SENIOR INTERVIEW
春巻はパリパリの皮が命!商品開発担当者が懸ける思い
商品開発部 第一ユニット 中華・スナックグループ
手塚 文
- 入社1年目
- 新卒で入社後、研究開発部の企画・管理グループに所属。
- 2年目
- 北海道支社の惣菜グループに異動。
惣菜担当として、スーパーのバイヤーへ商品紹介などを行う。
- 5年目
- 研究開発部の商品開発グループへ。
海外チキンチームに所属し、主に業務用PB商品の開発を担当。
- 6年目
- 同部署の研究開発技術グループにて、春巻の開発を担当する。
- 8年目
- 同グループで業務用新商品の立ち上げに携わる。
- 10年目
- 第1子を妊娠し、産休育休を取得後、復職。
- 12年目
- 第2子を妊娠、産休育休を取得後、復職。
- 14年目
- 商品開発部の中華・スナックグループに所属。
春巻の開発を担当。


おしいしいだけじゃダメ。
求められるのは「品質×生産性」
――商品開発部ではこれまでどんな商品に携わってきたのでしょうか?
手塚:海外工場で生産しているチキンや、お得意先様のプライベートブランド商品、ハンバーグなど様々な商品開発を担当してきました。中でも一番長く携わっているのが、現在も担当している春巻の商品開発です。ニチレイフーズの春巻は市場の中でもシェアが高く、重要な商品。その中でも今は業務用春巻を担当しています。
春巻の商品開発は「皮」と「中具」で分かれています。中華料理屋さんの本格的な春巻のようなパリっとした皮、具沢山な中具を目指して日々試作しています。いかに皮をパリパリとした食感で維持することができるかが、春巻開発の生命線。そのために、技術開発センターで日々材料の配合や混合方法を変えたりして、何度も春巻の皮を焼き比べます。この焼き比べの作業は、工場と同じ機械で試作しなくてはならないんですが、これが重労働なんです。なぜなら、機械での試作のため、材料は少なくても20㎏程度、最近は50㎏以上も用意して、自ら機械へ投入します……。春巻の開発、実は体力勝負なんです!(笑)
いきなりこんな話をすると驚かれてしまうかもしれませんね。もちろん、サンプルの成型など調理試験台の上でできる開発もたくさんありますが、中には皮の焼き比べなどで機械を使うこともあるということです。
ただ工場と同じ機械を使って試作を行うとはいえ、技術開発センターではうまくできたことが、実際に工場でテストしてみるとうまくいかないこともあります。その度に、成功するまで何度もテストを繰り返し、工場で安定生産できるようにすることも私たちの仕事です。
――手塚さんは入社後、研究開発部に配属されたそうですね。
手塚:ニチレイフーズには食品の研究開発をやりたくて入社し、念願かなって研修後研究開発部に配属されました。入社2年目から3年間は北海道支社の惣菜グループで営業をしていましたが、その後はずっと開発職に携わっています。営業時代はスーパーのバイヤーさんに自社の商品を紹介するのが仕事で、バックヤードで揚げものをすることもありました。そこで他社も含めて様々な商品を知ることができたのが、開発でも大きく役立っています。
あと、当時の経験で今も役立っているのが売価の妥当性について。商品開発をしていると、「この商品をもう少しおいしくするために、あと5円くらい価格を上げたいな」という衝動にかられることがあります。でもその5円の差で、売り場に並ばない商品になってしまうこともあるんです。そういう感覚を現場で身につけることができたのは、とても大きなことだったと思います。
――春巻担当として、今はどんな業務に取り組んでいますか?
手塚:ニチレイフーズの業務用春巻はこれまで、業界の中の先頭を走ってきましたが、近年は他社の勢いも増してきていて、競争が激しくなっている商品なんです。そんな中で、これまでの高い生産性を維持しながら、他社よりも品質のいい、おいしい春巻を実現させることが私たちの最大の使命です。
たとえば品質だけを上げるのであれば、アイデアはたくさんあります。でも生産性も同時に上げていかなければならないとなると、やっぱり簡単にはうまくいかないんですよね。社内からの期待も大きい分1日でも早く発売できるよう、春巻チーム一丸となって取り組んでいるところです。
春巻担当は業務用と家庭用合わせて4名。私はその中でも一番、春巻歴が長くなったので、現在はチームをとりまとめる立場です。皮の商品開発は3年目の男性社員がメイン担当をしていて、彼がリサーチをして試作したものに対して、「次はこういうテストが必要だね」と皆で話しあって進めています。
私は他のメンバーよりも春巻歴が長い分、「その試験、前にやったことあるな」と思うことがありますが、自分の経験に固執しないよう気をつけています。チームだからこそ、その人数分の方法論を展開することで、ひとつずつ課題をクリアにしています。そうすることで、お互いの意見で刺激を与えあえる、良い関係で仕事ができています。


若手社員も活躍中!
商品開発の飽くなき挑戦
――長く春巻の商品開発を担当してきて、正直なところ飽きることはないのでしょうか?
手塚:……ありますね(笑)。来る日も来る日も春巻ばかり検品していますので。同じグループ内に麺や今川焼の担当社員もいるので、他の検品風景を見るたびに「食べたいなあ」と思っています。
でも今は自分が課せられている課題を解決させてから、次のテーマにいきたいという気持ちが大きいです。もう少し、春巻でしっかりと目指している結果が残せるまで頑張ります!
――仕事をするうえで心掛けていることはありますか?
手塚:一緒に働いている後輩に「あんな先輩にはなりたくないな……」と思わせるような姿勢を見せないこと。もし私が後輩の立場なら、一緒に仕事をしている先輩がネガティブだったらイヤだと思います。だから基本、いつも前向きに。
時短勤務であることもあり、「今日やれることは今日やる」という気持ちで仕事しています。後でやろうと思っても、大抵忘れますし、期限ぎりぎりになると焦って良いことがないので。とはいえ、毎日帰る時間ギリギリまで作業していることが多いので、頼れるところは「あとはお願いします!」とチームメンバーに託し、走って帰っています。(笑)


母として子どもに安心して
食べさせられる商品を生み出したい
――手塚さんは2人の男の子を育てるママでもあります。仕事と育児や家庭の両立はうまくいっていますか?
手塚:2人目の育休が明けて1年。子どもが小さいと、急に仕事を休まなければいけないこともしばしば。そんなときに私の不在で仕事が滞ることがないように、常にチーム内で情報を共有し、サポートしあえる体制をつくっています。商品開発は社内でも女性の多い部署で、私以外にも働くママ社員はたくさんいますが、社内には「お互い様」という空気があって、春巻以外のチームもそれぞれうまく助け合いながらやっているようです。
――ママになったことで、仕事の考え方などに変化はありましたか?
手塚:2人目を産んでから「今日の夕食は絶対に何もつくりたくない!」と思う日が増えて、週に1度は帰りにスーパーに寄ってお惣菜を買っています。母親の目線で見ると子どもに食べさせたいものもあれば、そうでないものも中にはあるんですよね。
惣菜でも冷凍食品でも、もっと子どもに安心して食べさせられるような商品を生み出していきたいと強く思うようになりました。今は「自分の子どもに食べさせたい」と自信を持って言えるような春巻をつくりたいですね。
――最後に就活生へのメッセージを聞かせてください。
手塚:ニチレイフーズの商品開発は、男女問わず若手社員もたくさん活躍していて、1年目からテーマを持って商品開発に携わることができ、早ければ2年目には商品を生み出している人も。何かを突き詰めたい人、いろいろなことをやってみたい人、どちらも大歓迎です。自分がつくりたいと思う商品を若いうちからつくれるので、やりがいも大きいと思います。
だからといって、1人に任せっきりにするということはありません。経験豊富な先輩社員が、何か困ったことがあればいつでもサポートしますし、うまくいかないことがあってもいい。決して失敗を恐れることなく、チャレンジしてほしいと願っています。
※掲載の仕事内容、所属は取材当時のものです。
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CAREER INTERVIEW
ニチレイフーズに入社後、どのようなことを経験し、現在に至るのか。
キャリアを重ねた現在、目指したい未来とは。
それぞれ異なるキャリアを歩んできた社員に、語ってもらいました。