SENIOR INTERVIEW
現場から海外とのやりとりまで幅広い業務が工場管理の魅力
生産統括部 海外生産管理部 海外工場管理第一グループ
杉山 輝
- 2010
- 新卒で入社後、長崎工場の製造グループに所属。
原宿ドッグ生産ラインの改善活動のチームリーダーを担当。
- 2014
- 船橋第二工場の製造グループに異動し、新工場の立ち上げに携わる。
- 2017
- 船橋工場へ異動し、業績管理を担当。
- 2019
- 生産統括部国内生産管理部の国内工場管理グループに異動。
販売数量アップに伴う、各部署と生産工場間の調整業務を担う。
- 2022
- 生産統括部海外生産管理部の海外工場管理グループに異動し、タイの工場を担当する。
パートさんの一言が、
迷いだらけの自分を変えた
――杉山さんは、もともと製造のお仕事を希望していたのでしょうか?
杉山:入社時は営業職を志望していました。ですが、長崎工場での新入社員研修で製造を経験させてもらったときに、製造の面白さを知りました。それに、工場の先輩方にもすごく良くしていただいて。せっかくメーカーで働いているのに、製造現場のことを表面だけしか知らずにいるのはもったいないと思い、引き続き製造職に就くことを希望しました。でも、最初の3年は、その選択が正解だったのかと悩むこともありました。
――それはなぜでしょうか?
杉山:工場の勤務はシフト制になるため、朝が早かったり逆に夜が遅かったりと、どうしても体力的に大変な部分があります。それに、担当の商品を生産し続ける…といった同じ業務を行うことが、当時の私には辛く感じることも多かったんです。大学院を出て、希望していた食品メーカーに就職が決まり、入社後はいろいろ教えてもらいながらそれなりに活躍していけるだろうと想像していたのに、現実は、工場の製造現場で目の前の仕事をこなす毎日。これで良かったのだろうかと悶々としていました。
――そんな迷いの中でも工場の仕事を続けたいと思えた理由は何だったのでしょうか?
杉山:あるとき、長崎工場で長く働かれている女性従業員の方から「私は昨日より早く作業ができるように工夫しているのよ」と聞いて驚いたんです。毎日同じ作業の繰り返しであっても、より良くしたいという意思を持って働き続けていると知り、悶々としていた自分が恥ずかしくなりました。
さらに、「毎日同じ作業」にこそ大きな意味があるということにも気づきました。食品メーカーでは、同じ味、品質、個数をつくることが求められています。毎日同じものを同じだけつくるという当たり前のことが、実はとても大変なことで、現場の努力によって成り立っている。それがわかってからは迷いがなくなり、現場で働くことにやりがいを感じるようになりました。
貿易関係の勉強も。
海外工場管理ならではの意識
――生産現場である工場から、本社の国内工場管理グループに異動されたとのこと。工場管理グループでは、どのような仕事をされているのでしょうか?
杉山:経営陣をはじめ、商品開発、品質管理、営業、物流などの様々な部門とコミュニケーションを取りながら、工場と本社の各部門が円滑に業務を進めるための調整役を務めています。この仕事の要は、コミュニケーション。生産工場で日々起こる様々なことを、そのまま経営陣や他部署に伝えてもわからないことも多いので、相手の立場に立ってわかりやすく説明する役割を担っています。
――これまでで最も大変だったことは何ですか?
杉山:船橋工場から国内工場管理グループに異動してすぐのことです。あるテレビ番組で、船橋工場で生産している『本格炒め炒飯®』を取り上げていただき、想像以上に売れ行きが伸びたのですが、工場の設備トラブルが重なり、商品在庫が非常に薄くなってしまったんです。しかし、営業にとっては逃したくないチャンス。営業からは生産現場が見えないので、より不安が募りますし、「工場は頑張っています」だけの説明では当然足りません。営業と工場との間に入って、生産の状況をていねいに説明するしかありませんでした。
そこで営業部署に、生産機器の状況や商品をどれだけ生産することが出来たかなど、工場の進捗状況を毎日伝えるようにしたんです。胃に穴が開くような日々でしたが、1ヶ月前まで一緒に働いていた工場の皆さんが大変な思いをしながらなんとか商品供給を行なってくれていることもわかっていたので、自分は「工場の代表」として頑張ろうという気持ちで乗り切れたところもあります。相手の立場に立って、どのような判断をするために何が知りたいのかということを考えて、準備しておくことの重要性を学びました。
――現在は国内工場管理グループから海外工場管理グループに異動されたとのこと。両部署の仕事の大きな違いはどんなことでしょうか?
杉山:工場と本社の間で、生産調整を行う点に違いはないのですが、海外工場管理グループでは常に輸送時間を念頭に置く必要があります。何かトラブルがあって急ぎで原料の調達が必要になったとしても、海外からの輸送となると今日・明日中に届けることはできません。そのため半年から1年先のことを考えておく必要があります。とくに最近は世界情勢の影響を受け、コンテナ船の遅れなど海上輸送の混乱が続いているので、苦労することも多いですね。また、商品の安定供給のためには、物流や貿易の知識も必要になります。
――物流や貿易などの、これまで全く触れてこなかった知識をどのように身に付けたのでしょうか?
杉山:はじめはわからない言葉を耳にしたらすぐメモしてネットで調べたり、部署で引き継がれている資料を使ったりして学んでいました。たとえば「ETD(出発予定日)」と「ETA(到着予定日)」という貿易用語は部署内でよく飛び交う言葉。最初は全く意味がわかりませんでしたが、今はこの言葉なしに仕事はできません。
――海外の工場ということで文化の違いもあるかと思います。うまく仕事を進めるためにどんなことを心がけていますか?
杉山:会社や国ごとの独自のルールや文化を尊重したコミュニケーションを心がけています。また、現地スタッフと関係性を築きながら、現地駐在員が仕事をしやすいよう気を配ることも重要です。とくにニチレイフーズ側の要望を伝えるときは、背景にある目的や経緯をより詳しく明確に伝え、こちらのやり方だけを押し付けないよう注意しています。また、1、2ヶ月に一度は現地に足を運んで図面だけで見ていた工場の様子を実際に見て理解することで、駐在員の困りごとにもより細かく対応できるようになりました。
生産現場が好き。将来は工場長として
「存在し続ける生産工場」を築きたい
――国内外で様々な経験をしてきた杉山さんが、今後チャレンジしたいことを教えてください。
杉山:再び工場に戻り、工場長として「存在し続ける生産工場」を築き上げたいという思いがあります。メーカーとして、生産現場で働く人たちが安心して仕事を続けられる場所を守っていくことは責務の1つだと感じています。工場が存続し続けることは雇用をつくることにもつながり、社会的にも意味のあることだと思うんです。
――現在は本社で仕事をされていますが、杉山さんからは生産工場への愛を感じます。
杉山:私自身、生産工場があったから成長することができました。今、これまで自分を育ててくれた生産工場の皆さんに恩返しがしたい、という思いで仕事をしています。本社に来るとよくわかるのですが、現場で起こっていることはなかなか見えてこないんですよね。工場長になれば、どちらも知っている自分の視点を活かしていけるのではと思っています。
――国内と海外のグループを経験した杉山さんの思う、生産管理の仕事の魅力を教えてください。
杉山:工場管理の仕事は、営業や商品企画と比べると最初は地味に見られがちです。私自身、工場時代には迷いを感じることもあったわけですが、入社7年目くらいから急に業務の幅や任せてもらえることが広がり驚きました。工場管理の仕事は、生産現場での作業や管理だけでなく、業績管理から品質保証や総務、今私が関わっているような海外と関わる仕事まで本当に様々で、同じ部署の中で自分の興味があることを探していける魅力があります。いろんなことにチャレンジしてみたい人にとっては可能性に溢れた仕事だと思います。
――最後に就活生へのアドバイスをお願いします。
杉山:私は工場時代に本当にたくさんの人に支えられていたと思っています。仕事は一人ではできません。説明会や面接は、「この会社で、この人たちと働くこと」をイメージしながら臨むことをお勧めします。「頑張っていれば、今は点でしかないことも、つながって線になっていく」と、尊敬するある上司から言っていただいたのですが、私自身本当にそうなったと実感しています。当たり前のことですが、内定がゴールではありません。社会人としてのスタートをイメージしながら頑張ってください。
※掲載の仕事内容、所属は取材当時のものです。
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