ふきは鮮度が命。収穫後から時間とともにアクが強くなっていくので、入手後できるだけ早くゆでるのが基本です。ゆでてから保存すれば冷蔵なら約1週間、冷凍なら約1ヵ月間保存できます。美味しく保存するコツを野菜ソムリエプロの根本早苗先生が詳しく解説。色よく仕上げるゆで方や簡単な皮むき方法も紹介します。
※ふきのゆで方・下処理の方法を先に知りたい方はこの記事の後半へ
【ふきの冷蔵保存】水に浸して冷蔵庫へ(保存期間:約1週間)
冷蔵保存ならふき特有の食感をキープできるのでおすすめです。
ゆでて皮をむいたふきを使いやすい長さ(5cm程度)にカットし、保存容器にひたひたの水とともに入れる。毎日水を替えるのが、ふきの緑色をきれいに保つコツ。冷蔵庫で約1週間保存可能。
【ふきの冷凍保存】かためにゆでて冷凍庫へ(保存期間:約1ヵ月)
長期保存したいときは下ゆでして冷凍に。ふきの詳しいゆで方・下処理の方法はこちら。
1 ふきをゆでて皮をむいておく。表面の水分をキッチンペーパーで拭き取る
基本のゆで時間(詳しい下ゆで方法はこちら)よりも短くゆで、少しかためにするのがポイント(細いふきで1分、太いふきで3分)。粗熱がとれたら、表面の水分をキッチンペーパーで拭き取る。
2 小分けにラップし、冷凍用保存袋に入れて急速冷凍
ラップで小分けに包む。冷凍用保存袋に入れ、金属製のバットにのせて急速冷凍する。冷凍庫で約1ヵ月間保存可能。
解凍方法・使い方
冷凍したふきは繊維の食感が若干強くなるため、煮物などがおすすめ。凍ったまま煮物や汁物に加えて調理する。
調理してから冷凍もおすすめ!
先生おすすめの冷凍方法は、調理後に冷凍する方法。伽羅蕗のようにしっかりと煮詰めてから冷凍すれば、食感も美味しさもキープできます。そのまま冷蔵庫で解凍して食べたり、凍ったまま刻んで炊き込みご飯の具にしたり、煮物などにも応用できたりと使い勝手も◎。
調理済みのふきを小分けにしてラップに包む。冷凍用保存袋に入れ、金属製のバットにのせて急速冷凍。
伽羅蕗の作り方…下処理をしたふき250gに対して醤油大さじ2弱、みりん50cc、酒50ccを鍋に入れ、中火で煮汁がなくなるまで煮る(約20分)。
【ふきのゆで方(下処理)】
1 フライパンの直径弱にふきを切り、塩で板ずりする
フライパンの直径よりもやや短め(例えばフライパンの直径が24cmなら20cm程度に)にふきを切る。皮をむく手間を少なくするため、できるだけ長いままでゆでるのが良い。切ったら塩(ふき6~8本に対して大さじ2弱)で板ずりする。ふきの色がきれいに出て、アクが染み出しやすくなる。
2 フライパンに深さ2cmほどの湯を沸かし、ふきを重ならないように入れてゆでる
すぐに調理する場合や冷蔵保存する場合は、細いふきで約3分、太いふきで約5分。冷凍保存する場合は細いふきで1分、太いふきで3分ゆでる。
3 冷水に取り、水を交換しながらしっかりと冷やす
ゆで上がったらすぐに冷水に取り、余熱で火が入りすぎるのを防ぐ。芯までしっかり冷ますこと。
4 包丁を使って1本ずつ皮をむく
ふきの太い方の先端に浅く包丁を入れ、薄皮を少しむく。ふきを回しながら1周分むく。皮の先を揃えてつまみ、一気に下まで引いて皮をむく。
5 保存容器に入れて水を張り、さらに一晩ほどアク抜きする
ふきを食べやすい長さに切り、保存容器にふきと水を入れる。そのまま冷蔵庫で一晩さらしておくとアクが抜けて食べやすくなる。冷蔵保存の場合はこの状態で水を毎日取り替える。冷凍保存の場合は5の工程は省いてもよい。