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さんまの正しい食べ方をプロが解説。最後の一口まで美しく!

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さんまの塩焼きのイメージ

秋は、さまざまな食材が旬を迎える季節。その中でも「秋といえばさんま(秋刀魚)」とい人も多いのではないでしょうか。脂の乗ったさんまの塩焼きは、ぜひ食べておきたい、秋の到来を告げる旬のひと皿ですよね!

でも、食べ終わった後の身が多く残ってしまったさんまの塩焼きを見て、「もっときれいに食べられないかな?」と思ったことがある人は少なくないのでは? せっかく焼きたてを食べるなら、最後の一口まで余すところなく堪能したいものです。

そこで今回は、日本の食文化や知識、きれいな食べ方についての講演やレッスンを行っている株式会社トータルフードの代表取締役小倉朋子さんに、知っておきたい「さんまのきれいな食べ方」を教えてもらいました。

まずおさえたい、箸の正しい使い方

はじめまして、小倉朋子です。

毎日の食事のなかで、「あれ、子どものお箸の使い方がおかしい」と悩んだり、「そもそも私自身もお箸の使い方って合ってるのかな?」と疑問を感じる人も多いのではないでしょうか。お箸の使い方は正しくなくても食事ができるため、ついついそのままにしてしまいがちですよね。

では、お子さまに正しいお箸の使い方をどうやって教えたらいいのでしょうか。私は、箸に触れさせるのは、早ければ早いほど良いと考えています。まずは箸を握らせるところから始め、徐々に箸の正しい使い方を身につけさせていきましょう。

一方で、食材から正しいお箸の使い方を学ぶこともできます。たとえば魚。魚をきれいに食べるのって、なかなか難しいですよね。今回ご紹介するのは、秋の旬でもあるサンマの食べ方。お箸を上手に使えれば身の部分を余らせることなく食べ尽くすことができます。

プロが解説・きれいなさんまの食べ方

では、実際にさんまのきれいな食べ方を見ていきましょう。

一般的に魚は頭を左に、尾が右になる向きでお皿に乗せます。これには諸説ありますが、古くから日本では左を「善、前、優位」という考えがあり、それにならって魚の頭も左に向けるようになったと言われています。さんまの塩焼きを食べる際に欠かせない大根おろしとすだちやかぼすは、見栄えもよくなるようにお皿の右下にひとまとめにして盛り付けましょう。

1.骨に沿って水平にお箸を入れた後、上半分の身を少しずつ食べる。

さんまの身に箸を入れているところ

まずは骨に沿って、一直線にさんまに箸を入れます。このとき、箸は頭から尾へ向かって入れるといいでしょう。

そして、上半分から食べていきます。大きな固まりを一気に食べるのではなく、ていねいに、少しずつ箸で分けながら味わいましょう。部分的に分けていけば、身を崩してしまうこともありません。

さんまの身を箸で持ち上げているところ

2.小骨を取り除きながら下半分も食べる。

さんまの身の下半分を食べ始めるところ

下半分も同様に、頭から尾に向けて、食べ進めます。

さんまの身を尾に向かって食べ進めているところ

さんまの下半分の身には小さな骨が集中しています。これらの骨は、食べ進める際にじゃまにならないよう、箸で取り除いた後、お皿の右奥にまとめましょう。

〜さんまをよりおいしく食べるためのOne Point!〜

さんまの身に醤油をたらした大根おろしをのせているところ

醤油はサンマの身に直接かけるのではなく、大根おろしにかけ、一口大にしたさんまに乗せて食べましょう。大根おろしは、そのまま食べると口当たりがさっぱりするので、少し残しておき最後に食べるのもいいでしょう。

すだちやかぼすを絞るタイミングは特に決まっていませんが、上半分、下半分の身を食べる際にそれぞれ半分ずつ絞れば、さわやかな風味を味わえますよ。

絞り終えたすだちやかぼすは、内臓や骨と同じように右奥へ置おきましょう。食べないものを一箇所にまとめることでお皿は見た目もきれいになり、手前に残った魚が食べやすくなります。

3.骨と身を分ける。

さんまの中骨から身を外しているところ

表面側の身を食べた後、反対側を食べようとさんまを裏返すのはNG。また、日本では古来から尾頭付きの魚は縁起の良いものだと考える風習があるので、頭は中骨につけたまま外すようにしましょう。

おすすめは、頭のすぐ近くの位置で中骨をつかんで浮かせる方法。そのまま静かに骨に沿って、尾へお箸を動かせば、身から骨が外れます。

さんまの尾を箸で折っているところ

尾までお箸を動かしたら、逆側に尾を折って切り離し、右奥へ。尾が付いたままだと骨と身が分けにくいですが、尾を切ることで残りの身と骨をきれいに分けることができます。

そして頭と中心の骨は、残りの身を食べやすいよう、お皿の奥に移動させましょう。

さんまの骨と身を分けたところ

4.残りの身を食べる。内臓はお好みで。

さんまの下半分の身を食べているところ

骨を外した身の中心に箸を入れ、ふたつに分けます。さんまの内臓は食べても問題ありませんが、苦味や臭みが苦手な方は取り除いた後、小骨と一緒にお皿の右奥に寄せます。

すべて食べ終えた後に、頭の付いた骨は二つ折にします。コンパクトになった頭と骨は、小骨や内臓と一緒に右奥にまとめておくと、きれいに食べ終えることができます。

食べ終えたさんまに、ひと工夫

食べ終わったさんまに、絞ったすだちでふたをしているところ

秋になると食べたくなるさんまの塩焼き。今回ご紹介した食べ方のコツは、きれいに食べるためだけではなく、さんまを最後の一口まで味わうことにもつながります。お子さまと一緒にチャレンジをすれば、食べ物を残さず食べる習慣や、お箸の練習にもなります。また、すべて食べ終わったあとに絞ったすだちを使い、魚の骨にふたをするのも食べ終わりがきれいに見えて、さらによいかもしれませんね。

おいしさが詰まった旬の食材を、ぜひ楽しんでください!

■いろいろな焼き魚を味わいましょう。冷凍の魚もひと工夫で美味しく焼けます

■さんまと相性ぴったりのかぼす。かぼすもフレッシュさをキープしたまま冷凍できます

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