蔵庫で約7~8時間解凍するか、電子レンジの解凍モード、または流水で解凍し必ず加熱調理する。冷凍肉の賢い解凍方法はこちら。また、保存袋から取り出し、凍ったままの鶏むね肉を熱湯で約20分加熱して、そのまま食べても美味しい。解凍してラップに包んでゆで、鶏ハムにすることもできる。
鶏ハムのレシピはこちら(作り方の工程3から)
【鶏むね肉の冷凍②】解凍後もしっとり、すぐに食卓に出せる(保存期間:約1ヵ月)
下ゆでしてから冷凍しておけば、すでに火が通っているので料理の時短になります。ゆで汁と一緒に保存しておけるのでこちらもしっとり。鶏ハムやサラダチキンなどにしたいときに便利です。ゆで汁もスープとして使えるので無駄がありません。
使うもの(鶏むね肉1枚300〜330gあたり)
1 鍋に材料をすべて入れて強火にかけ、沸騰したら弱火で約12分ゆでる
アクが浮いてきたら丁寧にとる。水からゆでると、ゆで汁にも鶏のだしがよく出る。
2 火を止め鍋に入れたまま粗熱をとる。冷めたらゆで汁ごと冷凍用保存袋に入れる
鍋に入れたまま約2時間室温において粗熱をとる。冷めたら鶏むね肉を取り出してSサイズの冷凍用保存袋に入れ、こしたゆで汁(約300ml)を袋に加える。できるだけ空気抜いて袋の口を閉じ、金属製のバットにのせて冷凍庫へ(冷凍で約1ヵ月保存可能)。
【解凍方法】
冷蔵庫で半日程度おいて解凍する。または冷凍保存袋ごと耐熱ボウルにのせ500Wの電子レンジで解凍。1~2分おきに様子を見ながら、ゆで汁が溶けて肉が取り出せるくらいまで解凍する。ゆで汁で保水されているため肉は解凍後もしっとり。スライスして汁物の具や、わさび醤油などを合わせてそのままおかずにしても。ゆで汁は雑炊やスープなどにおすすめ。
肉をほぐして保存すると使いやすい
少量ずつ使いたい場合は、下ゆで後、粗熱がとれた鶏むね肉を取り出し、ほぐして冷凍しておくと便利。この場合はゆで汁を別の容器に分けて冷凍保存しておく。
肉は手で細かくさき、皮は包丁で細切りにする。4等分程度(約55~60g)の小分けにしてラップに包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ(冷凍で約1ヵ月保存可能)。ゆで汁も冷凍可能な保存容器に入れて同様に冷凍する。
【解凍方法】
肉は冷蔵庫に3時間程度おき自然解凍、または500Wの電子レンジで約30秒(55~60gの場合)加熱する。ゆで汁は500Wの電子レンジで約4分程度(300mlの場合)加熱すると氷が少し残る程度に解凍できる。
冷麺・冷やし中華に!
ゆでてから冷凍した鶏むね肉は、解凍後そのまま冷麺や冷やし中華の具に。ゆで汁は半解凍の状態で調味すればひんやり冷たいスープが楽しめる。
500Wの電子レンジで約4分程度(300mlの場合)加熱し半解凍にしたゆで汁に砂糖大さじ1、酢大さじ1、塩小さじ1/4、こしょう少々を加えて混ぜれば冷麺のスープに。
下味冷凍もおすすめ!
鶏むね肉は下味冷凍もおすすめ。下味冷凍の詳しい方法はこちら。