4月になり、徐々に春らしい暖かな季節がやってきました。
またこの時季は、新生活や新学期がスタートし、お弁当を持っていく機会も増えますよね。
お弁当はもともと冷めた状態で食べるものではありますが、あまりにもごはんが硬くなってしまったり、お肉がパサパサになってしまったりすると、ちょっと味気なくなってしまいますよね。せっかく作ったお弁当ですから、お子さんや旦那さんに喜んでもらいたいものです。
そこで今回は料理講師の三井愛さんに協力していただき、冷めても美味しいお弁当を作るテクニックを教えてもらいました。
帰宅したお子さんや旦那さんに「今日のお弁当、美味しかったよ!」と言ってもらえるように、この記事をぜひ役立ててください!
■「冷めてしまう」以外にもお弁当の悩みはさまざま。
同じおかずが続く、彩りがよくないなどの、お悩み解決のテクニックもチェック!
【アンケート】あなたが気になる「冷めているお弁当」の悩みは?
「ほほえみごはん編集部」では、3月にお弁当が冷めている時の悩みについてアンケート調査を行いました。選択肢は「ごはんが硬くなる」「揚げ物がベタつく」「お肉の脂が固まってしまう」「その他」の4つ。その結果がこちらです!
アンケートに100名以上の回答が集まる中、当初票が集まると予想していた「ごはんが硬くなる」「揚げ物がベタつく」を大きく引き離し、「お肉の脂が固まってしまう」が約6割の票を獲得しました。
「お肉の脂が固まってしまう」ことは、聞くことが多い悩みの1つです。お昼のお弁当を楽しみにしていたのにふたを開けた時に脂が白くなっていると、少し残念な気持ちになりますよね……。
これらの悩みを解決する方法を、次の項目からご紹介していきます!
冷めたお弁当の”5つ”の定番トラブルはこうして解決!
1.お肉の脂が白く固まっている
2.ごはんが硬い
3.揚げ物がベタついている
4.お肉がパサつく
5.香りがなくて味気ない
まずは、お弁当を食べるときによくある”5つ”のトラブルの解決方法をご紹介します!
① お肉の脂が白く固まってしまう
アンケートで多くの回答を集めたこの悩み。冷えた脂の食感はどろっとしていて、見た目もよくありません。解決するための一つの方法として、脂の少ないお肉の部位を選びましょう。
脂の少ない部位は、以下のものがあります。
牛:ヒレ
鶏:ささみ、むね
豚:ヒレ、ロース
これらの部位を選ぶほかに、
・肉を湯通しすることで余分な脂を落としてから調理する
・加熱後にキッチンペーパーなどで脂を取り除く
なども実践するとよいでしょう。
② ごはんが硬くなる
午前中の仕事や授業を済ませ、楽しみにしていたお弁当。箸でごはんを食べようとすると……カチカチで食べづらい!という経験はありませんか?
お米は浸水時間を長くすることでデンプンが分解され、ふっくらと炊き上がります。夏・秋は40~70分ほど、冬・春は70~130分ほどを目安に浸水させれば、冷えても美味しいごはんが炊けるでしょう。
また、冷めても硬くなりにくいと言われている品種のお米に変えるのもテクニックのひとつ。例えば「ミルキークイーン」や「ゆめぴりか」 などがおすすめです。
そのほか、お弁当箱に盛り付けたり、おにぎりにしたりするときは、あまりぎゅうぎゅうと固めすぎないのもポイントです。
■お弁当のごはんの美味しさをキープしたいなら、「曲げわっぱ」を使うのもひとつの手です
いつか買いたい曲げわっぱ。使い勝手は実際どうなの? 長く愛される秘密をプロが解説
■冷凍ごはんをふっくら解凍したいなら、こちらの記事もチェック
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③ 揚げものがベタつく
天ぷらや唐揚げなどの揚げものは、時間が経つと衣が油でベタつきますよね。
揚げ物のベタつきを防ぐテクニックは、衣に片栗粉を混ぜること。片栗粉を混ぜると、時間が経ってもカリッとした揚げ物に仕上がります。割合は、小麦粉40gに対して片栗粉10g程度がおすすめです!
また、揚げた後にキッチンペーパーでしっかりと油をとってあげるとベタつきを防ぐことができるでしょう。
唐揚げの場合は二度揚げをすることで肉汁が逃げず、カラッと仕上がります。1度目は中火で揚げ、2度目は強火で揚げるとお肉の肉汁を逃がさないので、ジューシーな唐揚げが完成します。
④ お肉がパサつく
お弁当のお肉やハンバーグは、肉汁や水分が逃げるとパサついて味が悪くなります。
パサつきを防ぐためには、
・蒸し焼きにして肉汁を逃がさない
・肉の表面に小麦粉をまぶして焼く
などの一手間をかけると良いでしょう。
ハンバーグを作るときは、つなぎのパン粉を食卓で食べる用に作るときよりもやや多めに入れると、パン粉が肉汁を吸うのでジューシーになります。また、焼きあがったハンバーグにソースを絡めてから詰めると、表面に膜ができて水分が飛ばないため、同様にパサつきを防げるでしょう。
⑤ 香りが減って味気ない
冷えたおかずはどうしても香りが弱まり味気なくなります。そこで香味野菜(ねぎ、生姜、大葉など)を使ってみましょう!香りの強い香味野菜を使ったおかずは冷めていても食欲を刺激してくれるはず。
また、冷めたおかずは味も弱く感じがちなので、少し濃いめの味付けを心がけましょう。おかず用の食材に下味をつけるときは、表面の水分をキッチンペーパーでしっかりとふき取っておくと味のなじみが良くなります。
下味をつけるほかにも、桜えび、かつおぶし、青のりなど香りを楽しめる食材を使うと冷めても美味しいおかずに仕上がるはずです。
冷めても美味しい!4つの定番おかずの作り方
お弁当のおかずとして登場することの多い「唐揚げ」「厚焼き卵」「照り焼きチキン」「生姜焼き」。ほほえみごはん編集部でも、これらのおかずが入っていると「嬉しい!」と話すメンバーが多い人気のおかずです。
次は、これらの定番おかずの「冷めても美味しい作り方」をご紹介します。
◎唐揚げ
お弁当の冷めた唐揚げを食べていると、「できたてのジューシーなものが食べたい!」と思ったことはありませんか?
唐揚げの鶏肉は、揚げる前に下ゆですると仕上がりが柔らかくジューシーになります。この方法に先ほどご紹介した「衣に片栗粉を使う」「2度揚げをする」テクニックを組み合わせれば、噛めばパリッと、お肉も柔らかくてジューシーな唐揚げができますよ!
◎厚焼き卵
冷めて潰れてしまった厚焼き卵は食感もボソボソしていて味気ないものです。冷めてもふっくらとして美味しい厚焼き卵を作るためには、卵1個に対して小さじ1杯の砂糖を入れて焼くのがおすすめ。
砂糖を入れることで保水性が高まりしっとりとした仕上がりになり、暖かくても冷めてもおいしい厚焼き卵になります。
◎照り焼きチキン
照り焼きチキンは冷めてしまうとゴムのように硬くなってしまいがち……。これを防ぐには、作る際に鶏肉を細かく切らず、できれば一枚肉の状態で加熱することがポイント。
そうすることで、切り口からうま味や肉汁が逃げるのを防ぐことができます。また、フライパンで加熱する前に電子レンジで加熱してから調理すると、仕上がりがやわらかいものに。
また、焼く直前に、表面に片栗粉を薄くつけてから焼くと片栗粉でとろみがつくので、味もしっかりと絡まります。
◎生姜焼き
生姜焼きに使う豚肉の脂は、冷めると白く固まってしまいます。これを防ぐには「① お肉の脂が白く固まってしまう」のテクニックを使って、脂が少ない部位を選んだり、焼き上げたとき余分な脂をキッチンペーパーなどでふく、焼く前にさっと湯通しして余分な脂を落とすなどの基本を押さえましょう。
冷めたおかずは風味が弱まりがちなので、「⑤ 香りが減って味気ない」でご紹介したテクニックを応用して、たれに生姜を多めに入れたり、味付けを少し強めにして作れば、冷めても美味しい生姜焼きを作れるはずです。
作ってから数時間たってから食べるので、冷めることが前提のお弁当ではありますが、たとえ冷めてしまっても美味しいお弁当を作るための工夫はたくさんあるのです!
次回お弁当を作る際には、ぜひこの記事を参考にしてみてください。空のお弁当箱といっしょに、お子さんや旦那さんの「今日のお弁当、美味しかったよ!」という声がきっとみなさんに届くはずですよ!