SENIOR INTERVIEW
冷凍食品に新しい価値を生み出す。
ヒット商品『冷やし中華』
商品担当の役割
家庭用事業部 家庭用商品グループ
蟹沢 壮平
- 入社1年目
- 新卒で入社。
家庭用事業部ウエルネス部のウエルネス営業グループに所属。
- 2年目
- 同部署のウエルネス商品グループに異動。
ウエルネス商品の開発を担当。
- 3年目
- 同部署にて『気くばり御膳®』の商品企画を担当。
- 7年目
- 家庭用事業部の家庭用商品グループに異動。
『冷やし中華』の商品企画に携わる。


『冷やし中華』の商品担当に抜擢
新商品のバトンはなぜ手渡されたか
――蟹沢さんは、いつから商品担当のお仕事に携わっているのでしょうか?
蟹沢:入社後、ウエルネス部(現eコマース部)にて営業を1年ほど経験したあと、ウエルネス商品の商品開発を担当。3年目からは同部署内の『気くばり御膳』の商品担当になりました。
現在の家庭用商品グループに異動になったのは6年目のとき。現在は『冷やし中華』をはじめとする麺類や、グラタンなどの家庭用冷凍食品と『広東風ふかひれスープ』などの家庭用常温商品の商品担当をしています。
――「商品担当」と「商品開発」のお仕事には、どのような違いがありますか?
蟹沢:私の今の仕事である「商品担当」は、既存の製品の管理や育成、マーケティング、新商品開発の施策立案等を行うことで、担当商品の将来戦略を策定し、関係部署と協力して実行する役割を担う仕事です。
一方で「商品開発」は、自身で配合や工程などを考えて試作を行い、工場でのラインテストを経て、商品を形にすることが主な仕事になります。 2年目で商品開発を初めて任されたときは、学生時代にイメージしていた仕事とは全然違っていて、とまどうことも多くて。もっと簡単にできると思っていましたが、実際は「あちらを立てればこちらが立たない」ということばかり。担当だった『気くばり御膳』は、簡単に調理ができ、かつ健康にも配慮された商品なので、カロリーや塩分を控えめにしながらおいしさも追及するという難しさをすごく感じました。
――「商品開発」から「商品担当」へ。仕事にはすぐに慣れましたか?
商品担当は、商品が開発されてから販売されたあとの管理までを任される業務の幅の広い仕事です。とくに今は、家庭用の冷凍食品と常温食品を担当していて、それぞれつくられている工場が違います。そうすると、関わりを持つ工場担当者も、物流担当者もそれぞれ違う……という風に、担当する商品が増えれば、関わりを持つ人の数も増える。全てを把握して、滞りなく業務を進めていくというのは簡単なことではなく、とまどうことも多くありました。
――テレビやSNSなどで話題になった『冷やし中華』の商品担当になったのはいつからですか?
蟹沢:入社7年目です。6年目で異動になってからの1年間は『広東風ふかひれスープ』や『蔵王えびグラタン』『蔵王えびドリア』など、複数の商品を担当していました。
異動2年目で『冷やし中華』の担当に決まったときは、開発者が現在の仕様のプロトタイプ(試作品)を作成したタイミング。驚きと同時に、「任せていただいたのだから、しっかりやらなくては!」という気持ちでした。


発売までに間に合わない!?
絶対に妥協しない商品づくり
――『冷やし中華』の担当として、まず始めたことは?
蟹沢:冷やし中華は好きでしたけど詳しくはなかったので、 まずは名店と言われているお店巡りから始めました。加えて、冷やし中華を色々な角度から語れるように、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで売っているものも食べ比べました。
だって冷やし中華についての知識がなければ、ああでもない、こうでもないと言っても、説得力がありませんよね。「蟹沢がそう言うなら仕方がない」と思ってもらえるよう、まずは自分が冷やし中華に詳しくならなければいけないなって。
――『冷やし中華』の発売まで、トラブルなくスムーズに進んだのでしょうか?
蟹沢:山あり谷ありでした(笑)。工場で何度も製麺のラインテストをしたのですが、思うようなクオリティを出すことができなくて……。たくさんの方が必死で頑張っている姿を見ていたので、「これでいきましょう」と言いたくなったことは何度もありました。でも、私がそこで品質に妥協をしたら、本当においしい商品をお客様にお届けできなくなってしまう。でも「これではダメです」と言うからには、その理由を明確に示さなければいけません。常に心の中では葛藤がありました。
『冷やし中華』の発売は2022年の3月1日、新商品として発表したのは1月中旬でした。ありがたいことに発表直後から「冷凍食品の冷やし中華が出る!」と、大きく話題になったのですが……、実はその時点ではまだ工場で生産するには課題が残っていたんです。
発売前に話題になっているからこそ、「絶対にお客様に満足していただける商品でなければならない」という思いと、「発売日までに商品を完成させなければいけない」という使命の両方を背負ってハンドリングしていくことが、今振り返ると一番大変だったなと思います。
――無事に商品が店頭に並び、発売した後は想像を超える大きな反響があったそうですね。
蟹沢:多くのメディアやSNS等で話題にしてくださったこともあり、たくさんのお客様に商品を手に取っていただくことができました。また、様々なご意見も寄せられました。私の仕事は商品が発売されて終わりではなく、販売の進捗管理や収益管理、生じた課題への対応、今後の成長戦略のプランニングなど、商品にまつわる全体の方向性を舵取りしながら今後も続いていきます。


不可能を可能に。
第2、第3の『冷やし中華』を届けたい!
――商品担当という仕事のやりがいをどのように感じていますか?
蟹沢:商品を開発し、材料を仕入れ、商品を生産し、お客様に販売するという食品メーカーとしての仕事の全てに携わり、大きな方向性を決めることができるダイナミックさがこの仕事の魅力だと思っています。もちろん責任は重大ですが、その分チャレンジできる仕事です。
だからこそ、何かトラブルが起きるとまず自分のところに話がきますし、その一つひとつに対応していかなければならないとき、大変だなと思うことはたくさんあります。もし全てが何事もなくうまくいくなら、私たちの仕事は必要ないでしょう。でも、商品を開発してから販売するまでに、何ひとつ問題がないなんてことはあり得ません。だから、私たちの仕事が必要とされますし、その分やりがいのある仕事だと思っています。
――今後、チャレンジしたいことは?
蟹沢:冷凍食品を今まで以上に身近な商品として、より多くのお客様に使っていただくことが私の目標です。今回、冷凍食品としては難しいと思われていた『冷やし中華』の商品化に成功したように、今までなかったもの、無理だと思われているものの中にも、冷凍食品を生み出すチャンスはあるはずです。第2、第3の『冷やし中華』と呼ばれるような冷凍食品を世の中に送り出していきたいです。
――最後に就活生へのアドバイスをお願いします。
蟹沢:就職活動は、いろいろな人の話をたくさん聞けるチャンス。ぜひ、たくさん話を聞く機会を持ってほしいと思います。でも、それをそのまま鵜呑みにするのではなく、自分で考えるきっかけにするというのが大事なことだと私は思っています。
そして、様々なことに興味を持つ心も働いていくうえでは大切です。「自分には関係ないことだから」と簡単に取捨選択してしまわずに、広く関心を持って、たくさんの人と関わりながら、就職活動に励んでください!
※掲載の仕事内容、所属は取材当時のものです。
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